ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

トルコの競争力低下

日経(http://www.nikkei.com/article/


「トルコ公教育のイスラム化と競争力低下のワナ」
2017/5/6
日本経済新聞 電子版
佐野彰洋


・「私たちの学校に触るな」「沈黙せずに学校を守ろう」。エルドアン大統領が権限集中の憲法改正を勝ち取ったトルコの国民投票から2日後の4月18日、最大都市イスタンブールのアジア側カルタル地区の公立中学校前には激しい雨にもかかわらず約100人の保護者が集まっていた。


・集会の目的はただひとつ。1週間前に明らかになった既存の普通中学校をイスラム教育を重視するイマーム・ハティプ校(宗教指導者養成学校)へと段階的に転換する当局決定を撤回させることだ。


・PTA会長のデニズ・シェケロール(41)さんは「私たちは皆イスラム教徒だが、コーランは家で学習できる。子どもたちの将来には現代的、世俗的、科学的な教育こそが重要だ」と突然の決定に憤りを隠せない。


アラビア語イマームイスラム教の「導師」、ハティプは「説教師」を指す。トルコの教育制度上では職業教育学校のひとつに位置づけられているが、聖職者にはなれない女子生徒も受け入れている。中学と高校が設けられ、預言者ムハンマドの生涯や聖典コーランの学習に時間を費やす分、一般の学校に比べ理数系科目などの授業時間が少ない。敬虔(けいけん)なイスラム教徒であるエルドアン大統領も同校出身で、4人の子どもたちを通わせたことでも知られる。


・このイマーム・ハティプ校はエルドアン氏が結党したイスラム色の濃い与党・公正発展党(AKP)政権下、特に義務教育改革が実施された2012年以降、年々規模を拡大してきた。・トルコメディアによると、1990年代末に7万人だったイマーム・ハティプ校に通う生徒数は、足元では120万人へと急増している。


政教分離世俗主義を国是に掲げる一方で人口の99%をイスラム教徒が占めるとされるトルコでは、信仰心のあつい保守派と世俗派の分断が激しい


・「我々の目標は信心深い世代を育てることだ」。イマーム・ハティプ校拡大の背景にあるのが、政権や与党に忠実な人材の育成を急ぐエルドアン氏らの事情がある。有能な人材を多数抱えていた在米イスラム教指導者ギュレン師とは13年ごろに決別した。同師支持勢力は16年夏のクーデター未遂事件を起こしたとされ、徹底弾圧の対象だ。旧来のエリートである世俗派にも頼れない。


経済協力開発機構OECD)が72カ国・地域の15歳、約54万人を対象に15年に行った学習到達度調査(PISA)によると、トルコは科学、数学、読解力の3科目でいずれも12年の前回調査から順位を落としたOECD加盟国35か国の間では下から2番目の順位に甘んじている。


勤勉な国民性、人口8千万の巨大な国内市場、輸出に有利な立地などの魅力を持つトルコには自動車産業を中心に多数の外資が進出する。しかし、自動車エンジンやエアコンのコンプレッサーなど基幹部品は輸入に頼っており、付加価値の創出が課題となっている。


・トルコの1人当たり名目国内総生産(GDP)は02年の3500ドル(約39万円)から10年には3倍の1万500ドルに伸びたが、その後はおおむね横ばいだ。安価な労働力や地方から都市への人口移動を原動力に急成長を遂げたが、産業の高度化が進まずに経済が伸び悩む「中進国のワナ」に陥っている。


エルドアン政権は市場が待ち望む構造改革よりも、強権統治の手を緩めず、反政権勢力への弾圧や改憲に伴う法整備に政治的エネルギーを費やす姿勢が濃厚だ。

(部分抜粋引用終)

フェイスブックの転載から(https://www.facebook.com/ikuko.tsunashima

http://www.bbc.co.uk/programmes/p0521j9j


ダグラスさんのトーク番組。
ダグラスさんが話している途中で、なぜ必ず口を挟む人がいるのか、理解できない。「最後まで話させてください」と、いつでも強い調子で続けるダグラスさん。
そして、なぜかダグラスさんの論調は、とても常識的で当たり前のように聞こえる。それが仕事になっているという社会状況の意味は?

(転載終)
「ダグラスさん」については、過去ブログを。

http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%A5%C0%A5%B0%A5%E9%A5%B9%A1%A6%A5%DE%A5%EC%A5%A4


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http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/archive?word=%22Douglas+Murray%22


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以下の二冊の本が昨日、中古で届き、本日中に読了した。日高氏のエネルギッシュで勤勉な執筆活動には、頭が下がる。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4198618496/ref=oh_aui_detailpage_o02_s00?ie=UTF8&psc=1
『日本人が知りたくないアメリカの本音』日高 義樹・徳間書店(2004年4月22日)


https://www.amazon.co.jp/gp/product/4870310570/ref=oh_aui_detailpage_o03_s00?ie=UTF8&psc=1)
『日本は「2番(ナンバー・ツー)」でいい!』日高 義樹・飛鳥新社(1988年12月)

(転載終)
日高義樹氏についても、過去ブログを。

http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C6%FC%B9%E2%B5%C1%BC%F9


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