ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

欧米と日本の今後は?

http://newglobal-america.tea-nifty.com/shahalexander/2016/11/post-c849.html


2016年11月 5日
「西側民主主義の再建によって不確実性を増す世界を乗り切れ」


・今や多極化する世界の不確実性が語られているのも、アメリカ国内での孤立主義の高まりによって、国民の間で世界の警察官という役割への支持が低下しているからである。ロシアと中国が自国の力を強く意識していることは疑いようもないが、それはアメリカと西側同盟国が自由主義世界秩序への関与に消極的になり、西側のハードパワーが相対的に低下しているからである。
西側民主主義の弱体化という憂慮すべき事態は見過ごされているように思われる。民主主義への信頼が失われると、専制国家とデマゴーグが勢いづく。これによって世界はますます不安定で不可測性を強める
・不確実性の時代に入った今や、ポピュリズムの台頭が世界各地で見られるようになった。
・先進国では金融危機移民、自由貿易、「腐敗した」エスタブリッシュメントへの反感が広まっている。
・「事態を恐ろしく単純化する者」について警告し、「悪徳」な指導者が自らを国家が抱える複雑な問題の解決できる全能者のごとく振る舞い、究極的には法の支配が否定されてしまう。
・互いに枝葉末節な議論に陥りがちである。エリートがこのように混乱してしまえば国民は上からの「説教」にはますます反発し、醜悪な感情に突き動かされてしまう
ドナルド・トランプ氏は「事態を恐ろしく単純化する者」の最も顕著な例で、西側民主主義の信頼を傷つけて世界を不安定化させかねない。にもかかわらず、エスタブリッシュメントの労働者階級にとって彼は救世主である。トランプ氏は保護主義と政府の規制を支持して経済的な選択の自由を尊重しないばかりか、「俺だけが問題を解決できる」という発言に見られるように民主的手続きを軽視している。
・トランプ氏の「ビジネス感覚」なるものはむしろ独裁者に適合している。
・西側での民主主義の弱体化は専制的な大国を勢いづける。これは今年のアメリカ大統領選挙に典型的に見られ、それは政策上の真面目な意見交換よりも民主党共和党の候補者同士の低俗な中傷合戦に陥っている。本来は良き統治の模範であったアメリカの民主主義に、国際世論は幻滅している。
・国際世論はトランプ現象、ブレグジットヨーロッパ大陸諸国での極右の台頭が低俗で反主知的な性質であることを良く知っている。皮肉にもこうした愛国者気取りの人々の間に広がるNIMBYな排外主義は、西側主要国の名声と国際的地位に害をなすだけである。
・少なくとも大衆の自国優先主義に妥協してはならない
・対外不関与の傾向がアメリカの国家安全保障に重大な危険を及ぼしている。こうした人々は、ソ連撤退後のアフガニスタンに対する西側の無関心が9・11同時多発テロという大事件につながったことを思い出すべきである。トランプ現象やブレグジットのような極右の台頭は、エリートが国民を正しい方向に教育できなかったことの結末である。
・西側民主主義の全てが悲観的なわけではない。
オルタナ右翼の理念はそのように開放的で自由なものではなく、全く正反対である。彼らの思想はむしろ国家社会主義に近い
・皮肉にも国内で機能不全に陥った民主主義は、自由世界にとって外部からの脅威と同様に大きな脅威となっている。よって我々の国内での民主主義を再建するとともに民主化普及の取り組みを再強化し、我々にとってかけがえのない安定した世界秩序を取り戻す必要がある。

(部分抜粋引用終)

http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi


「東アジアの平和に不可欠な日米同盟の深化」
2016年11月10日


・トランプ氏か、ヒラリー夫人のいづれが勝とうが、アメリカの対日戦略にさほど大きな違いはないと、話してきた。アメリカは世界秩序を支えるのに疲れて、内へ籠りつつある。
・対日戦略をきめるのは、国務省ではない。国防省だ。
・私は「オバマ大統領は、どうかしている。北朝鮮が5回目の核実験を行ったのに、『北朝鮮を核保有国として認めない』というのは、町で火事がはじまっているのに、『火災として認めない』というのに均しい。国連で茶飲み話に耽って明け暮れているが、何の役にも立たない」と、苦言を呈した。
アメリカはイランから核合意を取りつけたが、必要なら、イランの核施設に「外科的攻撃(サージカル・ストライク)」を加えるといって、威嚇していた。
・日本は中国、北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力を、まったく欠いている。ミサイルが日本へ飛んでくる時に、迎撃ミサイルは役立たないと、考えたほうがよい。
千羽鶴を心をこめて折り、祈るだけでは、核攻撃を防ぐことは、とうていできない。
アメリカの“核の傘”を、盲信してはなるまい。
・日本が独自に核兵器を開発する、時間的な余裕はない。
・日本は自国と太平洋の防衛に、いっそう重要な役割を果たすことを、求められる。
・日本として、政府も、政界も、国民も、今後の日米同盟がどうあるべきか、真剣に考えなければならない。
・日米同盟こそ、日本の土台だ。
・1977年に、私は福田内閣三原朝雄防衛庁長官から、日本にとって戦後最初の安全保障問題の民間研究所をつくるように、要請された。
・カーター大統領が選出されたばかりで、カーター候補は在韓米軍の完全撤退を、公約として掲げていた。日米同盟のありかたを見直すことが、急務となっていた。
・翌年、私が理事長となって、勝田吉太郎教授、加藤寛教授、来栖弘臣前統幕議長、三輪良雄元防衛事務次官などが理事、春日一幸中曽根康弘金丸信衆議院議員などを顧問として、日本安全保障研究センターが発足した。
・私は現行の日米安保条約が、1980年に20周年を迎えることから、両国で今後20年の同盟関係について研究する会議を、東京で開きたいと、考えた。三原前長官が委員長、岸信介元首相が名誉委員長に就任した。「日米安保条約締結20周年記念セミナー『日米同盟今後の20年』」が、1980年8月に2日にわたって催された。
アメリカから、フォード元大統領を団長として、30人以上の上下院議員、州知事、元統合参謀本部議長、著名シンクタンクの所長が参加した。
日米の防衛交流を、密接にしたい

(部分抜粋引用終)