以下の議論は三年半前のことだが、私が今年9月下旬に見てきた欧州三ヶ国は(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161007)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161017)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161018)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161025)、まさに合致する。特にベルリンがひどかった。
パイプス家では、長年の学的文化的な功績によって、ご両親がポーランド市民権を復権された(http://www.danielpipes.org/15207/russia-middle-east-tour-dhorizon)。そのご長男だということで、パイピシュ先生も上の娘さん二人と共にポーランド市民になり(http://ja.danielpipes.org/blog/14259)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131101)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131103)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140327)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141125)、今回の旅行でも堂々とEUパスポートを利用し、アメリカ人同行者を羨ましがらせていた。
パリからベルリンに向かう飛行機に乗る時、チェックインで長い列を作らなくても済むのだ。ベルリンからストックホルム行きの時は、(嬉しさの余りか?)ちょっと調子に乗り過ぎて場所を間違え、結局は我々と同じ列になったけれど、それでも誇らしげに先頭を切っていた。
え、私?それは、菊の紋章のついたシンプルかつ品の良い日本のパスポートで充分。一見、単純なのだが、光の加減で、富士山と桜が透かして見える微細なデザイン。世界中、これ一冊でどこへでも自由に行ける。シェンゲン協定だの何だの、最初から日本のパスポートの通用性、利便性は世界中で高かったのだ。その信頼の伝統を裏切らないようにすることが、私の義務であり、責任である。
だから、私も誇らしげに並んでいた!
それに、昨年のテル・アヴィヴ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150512)でもエイラートでも(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150810)、今回のアムステルダム(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161007)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161017)でもそうだったが、カード支払いの署名をする時、私の書く漢字表記を見て、誰もが「これ、好きなんだ」とにこにこ顔。アルファベットではなく、画数の多い複雑な文字をサラサラとボールペンで書くのが、見ていて面白いらしい。
では、中国人は?
「あぁ、あの人達ねぇ、どうして列にきちんと並ばないのかしら?この間、シドニーでも叱り飛ばしてやったわ。ちゃんと並びなさいって」「昔は、日本人と中国人の区別がつかなかったけれど、この頃は、うちの国でも中国人が増えたから、違いがわかるようになった」。
やはり、ここでも同文同種は間違いであった。
ハングル世代の韓国人は、後悔しているのではないだろうか(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071007)?「偉大なる諺文、合理的な文字ハングル」と学生時代に説明を受けたが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161108)、果たして如何に?1990年代前半のマレーシアでは、「あれ、変わった文字だなぁ」と華人の漢方医が言っていたが。
(http://ironna.jp/article/501)
「移民先進地EUが教える生活保護の危機」
『月刊正論』 2013年5月号
評論家 宮崎正弘/作家・拓殖大学客員教授 川口マーン惠美
中国人に食い荒らされる「生き仏」
・宮崎:最近の日本の政策ときたら在日外国人への異例の厚遇、生活保護、所得税減免、医療保険方面での条件緩和と枚挙に暇がない。
・川口:ドイツは外国人の数が多いので、状況はもっと深刻かもしれません。去年の統計では、純粋な外国人の割合は全人口の10・3%、帰化した外国人も含めると、19・3%にもなります。つまり、ほぼ5人に1人が、外国人か、元外国人。そのうえ、EUの国民は自由に入国できて、お金がない人は即座に援助が受けられる方法もあります。EUといっても27カ国もありますから、すごく貧しい国も多い。
・宮崎:日本人も多いが、社会保障の不正で目立つのは圧倒的に在日中国人ですよ。
