ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

できる時にできることを

ご近所の奥さん同士のおつき合いも大事。でも、私のすべきことは、やはり、リサーチと研究発表です。
年に3,4回、公の場で30分から40分、毎回フレッシュな(といっても、現地の繰り返し事情からなかなか無理ですが)独自性のある発表を続けるには、毎日、こまごました作業の積み重ねが必要です。

昨日も、久しぶりに、クアラルンプールのカトリック大司教秘書からメールが入り、教皇の所へマレーシアの諸宗教組織の代表者が出向き、対話の進捗状況が報告された旨、お知らせを受けました。「だんだん、彼らもカトリックの考えや立場を理解するようになってきたわ」。また「今、家族が危機に直面しているの。ネブラスカ大学で勉強している姪が、倒れて意識不明のままなのよ。お祈りしてくれない?」と。こういう生情報は、一つ一つはささいなことであっても、文献から得るのと、当事者からいただくのとでは、感触が全く違います。また、いわゆる公式データや統計からはうかがいしれない、人生の一側面です。
「神の名」問題で渦中にあったキリスト教関係者からは、ここ数週間、メールを何者かに違法に使われて、自分が送ったのではない情報が勝手に流されているとの連絡も入りました。

このように、マイペースで勉強を継続させてもらっているのは、そうでもしなければ家庭崩壊、心身共に持たないからであって、意識の上では別に主婦のお遊び研究じゃないのです。その割には、コストもエネルギーもかかり過ぎ、見返りもほとんどなく、犠牲にしたものが多過ぎます。全部自腹を切ってやっているからです。
数年前、発表者である私の目の前で、「それはライフワーク」と冷ややかに仲間内で目配せしながら言った人達がいます。研究を本職とするプロパーから見れば、「こっちの知らない話ばかり発表して、コメントのしようがないんだよね」ということらしいのです(参照:2007年9月26日付「ユーリの部屋」)。(もし本当に、「こっちの知らない話ばかり」ならば、明らかに専門外か勉強不足のどちらかであろうと思います。あるいは、高見から指導してやろうと思っているのに、出鼻をくじかれた、という意味なのでしょうか?)明らかに、悪口めいた雰囲気でした。そちらから呼ばれたので発表しているのに、何て失礼な、と思いましたが、事情を知らないから、表面だけ見てそういう態度に出てしまうのでしょう。

一方、私の発表を喜んでくださったのが、案外に、日本在住のマレーシア出身のムスリム教授であったりするのです。「そうだ、あんたの言っていることは正しい。あんたみたいな人が日本にいてくれて、こちらもうれしい。あれは伝統的なムスリムがやっていること。自分はオープンだから問題ないよ。ああいう頭の硬いムスリムとは、マレーシアでは付き合わないことにしているんだ。自分には、司祭の友人がたくさんいる。教会に行ったこともある。ブラジル行きの飛行機で、乱気流に巻き込まれた時、同乗のムスリムが十字架のペンダントをかけた神父に無事を祈ってくれと頼んだこともあるんだよ」などと。すっかり忘れていましたが、この間、古い本を読み返していたら、8年5ヶ月前のメモが出てきて、その旨書いてありました。O・F先生、ありがとうございます!

また、別の学会では、「おもしろい研究しているんですね」「こっちも視野広げんとあかんなあ」と素直に言ってくださる先生もいらっしゃいます。要は、どの人と出会うか、環境が大事ということです。

さて、昨日は、同志社大学神学部の図書室に行き、図書閲覧証の更新手続きをしました。専任教員の署名が書類上必要だと聞いていたので、3月の学会の時、H教授にお願いしたのです。しばらくご無沙汰だったのですが、昨日ならご都合がいい、とのことでした。各地で土砂崩れが起こり、天候が心配だったので、午前中に出かけました。なんと分厚いファイルが作ってあり、おととし返却した古いカードまで貼り付けてありました。問題なく継続可能で、先生のサインも不要でした。早速、前から作っておいたメモを手がかりに、必要なコピーを取ってほっとしました。
続いて、曇ってはいたものの、電車から外を見ると、予報に反して雨が降らないので、民博へ行くことに即決定。梅棹研究室の前では、立ち止まって黙礼(参照:2010年7月7日付「ユーリの部屋」)。私なりに弔問の意を表したのですが、以前と変わらず、さすがはご人徳、明るい雰囲気の研究室でした。
さて、メモを見て文献探し。ありました、ありました。感動しました!ちょうど9月の学会に必要だったからです。またもや、いろいろ見ているうちに10冊積み上がり、急いで複写へ。
そこまでは上々だったのですが、両面印刷をまとめてしていたつもりだったのに、ボタンを押しても印刷されたはずの紙が出てこない!カウンターによれば100枚以上の複写なので、30分はかかったでしょう。スタッフに尋ねると、やはりコピー機の故障だったようで、やむなく次回に回すことに。
「じゃ、あと10分延長できますから、どうしても欲しいものだけ、片面印刷してください」と親切にも言っていただきました。資源を節約したいがための両面印刷だったのですが、この際、そうも言ってはいられません。
同時に、一冊本を借りました(http://twitter.com/itunalily65)。私の知りたかったことが書かれていますが、さすがはオーストラリアの先生ですね。宣教師情報もすべて網羅されています。自分の手探りリサーチが妥当だったことの証明ですが、10年前には読んでおくべき本でした。お名前は存じ上げていたものの、当時は現在に焦点を当てていたので....。
9月の学会プログラムが届きました。テンション上げて、また取り組みましょう。