ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

おもしろ情報(Fun facts)

今日は寒いので、おもしろ情報(Fun facts)を。全て、部分引用であることを予めお断りする。
その1.

http://blog.goo.ne.jp/mugi411/e/f94ac63044b4f45c6f08ed462080f5eb


「フェミ系らしき人物が正妻に憧れるのも、自立よりも優れた男の伴侶になりたいという女の本能があるはず。権力者の妻の座に憧れるのは女としては健全だが、伴侶さえ得られない欲求不満解消がフェミニズムの原因?…と冷ややかに見ている者もいるだろう。」

2015年1月22日付のMugiさん(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141024)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141227)でした。

その2.

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42565


「自由からの逃走:イスラム国に参加する西洋人」
2014.12.29(月) Eva Hoffman


・西側のジハード主義者が離脱している現代の民主主義国は、前例がないほどの自由を人に与えている。社会の構成員に求める忠誠がこれほど少なく、共通の規範を提案することがこれほど稀で、行動指針を強制することがこれほどない政治共同体の形を思い描くのは難しい。


・教育を受けた中産階級出身者も多い何百人ものイスラム教徒がなぜ、残忍なまでに野蛮な運動に加わるために快適な西側民主主義国を去るのだろうか? 若い男女が過激派イスラム主義のメッセージに影響されやすいのは、なぜなのか?


ジークムント・フロイトは1930年代にナチスの勃興を見て、独裁的な指導者が持つ危険な魅力と、その信奉者が1つのイデオロギーや集団に自分の人格を組み込んだ時に経験する自己肥大の満足感について説明した。


フロイトの門弟の1人、エーリッヒ・フロムの有名な主張にあるように、厳格な信条や服従の規範を選ぶことで自由な選択の必要性から逃れようとする衝動は、強い自律的アイデンティティーの意識や自ら考える能力が十分に発達していない人にとっては特に抑え難いものになり得る。


・だが、1つ考えられるのは、制約のない自由と高い寛容性という西洋の精神は一部の人に、絶え間ない個人的選択の要求とプレッシャーに耐え得るアイデンティティーの確立に必要な精神的な足場を与えられない、ということだ。


・ある意味で、イスラム教の狂信的なイデオロギーを受け入れることを選んだ西洋人は、これよりはるかに大きな現象の極端な現れだ。イスラム国の情け容赦ないほど厳格な信条は、自発的な思考や選択の負担からその信奉者を解放する


・フロムの主張は今も通用する。つまり、イスラム国のような憎しみに満ちた運動に身を委ねる逃避行動は、不満分子による自由からの逃避でもあるのだ。


・民主的な社会が狂信的な大義とそのカリスマ的指導者の訴求力に対抗できるのは、無頓着な寛容性ではなく、今より大きな自信と信念を通じてだ。西側社会を悩ます不満と離反――イスラム国のジハード主義者は単に、その中で最も不穏で危険な兆候に過ぎない――に対処できるのは、民主主義の理念に対する新たなコミットメントだけだ


© Project Syndicate/Institute for Human Sciences, 2014.
www.project-syndicate.org

フロムといい、「自由からの逃走」といい、昨日も記者会見で注目の的をねらったN氏が十年以上前に研究会で述べていたことと、今や人気絶好調の池内恵氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C3%D3%C6%E2%B7%C3)の応答論調に、まるでそっくり(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141011)。それに、亡くなったN氏の奥様も、この路線を地で行く文章を書かれていたのを、何年も前に、首を捻りながら一生懸命に読んだことがある。
なんだか、舞台裏を見せられたようで、あまりおもしろくない。
その3.

http://hon.bunshun.jp/articles/-/3260?page=2


日本人人質事件に寄せて――「日本人の心の内」こそ、彼らの標的だ
イスラーム国の衝撃』 (池内恵 著)
2015.01.23 12:45


・これまでも自分自身の「研究活動」となまなましい「現実」が偶然とは思えないほどにシンクロする経験をしてきました。
 2001年にアジア経済研究所への就職後、ほとんど間をおくことなく、9月11日に米同時多発テロが起き、イスラーム思想が国際テロリズムにどう関係するか、分析を始めました。
 2004年4月に京都の国際日本文化研究センター助教授に転職して、赴任した初日にはイラク日本人人質事件が発生し、メディア対応で東京にとんぼ返りすることになりました。
 そして今回の本の発売日に起きた人質事件です。


・単に首相が訪問して注目を集めたタイミングを狙って、従来から拘束されていた人質の殺害が予告されたのです。本末転倒の議論です。


・中東現地の情勢において、2人の日本人を人質にとることに軍事的な意味は何もありません。「日本人の心の内」こそ、彼らの標的なのです。


・対立を煽るだけで、大義のない戦争を開始したブッシュ政権と同じ過ちを犯している」などと、飛躍した倫理的非難がよく向けられます。そんなものは学問でもなく、かつ倫理的に悪なのだ、と決めつけるイデオロギーが研究者の間での固定観念になっています。