第一は国民健康保険の悪用です。とくに在日外国人210万人中、85万人が加入しているのですが、日本が国連難民条約に加盟(昭和56年)して以後、規則が緩和され、この制度が悪用されています。第二は年金、生活保護の不正申告です。憲法25条は「国民の権利」としていますが、昭和29年の旧厚生省社会局長通達で在日朝鮮人を念頭に外国人にも適用が認められ、近年では在日朝鮮人の列に加え中国人による不正受給が急増しています。 第三が所得税控除、扶養控除の適用を利用する遣り方です。日本の所得税法上、在住外国人は海外にいる親族を扶養家族として控除申請できます。親族とは6親等以内の血族あるいは3親等以内の姻族を指しますから、配偶者の兄妹姉妹、甥や姪まで扶養家族にできるわけですね。2011年末の「在日中国人」は67万人。「定住外国人」98万人のうち、中国人の定住者は27万人。在日中国語新聞の有力紙「東方時報」「『生活保護詐取事件』(中国人集団が来日してすぐ同一住所で申請し、嘘がばれた)により、日本では外国人の生活保護認可の壁がますます高くなっている」(2012年12月6日)。
チャイナタウンの本場となった池袋の弁護士事務所に持ち込まれる相談案件から拾ってみることにしましょう。偽装結婚の合法化、不法入国者の永住権獲得、観光ヴィザから永住権への切り替え。頻発する離婚訴訟のアドバイス、非嫡出児童の日本国籍取得ノウハウ、生活保護獲得のあの手この手。法律事務所の謳い文句は「在日中国人が幸せになりますように、あらゆる難儀な法律問題を解決してあげます」。
独蘭の被害額は年間500億円
・川口:去年、ドイツとオランダで、おそらく年間合計4億ユーロの生活扶助費が外国人にだまし取られているだろうという記事を見ました。1ユーロを125円とすれば500億円です。一番多いのは、母国に不動産などの資産を持ちながらドイツで生活保護をもらっているケース。そして、もっと悪質なのが、ドイツで事業を始めるといってローンを借り受け、そのお金を自分の国で不動産などに投資し、ドイツの会社は倒産させて、生活保護を受けるといったケースで、どちらもトルコ人に多い。同じく外国人の多いオランダは、損害金額が1億7400万ユーロ(217億5千万円)で、やはり、ほぼ半分がトルコ人によるものだそうです。在独のトルコ人弁護士が匿名で『ディ・ヴェルト』紙に話していたことですが、不正を発表すると、ドイツで外国人排斥の機運が高まる可能性がある。ドイツ国内にいるトルコ人が怒り出し、せっかく積み上げてきた外国人統合政策が崩壊、治安が不穏になるばかりでなく、トルコとの外交的問題にまで発展しかねない。
・宮崎:役人の「事なかれ主義」は古今東西、どこも同じですが、なんだか精神が滅入る話ですね。
・川口:トルコ人に対する特別な措置はありません。EUの外国人は優遇されていますが、その他の外国人は、皆同じです。トルコ人は70年代に労働者として入り、経済成長が終わっても戻らず、国から家族を呼び寄せて、定着してしまいました。現在、帰化した人も含めて300万人ぐらいです。すでに3世、ときに4世が育っていますが、教育程度などは最底辺のところにいます。彼らは不法滞在ではありませんから、失業保険や正規の生活保護など、ドイツ国民と同様の社会福祉を受ける権利を持っています。
・川口:私はアルバニアでロマのすさまじい様子を見てきたばかりですが、ドイツへは、特にブルガリアとルーマニアから極貧ロマが長距離バスに乗って続々とやってくる。なにしろどちらもEUですからね。ブルガリア人とルーマニア人もEU市民ですが、2013年まではドイツではまだ連続で3カ月以上は滞在できません。ベルリンで外国人が多く集中していてドイツで最大の問題地域となっているノイケルンという地域には、その人たちが集まっています。ノイケルンだけで1377のブルガリアの事業者、1034のルーマニアの事業者が登録されていて、一軒の集合住宅に90もの事業者が入っていたりする。児童手当は2人目までが185ユーロ(2万3125円)、3人目からはもっと額が上がる。児童手当は18歳までもらえるし、場合によっては25歳まで延長が可能です。
・宮崎:根源的な発想が米国の制度に似ていますね。私生児に補助制度を作ったらこの制度を巧妙に悪用するワルが蔓延した。とくに黒人のジゴロですね。
・川口:子供を託児所にやらず自分のうちで育てれば、1人につき150ユーロ(1万8750円)が加算される。そして、滞在3カ月を過ぎても事業がうまくいかず、まだ貧乏だったら、今度は生活補助が加わります。住宅がもらえ、生活費、暖房費などが出るので、子だくさんのロマは、裕福に生活できます。あっという間に月々2千ユーロ(25万円)ぐらいになります。アルバニアでは、親戚がドイツなどから送ってくるお金で生活している人が多いと聞きましたが、ルーマニアやブルガリアも同じでしょう。ただ、それはドイツで働いたお金ではなく、ドイツ国が児童手当や生活保護としてくれたお金かもしれませんね。国籍が融解していく
・宮崎:まさに国家へのたかり。JFKは「国が何をしてくれるかを問うなかれ、あなたが国に何をなし得るかと問いたまえ」と言いましたが。
・川口:福祉の点では、ドイツはすでに社会主義国家です。戦後CDU(ドイツキリスト教民主同盟、中道右派)のアデナウアー首相がその布石を打ち、SPD(ドイツ社会民主党、中道左派)のブラント首相が磨きをかけた。EUの多くの加盟国とその他の計26カ国は、国境検査なしに人の移動を認める「シェンゲン協定」に参加しています。ところが2013年3月に開かれたEUの委員会で、ドイツの内務大臣が、今年から予定されていたルーマニア、ブルガリアの協定参加に拒否権を行使して、阻止したということです。
・宮崎:日本も最近は社会主義が完熟した国家だという議論がなされますが、ドイツと同じように風向きが変わるときがくるのかどうか。
