国民統合を目指して
ここ数ヶ月、定点観測(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171012)として見ているオバサマ・ブログがある(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170820)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170905)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170911)。
このようなゴシップ風のブログは、孫もいるのに「mayu」と名乗っているような60代のオバサマ軍団のお楽しみと日頃の鬱憤晴らしとして、恐らくは何も考えずに気楽に主婦の井戸端会議風に作っているだけのつもりなのだろうが、私の目には、皇族や海外の王族をファッション・ショーと間違えているのではないかと危惧される。
一体全体、お孫さん達に何を勘違いして教えているのだろうか。
「これでいいのだ」と題しているが、私にとっては、何もよくない。
これからの日本の一般素養と知的教養は、本当に大丈夫かしら?
現憲法下における「国民統合の象徴」のお妃でいらっしゃる美智子皇后陛下と雅子妃殿下を勝手気儘にバッシングすることで、今と次の代における国民分裂かアナーキズムを計っているとしか思われない。
この頃、議論されている改憲論の中で、天皇を「象徴」から「元首」に変更してはどうかという意見が出ているが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160308)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170521)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171013)、仮に国民投票で「元首」と憲法規定されることになった場合、このオバサマ軍団は、「過去に公開ブログで元首のお妃方を不当に非難轟々、悪口合戦していた」ということで、文字通り不敬罪、あるいは不穏を世間で広めている罪に当たる行為を犯していると見なされる可能性も出てくるが、その覚悟はよろしいのかしら?
その対極にあるかと思われるブログに、「女性天皇を支持する国民の会」というものがあると知った。
(http://blog.goo.ne.jp/jyoteisiji2017/e/29ae866581bff1f32bacfe42defe9158)
・「性別を問わない直系長子継承」こそ安定的皇室存続のための唯一の道。女性天皇”復活”に向けて道なき道を歩いていこう。
・2017年4月3日〜2017年7月24日までの募金総額:262万0965円
ここから、東京新聞と奈良新聞の各広告代理店に対し、広告料金の支払いを行いました。
・2017年度末までに、東宮ご一家ファンにとって大切なお祝いの日が、2度、やってきます!そうです、12月1日の愛子様のお誕生日、2月23日の皇太子さまのお誕生日です!この2つの大切な日に、新聞にお祝いメッセージ(+女性天皇支持)広告を出せたら、素晴らしいと思いませんか?そして、2018年度になると、6月9日は、皇太子さま、雅子さまのご結婚25周年です!
と書いてある。
この問題に関する賛否を論じる前に、先日の淡交社出版の薄い本『奈良で出会う天皇になった皇女たち』(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171013)をお勧めしたい。この本は、イラストがリベラル派や小学校高学年以上の若い女性達にも受け入れられやすいような雰囲気なので、一度、パラパラとでも目を通していただければ、本質がよくわかるのではないかと思われる。
125代続いた天皇の流れの中で、特に近年は明治と昭和という長く大切な激動を経ているにもかかわらず、平成以降はいきなり小さな流れに狭めて、徐々に消していくつもりなのだろうか、というのが、私の率直な疑問である(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170708)。
小泉首相の時代ならばともかく、なぜ今でもこのような運動が展開されているのか、私にはよく理解できない。
想像してみるに、恐らくは、(ご成婚前の雅子妃殿下のように)自分も有能で美人の才媛女性であるが、なかなか世の中で期待したようには自分が認められていなくて不満を覚えるため、皇太子ご夫妻の間に、待ち望んだ末に念願叶ってお生まれになった敬宮愛子内親王様を、是非とも天皇に持ち上げよう、という悲願なのだろうか。
あるいは、弟宮である秋篠宮文仁親王殿下が天皇になられる時代を、相当に懸念しているのだろうか。
いずれにせよ、もし私がその見解に立っていたとすれば(勿論、立っていないが)どうするかについては、既に西尾幹二氏にまつわる拙ブログで述べたので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171013)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171014)、参考になるかどうか心許ないものの、よろしければどうぞ。
新聞広告を出して華々しく運動を展開するよりも、まずは万葉集を雄略天皇から一つずつ学びながら(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070726)、並行して自らも心静かに和歌を詠みつつ、落ち着いて日々を暮らすのが、一番効果的ではないかと思いますが。
さて、今年は5月の秋篠宮眞子内親王のご婚約発表ニュースを巡る騒動により(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170523)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170525)、普段は全く縁のない一般世間の皇族に対する反応や潮流の一部をインターネット上で知ることとなった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170913)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170918)。
