ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ビールの試飲会

昨日の午後は、2ヶ月前に入っていた折り込みチラシを持って、近くのサントリー京都工場へビールを飲みに行きました。たまたま湿った暑さがぶり返していたのと、この日を逃したら、もう行けないのでは、ということで、主人の突然の提案で実現したわけです。
キリスト教系大学の学長先生(故人)は、学会などの懇親会でも、お酒類を一切許さないことで有名だったそうです。昨年のキリスト教史学会で、荒井献先生がそのようなことをおっしゃっていました。荒井先生いわく「酒のない懇親会なんて」とのことで、もちろん、ビールやワインなどを振る舞っていただきましたが、そんなことがあったのかと、かえって驚きました。
お酒は、限度を超えて酔っぱらったり、飲まない人に無理強いしたりするのがいけないのであって、倒錯した行き過ぎはよくないと思います。
フーバー大統領の禁酒時代にさえ、会合ではワインが振る舞われたとか。食事に招かれた日本の皇族の某方が「いいんですか」と尋ねたところ、「いいんです」と。それが実情のようです。
聖書にだって、ちゃんと書いてあります。 「酒は人生を楽しむため。」(コヘレトの言葉10:19) (日本聖書協会新共同訳』より)

さて、バスと電車で隣の市まで出かけ、サントリーのマイクロバスに乗り込み、工場に到着。最終便だったのに、家族連れや恋人同士や友達同士など、結構大勢の人が集まっていました。さすがは、皆さん、暑い日には無料でビールが飲めるとなると、自然とこうなるのですね。子どもや未成年者には、もちろん、ジュースとお菓子が振る舞われます。
つくづく、「待つ商売」のことを考えました。いくら、笑顔の爽やかな説明係とおいしいビールと清掃の行き届いた会場とマイクロバスを用意していたとしても、その場にならなければ、誰が何人来場するか、わからないのです。天気が悪かったり、一つでも不祥事が明らかになったりでもすれば、即刻それが反映されてしまうこともあるでしょう。

美しく整えられた庭と広い敷地に、サントリーのビール工場が建っていました。
主人の会社で年一回の健康診断を受けるのが楽しみですが、最初に訪れた時には、ごみ一つなく整然としており、警備員や社員の方達がにこにこと愛想がよかったのには、それまで学校しか知らなかった私にとって、とても新鮮な思いでした。主人に言わせれば「そんなの当たり前のこと」なのだそうですが。そういう経験からも、異なる職種の一流企業を見学させてもらえるのは、本当に楽しく、勉強になります。今回もそうでした。
一時間の見学と説明およびプレミアム・モルツ・ビールと普通のモルツを無料試飲させていただいたのですが、とても楽しく気持ちよく過ごすことができました。案内の若い女性達が、きちんとお化粧をし、髪もさっぱりとまとめ、清潔な印象でにこにこと一生懸命仕事に打ち込まれている様子に、よい刺激を受けました。(私も、会社で働いていた方が向いていたのではないか?)と、今更のように思います。何でも会社のためになることなら、たとえ小さな事柄であれ、どんどん提案や企画を出していきたかったなあ、など。小さい頃から、「これ、やってみたいな」と言う度に、「あんたにはできっこない」と、始める前から言われ続けていたので、何かと意欲の芽が摘み取られてきたように思います。でも、この10年は環境が大幅に変わり、自由にさせてもらっているためか、徐々にむくむくと本来の自分が出てきたようなのです。まあ、今後が大事ですよね。おっと脱線。

ビール工場といえば、実家のある町にも、キリンビールの工場がありました。あまりそちらに行くことはなかったのですが、旧国鉄の路線沿いだったこともあり、だだっ広い敷地にビール瓶の箱がうず高く積み上げてあり、近づくといかにもホップのにおいが充満していて、あまり好きではありませんでした。ところが、今日訪れたサントリーのビール工場は、まったくにおわないのです。品質管理がよほどしっかりしているのか、技術が上がって、ご近所の迷惑にならないようになったのか、それはよくわかりませんが、一つ勉強した、と思いました。もっとも、学生の頃、母がやはり広告を見て、マイクロバスに乗って(それほどの距離でもないのですが)、キリンビール工場へ無料ビールの試飲会に出かけたと聞いた時には、(暇だなあ、おばさんだなあ)とほとんど無視していましたが、ようやく私もそのような年齢になった、ということですね。
お酒に関しては、ビールよりワインの方がもちろん好きですが、我が家で夏場のみ、夕食時に二人で飲むのは、やはりビールです。一缶を分け合っているので、かわいいものです。その他には、勧められれば何でもいただきますが、食事と一緒に、というのが原則です。

