ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

今年も後半に

早くも今年も後半に入った。ついこの間、お正月を迎え、福井や金沢など北陸の旅に出かけたばかりだと思っていたのに....。
以下は、昨日の続き(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160630)。古森氏とは、考えが合いそうだ。

http://japan-indepth.jp/?p=28756


2016年7月1日
「日本で聞かれないBrexit真の理由」
古森義久(ジャーナリスト・国際教養大学 客員教授
古森義久の内外透視」


・「欧州連合EU)離脱を決めた英国民は排他的でも、愚かでもなく、冷静な判断で決定を下したのだ」――こうした分析が気鋭のアメリカ人国際政治学者によりワシントンで発表された。

・一方、日本ではもっぱら「英国民が無謀で無知だから」とか「危険な孤立主義ナショナリズムの暴走だ」「ダークサイドの極右や極左の台頭だ」などと、侮蔑や冷笑のにじむ反応が圧倒的のようである。控えめにみても、英国のEU離脱の選択は間違いだとして断じる向きが圧倒的なようだ。イギリス人というのはそんなに無知で偏狭なのだろうか

・ワシントンの外交研究機関「アメリ外交政策評議会」の副会長で著名な国際政治学者のイラン・バーマン氏は6月27日、「ブレグジットBrexit(英国EU離脱)の真の理由」と題する論文を発表した。
・「ブレグジットは英国有権者たちの外国人嫌いでも、愚かでもない計算を反映しているのだ」と指摘。
・「英国はEU離脱により当面は多くの経済的な困難に襲われるかもしれないが、英国民多数派はそのリスクを理解していないとか、無視したと断じることは間違いだ。英国民の多数派がそのリスクを知ったうえでEU離脱を望んだのは、責任を取らず、国民を代表しない国家群の集合体の中での自分たちの地位に対して何十年もの間に積り積もった不満の結果なのである」
・「英国民は自国が1970年代にEUの前身の欧州共同体に加盟して以来、自国の主権と繁栄がEUの要求によって、ゆっくりとだが確実に侵食されていくのを目撃してきた。現在、英国の健康保険や移民政策などに関する法律の60%が英国外の、選挙では選ばれていない政治エリートにより作られているのだブリュッセルEU本部にいるこれらエリートは選挙によって交替させることもできない」
・「ロンドンの有力シンクタンクの調査は、EUの規則により英国は毎年、合計270億ドル相当の経費負担を課され、雇用、エネルギー、金融などへのEUによる一律の規制は英国の経済に大幅な損害を与えている、という結果を発表した。この状態は欧州全体が繁栄と安定を保っていれば、深刻な問題とはならないが、現実には各国の経済停滞や移民の大量流入により社会福祉までが支障を起こしているのだ
・「しかし欧州のエリートはEU全体を刷新し、活性化するための措置をほとんどとらずに、現在のEUのあり方が28加盟国にとって唯一の政治的選択だとする自己満足に浸っている。だが英国はそうではないことを示したのだ。EU離脱の結果、予測される多くの経済的な困難や政治的な迫害を覚悟したうえで英国の主権の回復を求めたという点は注目に値する
・「40年前、当時のマーガレット・サッチャー首相は経済的自由、政治的自由へのカギは『国家を国民の主ではなく僕(しもべ)とすること』だと述べた。EUのエリートたちは自分たちの最終的には責任をとらない官僚機構限りない社会福祉の膨張にますます満足して、この重要な教訓を忘れたようにみえる。だが英国民は今回の国民投票でその教訓をEUエリートたちに知らしめたのだ」
・以上のような分析は日本のニュースメディアでも識者の言でもなかなか出てこない。英国民の判断を多角的にみるうえでは、やはり認識しておくべき分析だろう。

(部分抜粋引用終)

またもや、離脱派を責めるようなメーリングリストが届いていた。
離脱投票した女性が考え直して再投票を訴えたとか、将来への不安から英国以外で暮らすことを検討する人もいるとか、イタリア国籍取得の申請が二桁あったなどの事例を挙げていた。また、離脱派造語の‘Brexit’から、後悔を‘Bregret’‘Regrexit’の造語で表現しているなどとも述べていた。さらに、離脱派の公約の誤りから、400万近くの署名が集まっているとのこと。
もっとも、直後のさまざまな混乱については、こちらとしても最初から覚悟の上だった。それに、思慮が足りずに、後で投票時点の選択を撤回表明している人々については、そういう事例もあるだろうとしか言えない。
ともかく、一度決定されたことについて、選挙権もない外部の者があれこれ論評してみても仕方がない。日本への教訓をしっかりと心に刻み、対処を考えていくしかない。