ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ドイツのイスラーム

Deutschland Online (http://www.magazine-deutschland.de)から、興味深い記事を引用いたします。同じテーマの別記事については、“Lily's Room”(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20081022)をご覧ください。

[ドイツにおける イスラム教]


ドイツでキリスト教に次いで多くの信者を擁する宗教はイスラム教だ。ドイツ・イスラム会議は、対話と統合の促進を図っている
ドイツには330万人のイスラム教徒が暮らしている。全人口のほぼ4パーセントに当たるこれらのイスラム教徒たちは約40カ国から移住してきた人々だが、そのうち260万人はトルコ出身者で、イスラム教徒のなかでも群を抜いて多い。トルコに次ぐのはロッコアフガニスタン、イランとなっている。約80万人のイスラム教徒はドイツ国籍を取得している。ドイツには、イスラム教徒のためのモスクと礼拝所が3,000近くある
イスラム教徒の大半は、ドイツ社会によく溶け込んでいる。とはいえ共に生活する上で、ときとして問題も起こる。例えば、イスラム教の家庭が子供――たいていは少女――に水泳や性教育の授業を受けさせなかったり、遠足に参加させなかったりする場合である。


06年、ヴォルフガング・ショイブレ連邦内務大臣は、いわゆる「平行社会 (Parallelgesellschaft) 」が築かれるのを阻止する、統合と多様性イスラム庇護申請件数が急増。基本法の庇護権に関する条項が書き換えられる国籍法改正。従来の血統主義と並び、生地主義が一部導入される移民の社会統合を法的使命とする、初の移民法発効。 07年、移民法を補完・改正ドイツにおけるイスラム教理解の深まりを目指してドイツでキリスト教に次いで多くの信者を擁する宗教はイスラム教。ドイツ・イスラム会議は、対話と統合の促進を図っている統合へのシグナル:ケルンに建造される新築モスクを模型するため、ドイツ・イスラム会議(Deutsche Islam Konferenz = DIK)を設立した。DIKはこれまでに3回会議を開き、対話と社会統合の促進を支援する、としている。


第1回会議の結果、「ドイツにおけるイスラム教徒調整評議会(Koordinationsrat der Muslime in Deutschland = KRM)」が設立された。KRMはドイツの4大イスラム組織の連合体だが、中枢となる上部団体ではなく、ドイツのイスラム教徒の約9 パーセントを代表しているに過ぎない。今春3月に開かれた3回目の会議では、イスラム教徒のドイツ社会への統合に向けた提言が、参加者全員によってまとめられた。それは例えば、ドイツ語でイスラム教の授業を行うことである


現在、学校でイスラム教に関する授業を行っている連邦州は、わずかしかない。その上、それらの授業は基本法が規定する「正規の宗教の授業」としてではなく、州の責任において行われている。イスラム教を正規の授業に導入する難しさは、これまでのところイスラム教徒を代表する窓口がなく、また信者としての資格を明確に示しつつドイツの憲法基本法)を疑問の余地なく信奉する統一的なイスラム教団体もない、という点にあった。しかしドイツでは宗教の授業の開設がそれほど困難でないことは、約50万人の信者がいるイスラム教の一派で構成が明快なアレヴィー派の場合が示している。08年秋に始まった学年から、すでに3州の学校で「アレヴィー派の授業」が「正規の宗教の授業」として行われているからだ。


過去数年間にドイツの大学には、イスラム教の神学者と教師を養成するイスラム宗教学の講座が4つ誕生した。ここでは、適切なイスラム教教授法も開発されることになっている。またこの9月には、差し当たり4州において、認可されたドイツ初のイスラム教科書も刊行されている。