ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

預言者ムハンマドとジハード

「メムリ」(http://memri.jp)から

Special Dispatch Series No 2788 Feb/15/2010


預言者ムハンマドは誰にもましてジハードを戦った


ウルドゥ語のジハード主義の週刊誌ハフトロザ・アル=カラム(Haftroza Al-Qalam)は最近の記事で、イスラム預言者ムハンマドは「ジハード主義の預言者」であり、彼の教友、カリフ(ムハンマドの後継者)、天使もまたジハード主義者だと主張した。また、ジハードはイスラムの義務であるとも述べた。
ハフトロザ・アル=カラムは、イスラム過激派指揮官マウラナ・マスード・アズハル(Maulana Masood Azhar)が指導するパキスタンのジャイシェ・ムハンマドムハンマドの軍隊)に忠実な雑誌である。
この記事、「ジハードを戦った預言者」(文字通りの訳は「ジハードの著者(彼に平安あれ)」の筆者は「サアディ(Saadi)」となっているが、この雑誌のレギュラー・コラムニストのペンネームのようだ。
この記事の筆者が攻撃対象にしているのは、最近パキスタンで起きたタリバン自爆テロを批判した同国のイスラム指導層だ。筆者はまた、パキスタンのジャーナリストをののしり、彼らは「ジハード主義者」という言葉を一種の悪口に使い、またジハード主義者であることを犯罪と提示していると述べた。
以下は、この記事の全文である。※1


最後の、最も愛されるアッラー預言者ムハンマドは、ジハード主義の預言者であるーー彼は誰にもましてジハードを戦った
「最後の、最も愛されるアッラー預言者ムハンマド(彼に平安あれ)は『ジハード主義の預言者』である。※2 アッラー預言者の中で、ムハンマド(彼に平安あれ)は誰にもましてジハードを戦った。
「以下は、パキスタン・シンド州の宗教学者で、ハディース預言者ムハンマドの言行録)の高名な解釈者マクドゥーム・サイエドムハンマド・ハーシム・ササビー(Makhdoom Syed Muhammad Hashim Thathavee)が収集した、聖なる預言者の敬虔な名前の一部である。
1) ズール・ジハード、彼に平安あれ(ジハード主義の預言者)※3
2) サーヒブ・ル=ジハード、彼に平安あれ(ジハードの預言者
3) アル=ムジャーヒド、彼に平安あれ(ムジャーヒドの預言者
4) アル=キタール、彼に平安あれ(勇敢な戦士の預言者
5) アル=ムカーティル・フィー・サービリッラー((アッラーの道において戦う預言者)

「考えてみなさい。預言者自身が『ジハード主義者』なら、なぜムスリムにとって『ジハード主義者』であることが犯罪になるのか。今日、男性であれ女性であれ、多くのジャーナリストは『イスラム主義者』という言葉を犯罪を指す言葉、また悪口として使っている。しかし、彼らは誰に悪口を言おうとしているのか。ジハードはイスラムの聖なる義務である。この義務を否定する者は誰であれ、礼拝と断食を拒絶する人々と同様カ−フィル(背教者)だムスリムにとって『ジハード主義者』であることは大きな名誉、極めて大きな名誉なのだ」


預言者の教友たちは、すばらしいジハード主義者だった


アッラー預言者の教友たちはすばらしい、ハイランクのジハード主義者だった。聖典コーランは彼らに、ジハードこそアッラーが大いに愛する行為だと教えた。以後、ジハードは彼らにとって大いに愛される行為となった。預言者の教友たちのジハードは、それまでの預言者の支持者には見出すことができないものだった。また、誰であれ彼らのようにジハードを戦う者はいない。預言者の教友たちは、息を引き取るまで戦うと誓った。以下の確認された、有名な節は、これら教友たちに帰せられるものだ。
「(アラビア語で)『われわれは、預言者ムハンマド(彼に平安あれ)の前で、息を引き取るまで戦うと誓った』
「(4人の)正統カリフ※4は、預言者の教友たちの中で最高度の尊敬を受けている。4人は全てジハード主義者だった。バドルの戦いを戦った者たちは特別の名誉を受けている。またフダイビーヤ(の和議)に出席した者たちは特別な尊敬を受けている。彼らは『ジハード主義者』だった。(預言者ムハンマドと共にメディナに移住した)移住者たちは、特別な場所を占める。同様に(メディナで移住者を助けた)アンサールもまた特別な場所を占める。彼らは全てジハード主義者だった。また預言者の家族全員も高い名誉を受けている。彼らは全てジハード主義者だった。預言者の妻たちもジハードに参加し、(預言者ムハンマドの娘)ファーティマもウフドの戦いで預言者の傷を洗った。
「なのになぜ、BBCパキスタン人ジャーナリストは犯罪を指す言葉として『ジハード主義者』を使うのか。彼らは正気を失ったのか、それとも、異端者とミールザーの信奉者(イスラム分派アフマディーヤの信徒)の考えから、そう言うのか。



