ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

もし男に生まれていたら

今では叶わぬ願いだが、もし自分が男に生まれていたら、どのように結婚相手を選ぶだろうか、家事をしながら考えてみた。
もちろん、時代設定は現代日本少子高齢化社会。景気も低迷して先行き不透明、なかなか結婚相手が見つからなくて困っている状況下である。想定として、年齢は三十代前半、大卒で、仕事はあるが年収五百万円をやや上回る程度。貯蓄は平均並み。健康状態は特に問題なく、性格もごく平凡である。長男だが一人っ子ではない。最初から同居希望ではないが、いずれは親の面倒を引き受ける責務は自覚している。
結婚相手の基本条件として、私が最初から「酒(煙草)、金、女の問題ゼロ」を諸原則として男性を見ていたように(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151130)、女性の場合にも諸原則がある。

1. 男全般(あらゆる世代)に対して、潜在意識で憎しみや怒りやライバル感覚のない人。
2. 基本的な挨拶とお礼がきちんとできる人。
3. 丈夫で健康で、好き嫌いなく何でもおいしく食べ、特にひどい生理痛などがないこと。
4. いつも薄化粧で、言動に裏表がなく、誠実さと素直さと清潔感のある人。
5. 読み書き算盤がしっかり身についていて、生涯、自分から求めて学び続けていける人。
6. 万が一の時でも、逃げたりもたれかかったりせず、一人で立っていける人。
7. 老後もお茶飲み友達でいられそうな人。

(え〜、そんな女性、いないよ!)と思われるかもしれないが、我が反省も込めて、こんなタイプだったら何があっても一緒に生涯を共にできそうだと、最大公約数的に感じる。また、娘がいたら、そういう女性になってほしいと願いつつ、子育てしたいと思う。
しばらく前に押し入れの中の古い記録を見ていたら、結婚式の準備の時、主人が披露宴会場の係の人に「最初会った時には、おどおどした態度があり、どうしようかと迷ったが、話していくうちに前向きな面もあることがわかり、結婚話を進めていった」と発言したことが書いてあって、我ながら嬉し恥ずかし、と言った気分。理系の企業研究所に勤務している主人は、専門職の女性と一緒に長い間仕事をしてきたため、まだ三十代で仕事に意欲を燃やしていた当時、自分の結婚相手にも、ふさわしい程度を希望していたようだった。そして、今、このブログの下書き内容を夕食時に話していたところ、「これからは、周囲の無責任な発言に振り回されずに、自分のペースで思うようにやっていったらいいよ」と言ってくれた。義母も「あんた達はレベルが違うんだから」と言ってくれると、主人は言い添えた。

ここで、流行り言葉を使えば「男の婚活」なのだが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120127)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151201)、私が男に生まれ直したと仮定して、以下に指南を。

(1)しっかりした作りのノートを一冊用意。まずは自分の名前を書く。次に、一頁目に、万年筆で上記の諸原則を大きく丁寧に書く。これは心得だ。そして、最長でも二年以内に相手を見つけると固く決意し、日付を書き込む。
(2)(疎遠になっていたかもしれない)父方母方の従兄弟を含む親戚全員に、お年賀状(と暑中見舞い)を欠かさず出し、一言「よろしくお願いいたします」を添える。
(3)親族の葬儀には、遠方でも積極的に下働きを買って出て、どこでも誰にでも頭を下げる。そこで学んだことや感じたことは、帰宅してからノートに記入する。知らなかったことは、図書館や書店の本(注:インターネットではない)で調べて確認し、ノートに書き加える。
(4)小学、中学、高校、大学のクラス会や同窓会には極力欠かさず出席し、先生と友人皆に挨拶をして回る。もし頼まれたら、幹事も引き受ける。
(5)その間に、部屋の掃除をして、自分の荷物を整理してまとめておく。預金通帳を見直して記録をつけ、経済感覚を客観視する。自炊をしてきた食生活も、今一度、見直す。健康診断を受ける。気になる身体症状は、早めに受診して治療し、解決しておく。
(6)仕事が忙しくて、どうもこのままでは出会いがなさそうだと思ったら、よく検討の末、確かな紹介所に登録をしてみる。仕事に手は抜かないが、決まるまで、週末は趣味もスポーツもお預け。土日はこれに賭ける。海外出張も頻繁な昨今、無理のないスケジュールを組む。
(7)紹介で知り合うシステムは、毎月最低でも二名ほどはマッチングがあり、パーティーなどもあるようだから、積極的に活用すべきだろう。そして、会った時の感想などを、上記の婚活ノートにメモしておくことだ。これによって相手を見る目が磨かれ、自分の応対にも反省を加えつつ、前進していくことが可能であろう。
(8)結婚紹介所には、困った時に助言されるところがあるようだから、臆せず利用してみてはどうだろうか。もちろん、家族には順次、紹介できるように手はずを整えておく。

特記事項や特別事情がない限り、このぐらいの熱意と努力で、恐らくは目標期限内に何とか決まっていくのではないだろうか。何事も基本路線を堅持。その他の細かい条件などは、相手もこちらを見て接近して来るのだから、相談して折り合いがつくようならば先へ進み、ダメなら打ち切り、次を探すという見立てである。妥協は禁物だが、是非とも期限内に決めなければならない。的確な決断力と責任感が男の証だ。
ダラダラと何年も「付き合っている彼氏/彼女がいます」みたいなカップルは、最初から恋愛以上結婚未満で、責任感も将来もないと見定めるべし。ある程度以上の年齢で出会ったら、直感も第一印象もバカにはならないと思う。
例えば、家柄、職業、出身校名、年収、住所、庭付き家(と車とピアノ)の有無、趣味、父親の社会的地位、きょうだいの学歴や職業などをリストに挙げて結婚相手の条件とする話を時折聞いたものだが、「若い時点でそれを尺度にしていたら、結婚詐欺に会うよ」と、マレーシア赴任時代に直言してくれた長野県出身のE子お姉さん(と、我々は呼んでいた)がいた。半世紀を生き、国内外も少しは見てきた今振り返っても、確かにその通りなのだ。
昔、「短大卒以上、料理(懐石料理orフランス料理)、英会話(+フランス語)、華道・茶道、ピアノが趣味。容姿端麗」などと釣り書で書き、美容院で盛装したお見合い写真を添えて、ご両家共々話がまとまりほっとしていたところが、実は新婚旅行の翌日から、あるいは、子どもが生まれた途端に妻が豹変した、こんなはずではなかった、という悲喜劇をよく耳にしたものだ。その一方、「男は浮気の一つや二つはするもの。どっしりと妻が構えていれば、いつかは戻ってくるぐらいの度量を女は持たなければならない」「女癖の悪かった青年でも、ぼうっとした感じの女性を妻に迎えたら、途端にピタッとおさまったから、女の子はあまりしっかり者でない方が、男は家庭でくつろぐ」などといういい加減な世間知もどきを、小学校に上がった頃から祖母などに聞き、人生そのものが非常に怖かったことを覚えている。そんなの真っ平御免、というのが私の心境だった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151111)。
現代でも、表面上は形を変えているが、当てはまる場合があるだろう。ラブラブ恋愛で一緒になったからといって、ハッピーな結婚生活が保証されているわけではない。また、見初められて結婚したと語るのは美談のようだが、実は相手が何かを計算してのことかもしれない。
要は、生老病死の苦楽は人生につきものだと子どもの頃からしっかりと構え、どんな境遇になっても何とか寿命を全うできるような自分であることを考え、無理なく老後まで一緒に生きていける、身の丈にふさわしい相手を探すことだろう。