ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

1977年 カイロでの調査報告 (2)

すっかりご無沙汰となってしまいましたが、以前ご紹介した「1977年 カイロでの調査報告」(参照:2009年6月20日付「ユーリの部屋」)の後半部です。

(7)(キリスト教では「宣教」努力と呼ぶものだが、アラビア語では通常‘da’wa’ の用語が使われ「招待する」「呼びかける」「説教する」などの意味がある。「マルキスト」の一人は否定し、「モスク集団」の一人は明らかに肯定した)
イスラームの初期の広まりは社会経済的理由によるものだ / イスラームのダアワはムスリムに向けてであるべきだ / イスラームは説教されるべきだが啓典の民は除く / 仏教徒やヒンドゥ教徒については、イスラームは神について妥協できないので、礼儀正しくムスリムは彼らと議論しなければならない / イスラームはダアワの特別な努力を通してよりも信徒達の事例を通して広まるべきである / ムスリムはクリスチャンより組織化された宣教努力が遥かに少ない / ムスリムの義務は他者をイスラームに誘うことである / ダアワは宗教を持たない人々に対してまず向けられるべきであり、その後ユダヤ人やクリスチャンに向かう / ダアワは力によってではなく、理性的な議論やアピールという手段によって実行されなければならない / クルアーン 16章125節「叡智と公平な説得をもってあなたの主の道へ招き、よりよい方法で議論せよ」/ クルアーン 2章256節「宗教に強制なし」/ 聖戦の意味としてのジハードは、預言者時代に防衛の必要性であり、最初の4代カリフまでは正当化された。それ以来、その時代は過ぎ去った / ダアワは全ムスリムの義務である / 適切に訓練された人のみがダアワをすべきだ / イスラームを受け入れるのは神の働きである / クリスチャンがしているようにムスリムも外国宣教師を送るべきだ / 

(8) 「マルクス主義」を含む2人は後の世を信じていないと述べた / 1人は後の世の存在について疑いを表明した / 良き行為が天国への資格である / 結局、地獄の火は止み、神の憐れみが広まるという初期ムスリム集団を引用した強い普遍主義者 / 唯一神(muwahhid)を信じる人が天国に入るだろう / 三位一体の教義を持つクリスチャンは唯一神の信徒であると認められ、シャリーアによれば、ムスリムのようにクリスチャンもユダヤ教徒も同じ家族で、共に住むことができるので、天国に一緒にいける / クルアーン 2章62節 (参考)5章69節 「信仰ある人、ユダヤ教徒キリスト教徒、サバ人(Sabaeans)であれ、神と最後の日を信じ、よき行いをする者は誰でも、主と共にあって報償を受けるだろう。恐れは彼らに下らないし、悲嘆することもないだろう」/ 多くのクリスチャンと知り合いだが、三位一体や受肉が何を意味するのか正確には知らない。ムハンマドが、メディナのモスクで祈るためにナジュラン(Najran)のキリスト教徒を訪問することを許可した時の出来事に言及 / 「モスク集団」の一人は、ユダヤ教徒モルモン教徒は天国に入れるが、三位一体のキリスト教徒については躊躇した / 明らかに躊躇しながらも、一神教的なヒンドゥ教徒は、ユダヤ教徒キリスト教徒と同様、天国に入れるかもしれないと認めた / 「西洋化人」の一人は、ムスリム共同体外の人達は天国に入れるかもしれない。外的にはユダヤ教徒キリスト教徒、そのほかであっても、真にムスリムかもしれないと言った / ムスリムでない人々の運命は神のみぞ知る / イスラームについて聞く機会がなかった他の伝統宗教の人々は天国に入れるかもしれない / 

(残りはまた後日に…)