「天使たちはジハード主義者である」


聖典コーランは言う:アッラーは、ジハード(を戦う)ムスリムを支援するために天使を遣わした
聖典コーランは言う:アッラーは、ジハードを戦うムスリムを支援するために天使を遣わした。これは、コーランの中で何度も言及されている。アッラーが天使に戦い方を教えたことも言及されている。幾つかの天使の名前もまた、幾つかの信用できるハディースに言及されている。特に、ガブリエルとミハイルだ。というわけで、コーランハディースの中で、天使もまたジハード主義者であることが証明されている。罪のない天使が犯罪を行うか。それはない。それならなぜ、『ジハード主義者』であることがムスリムの目に犯罪と映るのか。
「幾つかのマドラサ(宗教学校)はジハード主義教育を施していないと明言している。ということは、とんでもないことだが、コーランの代わりに(ヒンズー教の経典)(バガバッド)ギーターを教え始めたのか。イスラムの根本のひとつを排除するなんて、なんと恐ろしいことか。宗教の形を変えるなんて、なんたる実用主義か。
「ジハードは聖典コーランにあり、誰もこれを否定しない。コーランは宗教マドラサで教えられており、(これらの宗教学校では)またジハードの教育も施さねばならない。(イスラム法学デオバンド派の発祥地であるインドの宗教学校)ダルール・ウルーム・デオバンドでは剣と杖の使用も教えられている。これは何か間違っているのか。ジハード主義者であることはムスリムにとって名誉である。ジハードを奪われることは災いであり、迷惑である。


アッラー預言者たちはジハード主義者だった」


そのことはコーランに・・・はっきり言及されている。アッラーに忠誠の義務を負う、多くの預言者預言者の教友たちはアッラーの道におけるキタール(戦い)に赴いた
コーランの四分の一で言及されている。アッラーに忠誠の義務を負う預言者預言者の教友の多くはアッラーの道におけるキタール(戦い)に赴いた。アッラー預言者たちもジハード主義者であることは明白だ。
預言者ダウード(イスラエルの王ダビデ)が戦ったジハードも聖典コーランで言及されている。預言者スライマーン(ソロモン)による、ジハード主義者の準備の会話も聖典コーランにある。預言者モーゼのジハードへの招きも、聖典コーランにある。預言者たちが行った(ジハードの)働きは敬虔な、愛される行為だった。
「というわけで、真のムスリムは『ジハード』を愛する。異端者に近い人は、それと同程度に巧みに『ジハード』を回避する。この信仰と不信仰のサインは聖典コーランが教える。今日の『ジャーナリストたち』はスパイ行為にふけり、誰それは『ジハード主義者』だから逮捕しろ(と言い)、誰それは『ジハード主義者』だから殺せ(と言う)。こうした人々は自分たちの信仰に懸念を持つべきである。彼らはアッラーに対する義務が犯罪であり、罪であると宣言した。それ自体が大きな残虐行為だ。



