ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

グラムシ系文化の弊害

ところで、先日も非常に不躾な質問を受けました。初対面の年下の女性ですが、勝ち誇ったように尋ねられたのです。
「一体、どういうご経歴なんですか?」
何だか、あたかも私が不法者の非国民なのに、日本国の皆様の寛大な施しによってずっと日本に住まわせていただいているかのように響きました。失礼な!
そういう問いは、いくら好奇心があったとしても、誰に対しても決してするものではない(特に、どれほど無能に見えたとしても自分よりも年を取っている人には絶対に禁物)ってことぐらいは小学生ぐらいの子にとっても常識という以上に礼儀礼節なのに、まるでご自分の方が優位に立っているかのように聞こえました。
そういう質問をしなくても、社交会話の中で自然とわかってくるのが道理というものではないでしょうか?そう言えば、何年か前にも似たようなことがありました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090402)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091218)。
この不愉快なエピソードで思い出すのは、かれこれ10年以上も前の、ある大学教員の女性の言葉です。
「学生達の結婚式に呼ばれて思うのは、何であんなに勉強ができないのに、彼女達は幸せそうなんだろうってこと...」
私に言わせれば、(何でそんなに学歴が高いのに、単純な真理さえわからないんだろう)と反論したいところですが。
それに、極めつけは「自分の方が学歴も社会的地位も高いんだぞ!」と事あるごとに威張り散らしてくる人。実は小学生並のことしか人前で話せなくて、自分で思っている以上に昇進が遅れている人なのですが...。
グラムシ系文化の弊害についてパイプス先生から教えていただいたのは、しばらく前のこと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130108)。確かに、文部科学省の政策が大幅に変更されているのは周知の事実なのに、学歴に関して特権意識だけは昔のままで、実のところ文化力が下がっているというのは(http://www.danielpipes.org/12499/)、ここ日本の私の周辺でも観察されるところです。
しかし、雄弁な励ましもあります。過去のブログをご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110128
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110301
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110406
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110407

パイプス訳業を具体的に始めかけたのが、ちょうど昨年の今頃から(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120330)。最初の二回分ぐらいの14本が一番手間取り、全文の再提出を5月頃にしたぐらいです。というのは、英文を読むことそのものではなく、訳語の決定ないしは設定が非常に困難だったからです。お会いしたこともなく、アメリカに長期滞在したこともないのに、どうやってニュアンスを訳出したらいいのか、純粋な学術論文ではなく、コラムやエッセイやブログだったために相当に頭を悩ませました。今ではすっかり慣れて夢中になっていますが。やはり、人様を理解するには、表面的でいい加減で不正確な噂に依存するのではなく、具体的に物理的な時間というものが必要です。決して甘く見るものではありません。
そして、このように頻繁にメール交換をするようになり、この頃のパイピシュ先生は、ある面で柔らかくもなってこられました。「あの人はね、絶対に謝らないのよ。そういう人なのよ」と聞いたことがあり、確かにちょっとやそっとのミスでは謝ってこないどころか、私にまで「謝らなくてもいいんだよ」と注意されてくるパイピシュ先生でしたが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120623)、最近は違います。「ごめんね」という単語が自然と出てくるようになられました!
恐らくは、私が英語ネイティブの文筆家であるパイピシュ先生の英文ミスを(非ネイティブなのでかえって意識的に観察しているために)発見してお伝えすることが何度かあったからでしょうか、と邪推しています。それ以上に、日本の教育しか受けたことのない日本文化の中で暮らしている私には、それなりに配慮が働いていらっしゃるようで、西洋圏とは異なっている部分については、批判も非難もされず、そのまま受け止めて同意されます。

今日は3.11の二周年記念です。近所の役場や大企業には半旗が掲げられていました。二年前の今日には沖縄の海にいたことを複雑な気分で思い出します(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110323)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120311)。