ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

パレスチナ人の反対デモ

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メムリ(http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP729418


緊急報告シリーズ   Special Dispatch Series No 7294  Jan/24/2018


「トランプのエルサレム首都認定宣言に対するパレスチナ人の反対デモ参加は何故少ないか ―パレスチナ人ジャーナリストの分析―」



パレスチナ通信Maan News Agency編集長で、パレスチナ自治区PA)のLebanese Mayadeenチャンネル局長のアル・ラハム(Nasser Al-Laham)は、2017年12月18日付記事で、トランプ大統領エルサレムイスラエルの首都と認める宣言をしたことに対し、パレスチナ人民の間に高い政治的危機感があるにも拘わらず、反対デモや反対集会が何故盛り上がらないのかと問うた。アル・ラハムはその理由を次のように指摘した。第1は、今後の対応について、パレスチナ諸派の間で意見が割れていること。第2は、全員がまとまるための政治的スローガンに欠けることで、人民はパレスチナ自治政府の外交キャンペーンの行きつくとこを見きわめ、この点でパレスチナ指導部がどう動くのかを見ているところである、と述べた。


ナセル・アル・ラハム編集長(Source: paltoday.pas, January 26, 2015)


次に紹介するのは、アル・ラハム編集長の記事である※1。


パレスチナ人達は、占領下にある首都に対する危機の深さを理解するだけの政治的自覚を持っている…デモが相当エスカレートし、エルサレムとエルアクサ・モスクに対するシオニストの悪魔的計画に対し、反対デモをやった。ここ数年と違って、インティファダのない日は殆どないし、占領者達は、夜間逮捕の作戦をやっている。全人民の一斉蜂起につながらないよう、事前措置を講じているのである。しかしながらデモは段々すくなくなっている。それにはいくつかの理由が考えられる。


●闘争がどの方向へどこまで進むのかを理解しようとして、パレスチナ指導部の方針決定を待っているため。これまで、何か大きい事件があると、人民は全力で行動したが、それが指導部の決定とくい違うケースが、ままあった。指導部が(さまざまな)国の関心を考慮するからである。人民は、指導部がインティファダを続行と理解すれば、この地域の情報(メカニズム)が考える以上に、すぐにつき進んでしまう。


●教育の場では現在試験期にあたることも、デモの少ない理由である。通りに出てデモをやる者の大半は生徒か大学生なのである。パレスチナ人の教育に対する熱意は周知の通りで、第1次インティファダ(1987年)の時、統一指導部が、学校閉鎖になるよう、教育システムと卒業試験を変更した。


パレスチナ人民は、パレスチナ自治政府を中心とする外交キャンペーンの結集を待っているところである。提案に対して国際社会がどう反応するのか、投票結果を待っている※2。


●(統一)政治スローガンについて、パレスチナ諸派間で意見がまとまらず、パレスチナ諸派、諸勢力のデモ参加が少ない。各派は、それぞれの政治姿勢に従って、ばらばらに行動している。(同時に)、ガザ回廊はこの点ではほかの地域をはるかに越えている。ここでは諸派が立場の違いを克服し、足並みを揃え、共通のスローガンのもとで行動しようとしている。


●行動手段について意見の一致がない。その意味で、今後の動きがまだ不明である。1987年のインティファダでは、石が使われた。入植者とその車に対する投石は有効で、彼等に地獄の苦しみを与えることができた。2000年のインティファダでは、銃が使われた。今回(鏡を選択するかどうか)の闘争手段については、不明である。そして又、指導部が呼びかける人民抵抗の意味も、人民には中味が判らない。指導部自体も判っていないのだろう


※1 Maannews.net, December 18,2017.
※2 これは、エルサレムイスラエルの首都と認めるアメリカ政府の決定を拒否する国連総会の投票をさしている。賛成128、反対9、棄権35であった。これはPAにとって大勝利といえたが、それにも拘わらず、デモ参加者は増えていない。詳しくは次を参照。
The guardian.com, December 21,2017.

(引用終)