ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ワークショップ・学会の発表など

昨日は、タイミングよく事が運び、心地よく過ごせました。

まず、午前中、財団法人日本聖書協会から前日に届いた郵便の件で、電話をかけてお問い合わせをしました。翻訳部に新しく入られた先生が応対してくださり、明快で丁重ななお答えにすっかりよい気分になりました。早速、来月の聖書翻訳ワークショップに参加する旨、前向きに検討するとお返事いたしました。おととしと昨年は、かなり盛大な国際聖書フォーラムが開かれましたので、今年もその予定があるのかどうかお聞きしたところ、今回は50名限定のワークショップで、パーティもなく学び中心の会合だとのことでした。外国人のお客様の来日についてもうかがうと、今年は韓国とオーストラリアから二名のみ、とのお返事。もちろん、ミン先生とスシロ先生のことです。(うわぁい!)と、子どものようにうれしくなりました。

早速、スシロ先生にご連絡すると、「実はね...」。「東京会合の二日前に、イギリスでも会合が開かれるので、二日目の午後遅くにしか到着できないかもしれない。でも、会場で会えなかったら、日本聖書協会のスタッフに私の宿泊地を尋ねてみてください」。

相変わらずスケジュール満載のスシロ先生です。それにしても大変ですよ、移動だけでも疲れるのに。

こうしてみると、やはり何事も一期一会だと思います。毎年フォーラムが開かれるなら、スシロ先生もきっと来日されるだろう、と安心していたのですが、日本側でもスタッフの交替があり、規模や形態も変わっていくのですから。ただ、これを機に連絡がとれたのはよかったと思います。

昨年のクリスマス前後に騒動となったマレーシアの“Allah”用語問題については、スシロ先生も「マレーシアの同胞のために」いろいろと動かれたようで、オーストラリアのABCラジオにもインタビューを受ける形で出演されたそうです。

さて、その“Allah”用語問題ですが、神学的に理論化し、かつマラヤ/マレーシアの地における聖書翻訳の歴史的概観と現地指導者の議論内容を盛り込んだテーマで、学会に研究発表を申し込んでおいたところ、無事、受理されました。来月は忙しくなりそうです。早速、準備にかからなきゃ!ジャワ系インドネシア人のスシロ先生もマレーシアのためにオーストラリアで尽力されていると知れば、私の方だって非常に励みになります。

また、マレーシア神学院のインド系図書館員の男性から、新刊書を一冊発送したとの由、メールが来ました。この新刊書は、インド系のアルバート・ウォルターズ博士の何冊目かの著作『隣人を知ること:マレーシアのクリスチャンのためのイスラーム研究』と題するもので、昨年の大みそかに紹介されました。この博士は、イギリスのバーミンガム大学神学部で研鑽を積まれ、マレーシア事情に沿ったムスリム・クリスチャン関係のテーマで多くの論文を出されています。以前から評判をうかがっているので、一度、是非お目にかかりたいのですが、いつになることやら...。

とても助かるのは、図書館員のサクティさんが、私の関心分野をよく把握していて、関連書籍や論文が出ると、すぐにメールで紹介してくれることです。ある場合には、「支払はいらない。これは友情の証しだ」として、本を丸ごとプレゼントしてくれることもあるのです。ともかく、日本国内での議論はもちろんですが、それのみならず、現地での議論や方向づけにも踏み込むためには、このような影の助けが非常に重要です。

「まだやってるのぉ?優秀な人なら、25,6歳ぐらいで博士論文を書いているよ」と、言われなくてもわかっているこちらの無能さを、わざわざ指摘する人が何人か周囲にいたのですが、言い訳ではなく、それは内容と環境によるとも思います。例えば私のテーマでも、問題意識を持った17年前には、そもそも文献がどこにあり、問題の所在は何なのか、誰に聞けば信頼できる情報を教えてもらえるのかすら、なかなかつかめませんでした。日本の先生方にもあちらこちら聞いて回りましたけれども、テーマそのものを、またはマレーシアそのものを、大して相手にもしていただけなかったような印象があります。「だからぁ、とりあえず、できるテーマで学位を取得してから、それをすればいいのにぃ」と高見から見下ろすような人もいました。ただし、人生は一度きり。したくもないテーマで学位をとってしまったら、他者によって方向づけされてしまうこともあるのです。

...と理屈をこねていないで、なすべきことをし、私なりの人生を歩んで行きましょう!ありがたいことに、今日も予定がいっぱいです。