・日本も、そうした近代社会の一員で、日本も歴然と「西側」「欧米側」に属しているのです。


・この事実を無視して、人間主義の上に神をおくイスラーム教に「反西洋」という自分自身の過剰な思い入れを投影する傾向があります。


・単に欧米コンプレックスや政権への不満の受け皿として「イスラーム」を想定しているだけなのです。そこでは「イスラーム」にありとあらゆるユートピアを想像します。


イスラーム国を、「イスラーム教からの逸脱」とみなすことができれば、話は簡単です。彼らのレトリックは、それなりにコーランイスラーム法に則っています。だからこそ厄介なのです。考えが同じではないイスラーム教徒たちも宗教権威とその強制的な執行に威嚇されて黙ってしまう。


・ついには首相が責任を取って辞任すれば人質を解放してもらえるのではないか、といった議論まで元政府高官から出てきた。


・日本社会は根底で何かが壊れかけているのでしょうか。あるいは高齢化などもあり、新しい現実に対する思考停止が広がっているのかもしれません。ただ思考停止は中核の現役世代には及んでいないと感じています。

どうでもいいことだが、池内恵氏のジャケットとセーターの色の組み合わせが、何とも違和感を感じさせるのだけれども、今流行のファッションなのだろうか。
イスラームに関してはその通りだが、「ユートピア」云々は、ダニエル・パイプス先生がもっと戦略的に随分前から繰り返していたところであって(http://www.danielpipes.org/11798/)(http://www.danielpipes.org/11989/)(http://www.danielpipes.org/12018/)(http://www.danielpipes.org/12682/)(http://www.danielpipes.org/12863/)(http://www.danielpipes.org/13097/)(http://www.danielpipes.org/13181/)(http://www.danielpipes.org/13756/)(http://www.danielpipes.org/13795/)(http://www.danielpipes.org/13899/)(http://www.danielpipes.org/14368/)(http://www.danielpipes.org/14408/)(http://www.danielpipes.org/14836/)(http://www.danielpipes.org/15326/)(http://www.danielpipes.org/15327/)、特にあまり新奇性はない(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150109)。
「シンクロ」について一言。この文脈では憶測に過ぎないが、基本的に、研究者もスパイや諜報の対象になっていることをお忘れなく。日本なんて大甘だから、結構やられているのでは?池内氏は、ご家系からもご経歴からも目立つし...。
私の場合でさえ、かつて東京の某大学で研究発表をした際、外交官まで聞きにきて、後で「本人の性格は誠実であり、相当の読書をしており....」という報告書のようなメールがccで届いたことがある。または、中部地方の某大学での研究発表の際、突然、見知らぬ外国人ムスリム留学生が聞きに来て、じいっと穿ったような鋭い表情で一言一言をチェックしており、後でメールアドレスだけ教わったこともある。

その点は最初から了承済みであって、私は何ら驚かない。世の中とは、そういうものである。公の発言とは、そういう責任を伴うものである。そのために、些細な点についても毎日の地道な勉強が欠かせず、資料の裏付けで論証しながら発表する活動には、手間暇かかるのである。
それに、繰り返しになるが、マレーシア研究に関わる限り旧姓も表示しているのは、何もフェミニズムからではなく、同一人物であることの確認を本人自身が明示するためである(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120131)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130402)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131019)。それほどまでに長く厄介な問題を抱えた国と、どのようにお付き合いすべきか、こちらも知っておく必要があるから、リサーチを続けてきたのである。マレーシアの法に触れる調査も人物接触も何もしていない。あくまで公的機関での面接および参与観察および文献調査のみである。
(1)冷戦時代に学生時代を送り、(これからの時代を共に過ごすことになるのだから、相手をまず知っておくことが重要だ)と考えて、旧共産圏の東欧にもペンフレンドがいたので(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070730)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071023)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071223)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080506)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091110)、私が送った英語やドイツ語の手紙などは検閲されると最初から承知の上で、やり取りをしていた経験を持つ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070829)。
(2)ジョン・ル・カレのスパイ小説などを読むことは(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120129)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120331)、現代教養の一種でもある(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091125)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091130)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100114)。
(3)佐藤優氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%BA%B4%C6%A3%CD%A5)が、その旨、以前のご著書に書かれていた。
(4)数年前の某大学の研究会で、その後、テレビでもコメント出演するようになった男性研究者が、会合での私の質問に答えられて、「いくら馬鹿げているように思えても、外国の大使館員が見ているから、発言には注意しないと、当事国への入国ビザがもらえなくなって、研究者としての命が絶たれる」と、わざわざ休憩時間に教えてくださった。
(5)国内だけではなく、海外でもそれなりのシンクタンクの会合では、こんな経験もしている(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071101)。
国際的な場でも活躍中の池内氏だから、当然、そういう観点から、見ている人は見ていることだろうし、内通もあるだろう。