「われわれは(ジハード主義者と呼ばれるのに)値しない」


現代において、ジハードに向かって進んだ人は数少ないーージハードは大きな祝福であり、彼らにはアッラーの慈悲がある
「今日私は、預言者の教友たちの後、長老たちの中で誰がジハード主義者だったか一冊の本で学んでいる。フクハ(イスラム法学者)にはイブラヒーム・ナカイー(Ibrahim Nakhaee)、アブドッラー・ビンムバーラク(Abdullah bin Mubarak)の名前があった。スーフィーイスラム神秘主義者)の『ジハード主義者』の中にはハタム・アシム(Hatam Asim)、イブラヒーム・ウダム(Ibrahim Odham)、シャフィーク・バルキ(Shafiq Balkhi)の名前があった・・・彼らの時代のカリフたちはこの義務をジハード主義の民兵を派遣することで放出し、卓越した学者たちは宗教の大義への(教育による)奉仕のために温存した。この事実にもかかわらず、これら学者たちは皆ジハードを大いに愛した。彼らはジハードに惹き付けられた。なぜなら、アッラー預言者がジハード主義者なら、預言者ウンマイスラム信徒の共同体)もまたジハード主義のウンマだからだ・・・」
預言者が戦場に立って負傷するウンマが、ジハードの意味を理解できないなんてことはありえない。そうだ。もし、あなた方が自分の命の救済を必要とし、あなた方の心が恐怖でいっぱいなら、コーランの(意味)も、預言者の人格も、あなた方にはわからない。
「現在、ジハードに向かって進んでいる人は少ない。ジハードは大きな祝福であり、彼らにはアッラーの慈悲がある。これらの人々はなおジハードの義務を放出していないが、脅えた敵は、彼らが全て『ジハード主義者』だと証言する。(イスラム)信仰の敵が『ジハード主義者』とわれわれを罵倒する時、われわれは快楽を覚える。
「数日前、サルマン・ラシュディ(Salman Rushdi)がインターネットでわれわれに反対する発言を行っているのを見た。それ以前には、(George)ブッシュ(Bush)、トニー(Tony)(Blair)と(Pervez)ムシャラフ(Musharraf)が語ったーー語り、そして沈黙した。そうした力、威厳、祝福を、この(ジハードの)小さな行為に吹き込んだのは、全能のアッラーの祝福である。
「事実、『ジハード主義者』という言葉は大きな意味を持つ。われわれは自分自身が(ジハード主義者と呼ばれるのに)値いしないと考える。今や、敵がわれわれをジハード主義者だと証言してくれるなら、われわれはアッラーに感謝する・・・



「生命であって、死ではない」


ジハード主義者であることは、永遠の、すばらしい生命の獲得を意味する
パキスタンのリファーファ(賄賂をもらった)ジャーナリストが『ジハード主義者』と誰かを呼ぶとき、彼らの目的は、彼らの父親アメリカがその人物を間もなく殺害することだ。彼らが誰かを殺害か逮捕させようと欲する時、彼を『ジハード主義者』だと宣伝する。彼らにとって『ジハード主義者』であることの意味は、その人の死を招くことだ。というわけで、死を恐れる者は『われわれはジハード主義者ではない』と明言する。しかし、ジハード主義者であることは、永遠の、すばらしい生命の獲得を意味する。――全能のアッラーはこの生命を、アッラーの道において戦うジハード主義者のため約束したのだ。
「そこで言う。おームスリムよ。もしあなたがたが生命を望むなら、ジハード主義者になりなさい。数日間費やして、書籍『ファザーイレ・ジハード(ジハードの美徳)』を勉強しなさい。それで、あなた方は、生命を獲得する秘密とテクニックを知るだろう。もし医師やハキーム(民間医)が5年間生命を延ばす薬を持っていると表明したら、誰もが彼のところに集まるだろう。だが誰であれ、生命の延長は、一分であれ、不可能だ。
「ジハードが包含しているのは生命だけであって、死ではない。生命の秘密を知るために、今日から『ファザーイレ・ジハード』の勉強を始めなさい。そして、毎日50ページか100ページを読みなさい。あなた方はすばらしい変化を感じるだろうーージハード主義者であることが悪口だとは感じないだろう。(ジハード主義者と呼ばれることは)勲章であり、最も偉大な勲章なのだ」


注: [1] Haftroza Al-Qalam, Pakistan, Vol. 5, Issue No. 230, January 8-14, 2010. 主な小見出しは原文の見出しである。
   [2] イスラムの考えでは、預言者ムハンマドは「(現在形の)である(あるいは)いる」であり、過去の預言者を示すような「(過去形の)だった(あるいは)いた」ではない。
   [3] アラビア語の名前のカッコ内にある意味は、原文に書かれているものである。
   [4] 正統カリフは、イスラムの4人のカリフ、アブーバクル(Abu Bakr)、ウマル・イブン・アルハッターブ(Umar ibn Al-Khattab)、ウスマン・イブン・アッファン(Usman ibn Affan)とアリー・イブン・アビーターリブ(Ali ibn Abi Talib)である。

(引用終)