ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

やっと出会った読める記事

やっと日本人の執筆者による、読める記事に出会いました。筆者は以前にも引用させていただいた宮家邦彦氏です(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120321)。
専門家というのは、常に最前線のオリジナルなデータに接して、きちんと分析して、たとえ一時的に嫌われたとしても、のけ者にされたとしても、勇気を持って公のために発言するのが仕事なのに、購読料を徴収しておきながら、何たるいい加減な情緒文を平気で掲載するのか、とあきれていたところだったので...(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121117)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121119)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121121)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121122)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121123)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121128)。

ダニエル・パイプス先生から、ちょうどメールを二通受け取ったばかりです。私が先生の書かれた文章を訳しつつ、自分もそこから影響を受けたいと望むような、とても強く前向きな不撓不屈の精神に励ましを感じたことを申し添えたら、非常に喜ばれて、「とてもうれしいよ。そう言ってくれて、感謝する」と。「今、イスラエルで政府官僚に話をしているところだ」とも。「ハマスとの紛争直後には、イスラエルにいらっしゃるだろうと思っていましたよ。先生は、本当にイスラエルの友なんですね」と書いたところ、「いや、ずっと前から計画していた旅行と偶然一致しただけなんだけどね」と。
テレビ出演に国内外の頻繁な旅行(今年1月中旬に知り合ってから、2月に一度どこかへ下見旅行、3月にはイスラエル旅行、4月には西海岸を講演旅行、8月にはオーストラリアで講演旅行、そして11月のフロリダ、今はイスラエルその他)の日々ですね。でも、合間にきちんと定期的に原稿を書かれているのですから、すごい体力と知力と精神力です。それに加えて、私のメールにも、こまめにお返事をくださるのです。日本女性だから、ちょっと珍しいということも預かっているのでしょうが、ありがたい機会です。

(http://sankei.jp.msn.com/world/news/121129/mds12112907570001-n1.htm)
【プロフィル】宮家邦彦
 みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。安倍内閣では、首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。


ハマスの現実を直視せよ」
2012.11.29


パレスチナ自治区ガザでハマスイスラエルの停戦基本合意を喜ぶ市民。戦闘が再発しないことを祈るしかない=今月21日(ロイター)


 党首討論衆院解散が事実上決まった今月14日、中東ではイスラエルガザ地区に対する空爆が始まった。21日夜には関係国の仲介により停戦が合意された。今は戦闘が再発しないことを神に祈るほかない。


 それにしても、日本人は中東に関心がなさ過ぎる。急に総選挙が決まり、政党が離合集散を繰り返すのは仕方がない。しかしこの間、中東・欧米メディアのトップニュースは連日、ハマスのロケット攻撃、イランの支援、イスラエルの地上戦の可能性を取り上げていた


 クリントン国務長官など欧米・中東の主要国閣僚や国連がイスラエル、ガザ、エジプトでシャトル外交を繰り広げた。残念ながら、そこに日本のプレゼンスはない2002年「中東カルテット」に入り損ねて以来、日本の出番はなくなってしまったのか。


 日本の一部中東専門家も的外れなコメントを繰り返す。やれ、オバマ大統領と折り合いの悪いネタニヤフ首相がイスラエル総選挙前に軍事強硬策に出た、とか。ハマスイスラエルとの永続的停戦を模索していたのに、等々。どうも昔の発想から抜け出ていない。


 その象徴が15日の外務報道官談話だ。ガザ情勢を「深く憂慮」し、双方に「最大限の自制」を求め、「交渉と相互信頼」による解決を促すという。筆者は1960〜70年代に作られた外務報道官談話をふと思い出した。まだこんな表現を使っているのかと驚いた。


欧米諸国の反応はちょっと違う。16日、オバマ大統領はネタニヤフ首相に「イスラエルが自衛する権利を支持する」と述べた。同様の声明は英仏加豪からも出ている。EUのアシュトン外交安保上級代表に至っては「ハマスのロケット攻撃を非難」すると述べた。


 日本のマスコミは「ガザで民間人犠牲」「誤爆で子供が死亡」「イスラエルの過剰反応」にばかり注目するが、事実関係だけは明確にしておいた方がよい。今回挑発したのは、動機は不明ながら明らかにハマスのようであり、欧米各国の声明もそれが前提だ。


 10日からイスラエル空爆開始まで、既に100発以上のロケットがイスラエル民間人居住地域に無差別に発射された。しかも、全体で1500発以上のロケットの多くはイランがハマスに供与したものであることを、驚くなかれイラン政府が公式に確認している。


 イスラエル側の死者が少ないのは「アイアンドーム」という防衛システムがロケットを迎撃したからだ。ガザの武装組織はあえて人口密集地に潜むため、誤爆が生ずる可能性は高い。実際、ガザからのロケット誤射でパレスチナ人民間人にも犠牲者が出ている。


 欧米諸国の声明を受けて、日本政府の立場も微妙に変化しつつあるようだ。20日に出た外務大臣談話では「ガザ情勢の更なる緊迫化を深く憂慮」しつつも、「パレスチナ武装勢力によるロケット攻撃の停止」に初めて言及している。


ハマスがイランの協力を得て挑発したことに対する「不快感」を暗示する最大限の表現なのだろう。だが、ロケット攻撃を「非難」することまでは無理としても、せめて「民間人を守るイスラエルの権利」ぐらいは支持しても良かったのではないか。


 パレスチナ問題は「2つの独立国家」による解決を模索するしかない。日本が再び政治的役割を果たそうとするなら、グローバル・スタンダードでいくしかない。十分な統治能力のないパレスチナ側、特にハマスの現実を直視し、新たな発想で情報を発信すべきである。


(引用終)

拍手。
ところで、パイプス先生のオフィスにも人事異動が時々起こります。このブログでも二回登場した経理担当の男性が、8月末まではいたはずなのに(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120606)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120830)、いつの間にか職場を去ったとのことでした。パイプス先生から教えられて、ちょっと淋しい気がしました。ただ、最初から残っているスタッフはずっと残っています。論説文などを書く人達は他の組織にも所属して、恐らくは名前を貸しているか、発表の場を広げる場として考えているか、というところなのでしょうが。
アメリカはモビリティが激しく、よりよい職場を求めてキャリアアップしていくとは言いますが、実はケース・バイ・ケースでもあります。そもそも、パイプス先生だって自分の考えや主張ややり方に合う場を求めて、ワシントンやら大学やら研究所を移動され、いろいろな編集者の仕事もしながら、ここまで来られたのですから。
結局のところ、自分に何ができて、どのような貢献ができるかが鍵なのでしょう。
その意味で、ダニエル・パイプス先生との出会いは貴重でしたし、できる限り長く続けられればと願っています。