・宮崎:豊かすぎる? しかし肝心の日本の若者に職がなく、年収が300万円もない人が目立つ。日本での生活保護の不正受給は平成12年末でなんと126億円です。前年比30%の伸び、呆れるばかりでしょう。ちなみに2012年度の予算で生活保護への予算は、じつに3兆7千億円ですが、厚労省の予測によれば、12年後の平成37年度には5兆2千億円に増えるらしい。これって防衛費をしのぐ金額です。安倍政権になってこの生活保護にメスを入れました。今年度から3年かけて、合計740億円を削減します。児童手当の外国人への優遇という錯誤をみましょう。「1年以上の滞在資格(ヴィザ)」という条件から、民主党政権下の平成24年7月以降、「3カ月滞在のヴィザを保有し、住民登録があれば、申請できる」と短縮されました。驚くべきことですが、そればかりか民主党政権が当初導入した「子ども手当」では「在日外国人の母国に住む親族」にさえ手当が出るようになって、首をかしげた人が多い。逆に「外国に住む日本人」に母国日本では手当が出ないにもかかわらず、です。
・宮崎:『永住許可に関するガイドライン』を読みますと、法律上は次の3つの条件をクリアしなければならないことになっている。「(1)素行が善良であること」、つまり「法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること 」とされますが、この基本を満たしていない外国人が多い。「(2)独立生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」となっており、公共の負担にならず、有する資産か技能から判断して、将来、安定した生活が見込まれることが条件です。第三は「永住が日本国の利益に合すると認められること」であり、国益に反する外国人への判定が甘すぎる。細則として「10年以上本邦に在留している人、ただし期間中、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していること」「罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。納税義務等公的義務を履行していること」となっていて、これもすこぶる運用、判定が怪しい。というのも所得税、住民税の特例措置として中国人留学生や研修生は除かれているからです。さらに「現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること」「公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと」があげられています。例外的に「日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。また難民の認定を受けている者の場合には、(2)に適合することを要しない」となっています。
・川口:日本人か永住者の配偶者なら、素行が悪くても永住許可を貰えるということですか?ドイツ国籍は自分で申請しないと取れません。条件としては、8年以上ドイツに住み、永住権があり、前科がなく、生活保護を受けていないことぐらいですか。つまり、私もドイツ国籍が欲しければいつでも取れますが、私は日本人の方がいい。帰化した人の数は、2011年の時点で10万6900人(連邦統計局の資料)です。なお、2000年からは、両親が外国人でも、ドイツで生まれた子供はドイツ国籍がもらえるそうです。児童手当は国籍に関係なく、ドイツに合法的に住んでいる子供すべてがもらえます。
・宮崎:日本では、外国人の児童手当の申請があまりにも多く、子ども手当時代の平成23年の途中からは、子どもが海外に在住する外国人は支給対象から外しました。
・川口:移民や外国人問題は、ヨーロッパが一歩も、二歩も先を進んでいて、ドイツにもよい例や失敗例がたくさんありますから、日本のお役人は、それをちゃんと調べれば、とても参考になると思うのですけれどね。
イタリアも中国移民の餌食に
・宮崎:イタリアで有名ブランドの服飾品、革製品、アクセサリーのニセモノを大量に生産し、東欧から黒海をわたって密輸に励んだのは中国人マフィアですが、その多くは密輸と売春に手を染め、とくにベニスは大量の不法労働者に加えて中国から売春婦を運び、盛業をきわめた。かれらがイタリア一国だけで稼ぎだしたカネは3億ドルとも言われ、地元のイタリア・マフィア顔負け。しかも中国人マフィアは地元マフィアとの抗争、軋轢を好まずむしろ共同戦線を敷いて、共存共栄の道を選んだといいます。
・川口:中国のヨーロッパ不法進出で一番有名なのは、やはりイタリアですね。もう10年も前からときどきドイツでも報道されていました。法が緩いのでしょうか、イタリアは。
・宮崎:この不法移民は今後の日本にも大問題となりますよ。日本のような島嶼国家でさえ、近年は飛行機の発達で偽造書類によって表玄関から堂々の入国があとを絶たない。さすがに最近は密航船による密入国は激減しましたが、EUのように陸続き、あるいはアルバニアからイタリアへの密航、ウクライナからいったんEU域内に入れば、あとは移動の自由が保障されていて取り締まりが円滑には行かない。米国はオバマ政権になってまたまた緩和方向にあり、所詮、多民族、多人種、宗教・言語お構いなしの人工国家ですから人口の若返り、つねに新規住宅需要がおこって景気が循環する。これは米国の宿命です。独自の文明を誇ってきた日本が、この米国モデルを模倣する必要はまったくない。それにもかかわらず日本は体型だけ米国型を真似し、それが「国際水準」などと間違った信仰をしてきた。
・川口:グローバル化は本当に地球全体を悪くしましたね。世界規模での貧富の差も広がったし、各国内での貧富の差も広がった。日本は技術あり、人材あり、貯蓄あり、そのうえ教育水準は高く、人口も多いのだから、安物ばかり追いかけなければ、国内の生産と内需だけで、かなり頑張れると思いますが、違いますか? とにかく、日本でしかできない高品質の物を作らなければだめです。そして、少し鎖国の方向に進めばいい。閉鎖的な鎖国ではなくて、前向きの鎖国。攻撃ではなく、守りを堅くしないと。
(部分抜粋引用終)