これを契機に、学生時代から長らく気になっていた昭和天皇のご足跡や弟宮の日記、皇族方のご著作(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170523)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170821)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171012)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171014)、侍従の日記(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170923)、一般向けの話題作品(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170923)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171010)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171013)などを、やっと読む機会が到来したと思い、喜んでいる。何しろ重大な時代のため、公式文書を含めて、幅広く読まなければ、自分なりに納得のいくような理解に至れない。文字資料だけではわからない部分は、You Tubeの映像クリッピングを少しずつ見て補い、ツィッター(https://twitter.com/ituna4011)に掲載しつつ学んでいるところである。
昨日と今日の両日で届いた本は、以下の通りである。
宮内庁『昭和天皇実録 第二(大正三年−大正九年)』東京書籍(2015年3月27日)
高松宮宣仁親王『高松宮日記 第一巻(大正十年−昭和七年)』中央公論社(1997年)
工藤美代子『香淳皇后と激動の昭和』中公文庫(2006年)
友納尚子『ザ・プリンセス雅子妃物語』文藝春秋(2015年1月28日)
最初の二冊については、いずれも郵便配達の人がわざわざ上へ持ってきてくれ、受領印を押すように、と言われた。
貞明皇后に関する工藤美代子氏の著作は、過去ブログ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161030)にある。
香淳皇后に関しては、先月、学会が開催された東京の広尾にある聖心女子大学の敷地が久邇宮家のご実家だった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170923)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170926)。学会前日、一人で広いキャンパス内を歩き回って写真を撮ったが、その後、学会参加者と共に、大学のご案内係から説明を受けてご邸宅の中に入らせていただいた。古い白黒フィルムで拝見した場所に、自分も立っていたのだと思うと、感慨深いものがある。
今では、聖心女子大の学生さん達は、ご邸宅をお茶のお稽古に使っているとのことであった。
なお、この学会には、初期の頃、三笠宮崇仁親王殿下も所属なさっていて(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100712)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161028)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161208)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170119)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171013)、懇親会にも参加されたとの記録が古い会報に残っているが、先月の懇親会で何枚かのお写真を拝見した際、ある時期の大会出席以降、止められたと伺った。
「利用されたくないと思われたんでしょうね」との由。
さて、10月15日(日)には、雨降りの肌寒い中、久しぶりに大阪のザ・シンフォニーホールへ行き、5年ぶりに前橋汀子さんの演奏活動55周年記念コンサートを楽しんだ。飯森範親氏の指揮で日本センチュリー交響楽団だったが、こちらは初めて演奏会場で触れることとなった。
前橋汀子さんは、若いソリストでも一度に一曲のみの協奏曲が普通なのに、なんと今回、ベートーヴェンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(いずれもニ長調)を、羽のような裾の白いドレス(前半)と、休憩を挟んで、透き通るような赤い薄地のドレスを重ねて(後半)、一気に演奏されたのみならず、アンコールにはサラサーテのツィゴイネルワイゼンを朗々と艷やかに奏でられた。出だしで既に拍手が湧いたのも印象的だった。協奏曲のカデンツアも楽しかった。
この体力と精神の強靭さには、並外れた努力と日々の鍛錬が伝わってきた。スタンディング・オベーションがあちこちで見られたのもうれしかった。
5年前にも、50周年記念とのことで、思いがけず楽屋で並んでサインを頂戴し(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120609)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120610)、たまたまスマホを構えた主人をご覧になって、ご一緒に写真を撮らせていただいたが、今回はさすがに何もなかったようだ。それで良いと思い、改めて一期一会を思った。
『私のヴァイオリン 前橋汀子回想録』が早川書房から出版されたと、先月、銀座の教文館で知ったので、早速、近所の図書館に購入をお願いしてある。