ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ストックホルムとノーベル賞

http://japan-indepth.jp/?p=30462


2016年10月1日
「日本の社会科学が国際化できないわけ」


渡辺敦子(研究者)東京都出身。上智大学ロシア語学科卒業後、産経新聞社記者、フリーライターを経て米国ヴァージニア工科大学修士号を取得。現在、英国ウォリック大学政治国際研究科博士課程在学中。専門は政治地理思想史。


渡辺敦子のGeopolitical」


・日本の大学の世界大学ランキング低迷の理由のひとつとして、社会科学の評価の低さを指摘。
・日本の社会学者は3600人、世界の10パーセントと推測されるが、研究の重要性の指標とされる引用率(ほかの論文で研究が引用される率)は1%をはるかに割っているという。
・最大の壁は「言語」であるという至極真っ当な話で、知り合いの日本人大学教授によると、スーパーグローバル化を目指す各大学はとりあえず、既存の研究を翻訳する努力をしているようだ。
・明治期に高等教育機関を設立して以来、日本の学問は「翻訳主義」を取ってきた。報告書も指摘するが戦後、日本の社会科学はフィールドワークを重んじる実証主義的傾向が強まった。このため独自の理論はほとんど生み出さず、外国からの借り物に頼ってきた。
・肝心な点は、これらの「輸入」理論は日本語に翻訳され咀嚼されてきたため、実は、欧米での議論とはズレたものになりやすい。つまり、理論とは社会科学における共通言語だが、この共通言語は気づかぬうちにいわば(まさにスーパーグローバルのように)「ジャパングリッシュ」化しており、共通言語の役目を果たさないことがある。
・日本で語られるミッシェル・フーコーは、英語圏の学者が理解するフーコーとは微妙にずれている。報告書の中に「日本の中で最先端にいると考えていた者の研究も、外国に出てみたら、共感の得られない裸の王様であったということがある」とあるが、これはおそらくその例であろう。
ガラパゴス化は、日本人が海外の議論に応じないことでさらに促進される。報告書では、過去に、土居健郎の「甘えの研究」について、国際的に注目され海外から反論を含めたさまざまな意見が出てきても、当の研究者がその誘いに応じないため、議論に発展しなかった例を指摘している。
反論に応じることにより「甘えの構造」がほかの研究者により練られ、ある程度の普遍性を有する日本発の理論となりえたことである。結果、報告書の指摘する通り、日本の社会学は「国際マーケット」の「バイヤー」であるばかりで、「生産者」になりきれずに近年まで至った。
・日本の社会科学がある種の光を放ってこれたのは、日本が最初の非欧米近代国家であったからだ。つまりそこは、国際的には、実証研究の実に豊かなフィールドであり、理論を生産しなくてもJapan modelという「実証」を売っていればよかった
・海外にフィールド研究の場を求めたところで、日本独自に発展を遂げた欧米理論による分析では、国際的な議論には参加しにくい。すると既存の研究を翻訳することが、本当に問題の解決となり得るだろうか。こう考えると、実は日本の社会科学の問題は、日本という国の国際社会での生き方の問題と重なってくるのである。

(部分抜粋引用終)

既に秋も深まって肌寒かったストックホルムで(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161008)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20161009)、二日間にわたり、二回もノーベル博物館(?)辺りをうろついた。パイプス旅団は、さすがノーベル賞受賞者最多のアメリカ合衆国出身者が中心だけあって余裕綽々で、日本のノーベル賞受賞者のことなど全く関心がなく、その点、私としてもホッとした。以下のような空虚で倒錯した記事を堂々と書く女性教授が日本にいて恥ずかしいからこそ、話題が振り向けられなくて、私は非常に助かったのだ。