まず、到着して、用紙に名前と住所を書き込み、折り込みチラシを手渡すと、お土産としてグラスを二本くださいました。
工場の中をさわりの部分のみ見せていただき、展示を眺めた後は、お楽しみのプレミアム・モルツです!健康のために三杯まで、という条件付きで、おつまみの小さなピーナツとあられ付きで、グラスのモルツを二杯いただきました。二杯目は、さすがにおなかがいっぱいなので、恒例のことながら主人と二人で分けました。
泡がきめ細かくまろやかで、非常に飲みやすく、変な刺激がなくて口当たりがとてもよく、さっぱりしているのに深みとこくのある味わいです。もちろん、これが初めてのプレミアム・モルツではありませんが、説明を聞いてから飲むビールは、また格段においしいものでした。

恐らくは、このような催しは、収益が戻ることを計算しての宣伝という意味以上に、豊富な天然の良水を大量にくみ上げて使用しているため、地域社会への還元という意味合いが大きいのだろう、と主人が言いました。「環境にも配慮しています。30%も水を節約できるようになりました」と何度も繰り返していたから、とのこと。
それにしても、ここまでのサービスのよさとしっかりとした企業倫理から、なるほどこの夏に訪れたサントリーミュージアムや、よいクラシックコンサートが頻繁に開かれるサントリーホールの優秀さが改めて納得できたように思います。サントリーホールと言えば、どこかで、子どもの頃の五嶋みどりさんにまつわるエピソードを、お母様の節先生が書かれているのを読みました。出演間際のみどりさんのドレスの裾がほつれているのに気づいた途端、さっとホールの支配人が「どうぞ」と裁縫セットを差し出されたのだそうです。「みどり、よう覚えとき。サントリーホールともなれば、支配人さんでも裁縫セットをポケットに常備してはるんやで」と。さすがは、サントリー、違いますね、というわけです。
私の住む地域のすぐ近くにも、サントリーの研究所があります。水質がいいからなのですが、おいしい水に恵まれていることを再確認できる証拠として、うれしく思っています。

ところで、我が町には、企業研究所が複数あります。結婚してまだ数年の頃のことですが、大阪の府立図書館に出かけた後だったか、たくさんの荷物をかばんに詰め、帰り道にスーパーで食材を買って、駅に止めてあった自転車で自宅に戻ろうとしました。どうしても白ネギだけはレジ袋に入らなかったので、仕方なく、荷物の入ったかばんの方に入れて、チャックがしまらないまま自転車を引いて歩いていました。すると、サントリーではない他の研究所から出てきた、おしゃれで若いきれいな女性達二人が、私を見て、「あれ見て見て。私、結婚しても、ああいう格好だけはしたくない!」と大きな声で言ったのです。こちらはすっかり恥ずかしくなってしまいました。
そのことを主人に言ったら、「それは話が逆だ。恥ずかしいのは向こうであって、こっちではない」とのこと。「ご近所の人が、会社の従業員を見て企業倫理を判断しているのであって、会社に勤務している人が、近くに住む人を観察しているのではない」とのことです。「もしその会社にねたみか何か持っている人だったら、会社に通報するかもしれないよ」と。実際、主人の会社でも、別件ですが、ご近所から勤務先へ苦情のような話があったそうです。「お宅の社員、どうしてそんなことするんですか」のように。
そうだったの?本当に私って世間知らずでした。もっと堂々としていればいいのに、礼儀知らずの失礼な人の方が世の中では勝っているかのように思っていました。ずっと損をしてきたような…。

話をサントリーに戻しますと、連続三年、最もおいしいビールということで欧州で受賞されたそうですが、確かに、スーパーに行くと、どこでも「サントリー・モルツ・プレミアムは一番高い値段がついていますね。来年に向けて、新たな工夫と商品開発研究にいそしんでいらっしゃるのでしょうか。