ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

間に合うかしら?

....と書いていたら、はたまた凄い本がイスラエル発で届いた。

ベン=アミー・シロニー(著)大谷堅志郎(訳)『母なる天皇:女性的君主制の過去・現在・未来』(The Enigma of the Emperors: Divinity and Gender in the Japanese Monarchy)講談社(2003年)

シロニー先生に関しては、これが三冊目の著作である。過去ブログを参照のこと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130405)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130508)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130625)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151031)。

1937年にポーランドで生まれた歴史学者のシロニー先生は、1967年からICU国際基督教大学)に留学され、アメリカのプリンストン大学で博士号を授与されている。その後、ヘブライ大学東洋学部で毎年500人以上の学生に日本の歴史文化を講義し、同時にトルーマン平和研究所の所長も兼務された。1991年にはハーヴァード大学客員教授。2000年には勲二等瑞宝章を授与されている。
この本を求めた理由は、海外、特にイスラエルでは、現皇室に関してどのような見方が有力とされているのかを知っておくべきだと考えたからである。国内の潮流のみを分析しているのでは、孤立してしまう。
「世界と日本」ではなく、「世界の中の日本」という視点である。
本書の結論は、「存続のカギは女系」である(pp.412-414)。
シロニー先生のことは尊敬申し上げているものの、この点に関して、私は即座に同意することはできない。
但し、邦訳された年が2002年末であることにも留意すべきである。また、本書の英語原書版は未刊行とのことである(p.415)。
あれから、さまざまな出来事があった。特に、平成18年(2006年)には、悠仁親王殿下が秋篠宮家に誕生された。
だからこそ、私も本書を手に取って読むことができる。
あと一年二ヶ月足らずの間に、一国民として最低限、勉強しておかなければならないことは、まだたくさんある。間に合うかしら?
2017年12月31日追記:シロニー先生は、ユダヤ教の祭祀職がコーヘン(Cohen)で男系継承であるという理由から、皇統を保持するには男系でなければならないというメッセージを、日本武道館で開催された2006年3月の日本会議主催の一万名大会に寄せられたという。