http://mainichi.jp/premier/business/articles/20161006/biz/00m/010/010000c


「妻の献身」はノーベル賞受賞に不可欠なのか
2016年10月7日 藤田結子 / 明治大商学部教授


・今年のノーベル医学生理学賞が、大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)に授与されることが決まりました。妻の万里子さんも、帝京科学大教授を務めた研究者です。東大大学院で知り合って学生結婚、息子2人を育てながら、夫の研究分担者も務めていたそうで、公私にわたるパートナーです。
ノーベル賞の夫を支える妻の話は、毎年のように伝えられます。
ノーベル賞を受賞するほどの研究成果をあげるのは非常に大変なことで、2人で協力し、それを成し遂げたことに尊敬の念を抱かざるを得ません。
ノーベル賞を受賞した日本人科学者は全員男性なのでしょうか。
・最も大きな理由として、理系学生に占める女性の割合が低いこと(修士課程で理学22%、工学12%)があります。
・また各国の研究者に占める女性の割合は、アメリカ34%、イギリス38%であるのに対し、日本は15%程度にとどまっています。
・家事・育児は女性の役割という意識が根強い社会で、妻が全面的にサポートするという働き方が求められる状況も、原因ではないでしょうか。これでは、女性研究者が同じほどの業績をあげることは難しいでしょう。
・そもそも、ノーベル賞受賞者の陰に妻の支えという美談は、メディアが受賞者やその妻に会見などで質問し、その情報をニュースとして加工して伝えたものです。
・性別役割分担の標準化に、メディアが一役かっているわけです。
・妻たちは自ら進んで優秀な夫の仕事を支えているはずだ、という意見もあるでしょう。しかし、私はそこに葛藤があると思うのです
・妻たちは、夫が家事や育児を分担しないという核心的真実を、あいまいにするような現実認識を持つことで、離婚などの結末を回避しようとしているのです。この認識を「家族の神話」と呼びます。
・一方で「夫は週末には子どもと遊んでくれるので、夫も分担・協力をしていることにしよう」と、現実をうやむやにする「神話」を作り出し、恐ろしい葛藤や対立を避けようとするのです。日本の夫婦にも同様の傾向が見られます。
・毎年、ノーベル賞の発表の時期、夫にはノーベル賞、妻には受賞者の妻の地位という栄誉がもたらされます。晴れの舞台である記者会見で喜びをわかちあう夫婦の姿は、感動的です。しかし、その背後には、妻の長年にわたる葛藤や、キャリアへの未練、そして「家族の神話」があったのではないでしょうか。
・国や大学が研究援助のための人員をより増やせば、研究者一人一人の労働時間も少しは減るでしょう。また、育児・家事援助サービスを提供することで負担は減ります。男性研究者・配偶者の意識改革も必要でしょう。
・同席した万里子さんが、研究者を目指す若い女性に向けて、次のような言葉を贈ったのが印象的でした。
 「(私は)若気の至りで早めに結婚してしまったのですが、勉強は思う存分できる時代がある。きちんと勉強していればその後の人生はかなり違ったと思う。私は勉強することを放棄してしまったので、若い女性はチャンスがあれば仕事をして、できれば自分の幸せを実らせてほしい。そういう女性が増えているので、期待しています」


東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。4歳の男の子を子育て中。

(部分抜粋引用終)
一つ気になるのが、この頃では、女性研究者がわざわざ「子育て中」と公表することだ。一昔前までならば、大学教授であろうと何であろうと、結婚していようと、独身を貫いていようと、わざわざ子育てをしているなどとは、ゆめ自ら名乗らなかったと思う。むしろ、子育ての質が問題ではないだろうか。

https://www.facebook.com/ikuko.tsunashima?pnref=story


ユーリ:人それぞれ。女性と言っても、それぞれだ。一纏めにする方がおかしい。


ユーリ:もう一点、この記事で気になるのが、家事育児に参加せず、夫のみが成果を上げて世の称賛を受けることへの、女性からの隠れた異議申し立てと嫉妬である。昔は「内助の功」という表現で、献身的な妻の隠れた貢献に世間が報いたものだったが、今は「褒め殺し」よろしく、褒め称えているようで、実は焼き餅が見え隠れしていて、読みにくい文章になっている。


ユーリ:弟なんかを見ていても思うが、自分の子どものことばかりフェイスブックに書いて写真を掲載している男は、論文数や学位の有無に関係なく、そもそも研究者の資質として失格だ。なりふり構わず、研究テーマに没頭しているぐらいでないと、ダメだ。


ユーリ:私が学生だったら、家族を引き連れて在外研究に出ているなら、今のアメリカの研究状況はどのようなのか、何が問題となっているか、どんなテーマを熱く語っているか、研究所の充実度はどうかなどを、まずはフェイスブックで知らせてくれる教員の元で勉強したいと思う。


ユーリ:また、妻も研究を家庭のために中断したぐらいの学識と教養がなければ、到底務まらないはずだ。アメリカに到着して、早速遊園地で遊びまくり、住居でピースマークをしているようでは、居場所が間違っているとしか…。


ユーリ:納税者は、こういうふざけた輩には、堂々と異議申し立てをしましょう!今後の世の中は、もっと殺伐として、弱肉強食の時代に突入する。日本の研究水準の劣化は、見るも明らかだ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160515)。


ユーリ:第一、海外に一年も行くというのに、連絡もせず、勝手に「幸せ家族」を演出している馬鹿者だ。父の葬儀にも出席せず、納骨式にも連絡をせず、遺産はほぼ独り占め(だろう)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151110)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160221)。身内に対して最低の常識が実行できない者が、海外でも立派な方々の目に留まるはずがない。英語力以前に、振る舞いですぐにわかるのだ。


ユーリ:今後の世の中は、恐らく二分化されることだろうと予測する。甘い左派思想の罠に引っかかって人生後半を女々しく生きるようになるか、若い頃から堅実かつ健全な保守思想に基いて、将来に備えて自己を厳しく律しつつ、最後に自ら蒔いた種の果実を受け取るか、だ。


ユーリ:....と書いていたら、職場から主人がメールを寄越した。「大隅良典博士がノーベル医学生理学賞を単独受賞した。中国や韓国は相当うらやましく感じているようだ。ただ、私は日本の研究の将来についてはそんなに楽観していない。というのは、この30年ほど日本の教育がいい方向に向かっているとは思えないからだ。」


ユーリ:よく話しているじゃない、このこと。

(転載終)
ウィキペディアの統計によれば、今年の時点でノーベル賞受賞者の各国別総計は、米国351人(内2人は日本出身者)、英国119人、日本23人、カナダ14人、オーストラリア10人である。旅団はこの五ヶ国だったので、日本はちょうど真ん中に位置する。全体として決して良くはないが、(下には下がいるので?)悪くもない。しかし、これが国力を反映しているのではないか?