ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

コーク一族

メーリングリストより抜粋を。

ダニエル・シュルツマン『コーク一族:アメリカの真の支配者


・コーク家の織り成すドラマにおいて、フレッドの子どもたちが演じてきたそれぞれの役割は、幼少期にはすでに決められていたといえるだろう。


・チャールズは8年間ボストンで暮らし、その間マサチューセッツ工科大学(MIT)で化学と原子力工学を学び、コンサルタント会社で働いた。その後、ウィチタに戻り、石油精製、製造業、牧場経営という、コーク家が展開していた様々なビジネスについて学んだ。


・三男、四男で双子のデイヴィットとビルは、チャールズの後を追い、MITに入学した。彼らの父フレッドもMITの卒業生だった。


・父フレッドが亡くなったとき、彼の作った会社は年間売り上げ2億5000万ドル、従業員650人の規模だった。


・会社は現在、年間売り上げ1150億ドル(11兆5000億円)、従業員数10万人以上を誇る規模にまでなっている。また世界60ヶ国でビジネスを展開している。


・チャールズの指揮下、コーク・インダストリーズは、アメリカで第2位の規模を誇る非上場企業となった。


・コーク社の主要事業は昔ながらの石油、化学、肉牛、林業である。そして、コーク社の急成長によって、チャールズとデイヴィッドの資産はそれぞれ400億ドル(4兆円)になると推定されている。彼らは世界で6番目の大富豪に位置している


・デイヴィッドはかつて、自分たちは「人々が名前など聞いたこともない企業の中で最大の企業」を経営しているのだ、と語ったことがある。


・コーク社は世界最大の天然資源と農産物の取引業者である。総面積42万エーカーを誇る3つの農場を経営し、1日に75万バレルの原油を精製している。


・「政府は悪だ」という考えを保守的な父親から叩き込まれたため、チャールズはリバータリアニズムに惹かれるようになった。リバータリアニズムは、個人と企業の自由の最大化と、そうした自由を守るだけの機能を持つ最小国家(政府)を主張する哲学である。


・市場を歪め、結果として人間の行動をも歪めてしまう政府の規制や補助金制度を心の底から嫌うようになった。


・政府の規制や補助金は間違った秩序を社会に押し付けてしまうことになると考えているのだ。


・彼の経営哲学の要点は、会社の「最下層」を重視するという点にある。そして、たとえ一番現場のパイプライン管理部門の労働者であっても、自分のことを経営者だと考えて行動するように求めるものだ。


・チャールズは仕事中毒だといわれた。しかし、それは彼の中毒症状を控えめに表現したものに過ぎなかった。彼は仕事外の時間も頭が痛くなるような経済学、哲学、組織心理学の本を読み、知識を増やし、それを会社経営に利用した。


・チャールズの戦略は、教育、研究、資金提供、その他の行為を通じて、知識人階級に焦点を絞ってリバータリアニズムを広げようというものだった知識人たちこそが世論を形成し、政治家たちに影響を与える存在だと彼は考えた。


・チャールズは本が溢れたアパートの部屋でオーストリア学派経済学の本を読み漁り、独学で博士号取得者と同じくらいの知識を得た


・コーク兄弟は洗練された作戦を展開し、自分たちと大口寄付者ネットワークを陰の政党のようなものに進化させてきた。これには長い年月が必要だったが、今では共和党という宇宙内部で独特の重要な位置を占めるようになっている。彼らは、巨大な資金集めネットワークを構築した。このネットワークは、共和党全国委員会に匹敵する集金力を誇る。

(部分抜粋引用終)