ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ミーチャ@DSCH(6)

昨日、買い物のついでに、近所の町立図書館に立ち寄ったところ、継続更新ができなくて前々日にいったん返却したショスタコーヴィチの『戦争交響曲第5-9番』が、既に貸出中になっていました。あらま!人口3万人の小さな町であっても、ショスタコーヴィチのファンがいらっしゃるのかもしれませんね。

FMラジオで、日曜日の夜「クラシック・リクエス」という番組があった頃、朝岡聡さんの司会が気に入って、時々リクエスト曲を書いた葉書を送っては喜んでいました。実は、何度か採用されたのですよ!庄司紗矢香さんのデビューCDから、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番の第一楽章をかけていただいたり、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番の第二楽章を紹介していただいたり、と毎週楽しみにしていました。特に、プロコの時には、この「ユーリの部屋」の6月23日に初登場いただいたK家の息子さん宅でもちょうどラジオを聴いていたらしく、直後にメールで「もしかして、プロコフィエフのリクエスト葉書を出しませんでした?」といううれしいお便りもいただきました。

と、話は少し逸れてしまいましたが、その「クラシック・リクエス」の番組で、我がS町の住民の方もリクエストされ、葉書が読まれていたことがあったのです。曲目は忘れましたが、葉書の内容は、「クラシック・リクエス」を聴いていたら、葉書が採用されたのは実は投函者のご近所の方だった、という話でした。つまり、我がS町には、総計すると、少なくとも私を含めた3人が葉書を送り、全国放送で読み上げられたという快挙を果たしたことになるのです!!

そういえば、この町に住んでもうすぐ10年になりますが、図書館が随分充実し、利用者層が、単に増えたのみならず、質的に変わってきたように思います。昔は、新婚早々でまだ二人暮らしらしい若い主婦が、産前のひとときを安らかに過ごそうとしてなのか、手芸や料理やインテリアの本を眺めているとか、明らかに年金暮らしのおじさん達が暇つぶしに雑誌をめくっているとか、小さな子どもたちがきゃあきゃあ騒ぎ回っているなどの光景が普通でした。その中で、大阪方言も話せず、ちょっと堅苦しい本を大阪府立図書館に予約していた私は、どこか場違いで、図書館係の女の人も面倒くさそうにしていました。当時は、インターネットの普及がまだ今ほどでもなく、図書館の蔵書検索も、何やら時間と手間のかかる方法しかありませんでした。結局、ご近所で肩身の狭い思いをしたくないばかりに、わざわざ電車と地下鉄に乗って、大阪府立図書館まで片道1時間半かけて通っていたこともあります。今では考えられない時間の使い方です!まあそういう時期があってこその今でもありますし、当時は関西の雰囲気に早く慣れたかったこともありますから、ま、いいとしましょうか。

ところが、最近では、気がつくと、新しい大きなマンションが何軒か建ったためもあり、都会風のサラリーマンらしい颯爽とした感じの男性やスマートな女性が町立図書館に増えてきたのです。しかも、関西方言ではなく、標準語アクセントに近い話し方をしているではありませんか!30代前半ぐらいのお父さん達が、小さな子どもの手を引いて、絵本やら児童書などを何冊も借りたり返したりしている様子は、まさに隔世の感!10年前までは、それはお母さん達の仕事でした。府立図書館への予約も、それほど珍しいことではなくなったようです。

と思ったのですが、利用統計を見てみると、平成16年度が利用数などピークで、今はやや減少傾向にあるようです。隣町でも、新築マンションがたくさん建ったり宅地開発が進んでいるためもあるのでしょう。ただし、もうすぐJR新駅もできるので、人口動態の変化が見込めそうです。

客観データ資料は別として、利用者が増えてくると、当然、新刊図書やCDリクエストなどの質も変化してきます。もっとも、私の場合は、そうは言ってもまだ大学図書館や府立図書館の方が利用しやすいのですが、それでも、CDをよく見ると、なかなか良いものも混じっています。人気があっても実力がいま一つという演奏家のCDではなく、一定水準以上の人のものが割合揃っているのがいいと思います。大きな図書館だと、かえって選別に時間がかかることもあるからです。

というわけで、昨日借りたショスタコーヴィチのCDは、次の通りです。

『ロシア・ヴァイオリンの巨星たち』ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 作品77(99)レオニード・コーガン&キリル・コンドラシン指揮・モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団 1964年
・『ショスタコーヴィチ交響曲第2番 作品14《十月革命に捧げる》(1927)・交響曲 第5番 作品47(1937)』エリアフ・インバル指揮・ウィーン交響楽団 1990年
・『ショスタコーヴィチ交響曲第4番 作品43』ヴラディーミル・アシュケナージ指揮・NHK交響楽団  2006年 東京 

今、同じ曲を各演奏家がどのように弾き分けているか、誰と誰が似た演奏をしているか、メモをとってリストを作ろうと考えています。これは、自分の感覚を信頼してする作業で、有名な音楽評論家や好事家の意見を鵜呑みにしていてはダメなのです。こういう遊びは、他の分野で人を判断する時にも役立ちます。問題は、それだけの精神的時間的ゆとりがあるかどうか、ということです。ですから私は、今のこのような時期をとても大切なものと考えています。

あ、そうそう、これを書いている今、バルトーク中国の不思議な役人』をケント・ナガノ指揮ロンドン交響楽団で聴いています。やはり私の好みに合いません。時々、N響アワーでも放映されていた曲で、確かに知ってはいますが、いつ聴いても何だか妙な音楽のように感じられます。これが、福田康夫現首相のお好みの作曲家なんですねぇ。ふうん…。