ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

くわばら、くわばら

小泉首相の頃から、賛否両論を含めて、政治動向を新聞やラジオのニュース以外にも知ることが一国民としての日々の義務だと思い、メーリングリストを申し込みました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070913)。首相が次々交代しても、相変わらず、届いています。それに関連して、今日届いた自民党メーリングリストから、印象的な記事を(部分省略を含めて)ここに引用させていただきます。

自民党 『NewsPacket』 Vol.641
@ 「孤立するロシア」最終回 日本の対ロ政策
     元外務省国際情報局長 茂田 宏

【領土:法と正義での解決が永続性を持つ】


国際法が守られる世界にすることが日本の安全保障のためになる


第1:武力による領土の併合という基本的な国際規範の侵害である。これに対し、日本は抗議し、国際規範遵守を強く求めるべきである。
国際社会を規範なき弱肉強食のジャングルのような社会にしてはいけない。
基本的な国際規範への侵害は多方面に影響を与える。こういうことを許さないことが重要である。
国際法ができるだけ守られる世界にすることが、日本の安全保障のためにもなる。


第2:日本は先進民主主義国であり、その仲間である同盟国たる米国を含むG7諸国と、歩調を合わせて対応すべきである。
天下動乱がありうる時は、仲間と連帯すべきである。外交には協調すべき時独自性を発揮すべき時があるが、今は前者の時である。


第3:日本はロシアとの間で北方領土問題を抱えている。
戦争の結果は平和条約で決まる。領土問題があるが故に、日ロ平和条約は今なお存在しない。
戦争の結果は決まっていないのだ


■領土問題で根拠不確かな希望を政策の基礎にしてはならない


プーチンは柔道愛好家であり、親日的であるが、彼は冷徹な独裁者のスターリンを評価している人でもある。根拠不確かな希望を政策の基礎にしてはならない


■日本は歴史的・法的に正しいと自信を持って主張し続けよ


領土問題については、法と正義にもとづく解決こそが永続性を持つ。
武力による解決や法と正義にもとる安易な妥協による解決は、真の解決にならない。不満がくすぶることになる。
国際社会では、日本は主権問題で妥協する国と見られ、立場が害される。われわれは日本の立場が歴史的にも法的にも正しいと自信を持ち、主張し続ければよい。
国際情勢は変化する。解決のチャンスは必ず来るだろう。

(引用終)

なぜ、高校でも大学でも、このような基本的考え方を教えずに、わざわざこねくり回したような、現実にはあり得ない理想論ばかり若者に教え込もうとしたのか?複雑な状況を、複雑なままに直視し、現実感覚で対応するために、原則に則ってシンプルに伝えることこそが、教師の力量なのに?
例えば尖閣諸島問題について、「学者同士の学問的な話し合いを」と提言するために来日する、エズラ・ヴォーゲル氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080906)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120419)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130906)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131018)のような学者がいる。一見、公平で客観的なようだが、中国の文献の扱い方や共産主義憲法に掲げている現状を少しでも知れば(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131109)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131116)、それが何を意味しているかが察知できるはずだ。世界史の中で、各国に異なった時間軸とイデオロギーが交錯的に流れていることを思えば、それほど簡単に提言などできないと思う。
エズラ・ヴォーゲル氏の場合、しばらく前の世代がご近所で普通に話していたような親しみやすい日本語を操られるので、その面だけで、ころりとなびいてしまう日本側の弱さが露呈されているのかもしれない。くわばら、くわばら。