ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

オシント

今日付のメーリングリストから。「オシント」は、一般国民の我々にも応用実践が可能な手法ではないだろうか。

野田敬生(元公安調査官)『諜報機関に騙されるな


・聴取に問いかけ、明確な回答を呈示する、説得的なプレゼンテーションの基本が終始反復される。特に米国では、プレゼンテーションの技量も情報官にとって必須の能力とされる。


ヒューミントは原則として、対象組織の既存構成員にアプローチし、当該機関のために情報提供するように寝返ってもらうことで成立する。


・情報活動の難しさは、自然科学と違って、認識対象そのものもまた認識する存在者であるという点にも求められる。つまり対象も同じく分析する主体であり、分析者は同時に分析される客体である。


・分析資料には長短様々な種類の資料があるが、総じて「結論を最初に書く」ことが求められる。報告書のタイトルはその内容を左右する最も重要な要素であり、最初に決定する必要がある。


・CIAにおいて最も代表的な分析者であり、今日に至る国家情報評価の制度を確立したのがシャーマン・ケントである。彼は、「外国に関する肯定的かつ高度な情報の収集・分析こそが情報活動の要諦である」と説いた。


・「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」(孫子
→欧米の諜報文献ではしばしば畏敬の念をもって孫子が語られる。


第二次世界大戦中、ドイツ国防軍の情報将校として頭角を現し、戦後「ゲーレン機関」から今日のドイツ連邦情報局(BND)を創設したラインハルト・ゲーレンは、「孫子の緒論文には無数の解説者が現れ、彼らの書いたものは、原著者の教えとともに、今日でも対外情報局の確立、組織、指導にとって、包括的な、時代を超越した指導原則として役立てることができる」と述べている。


・イギリスの情報機関は一人ひとり有能で、組織が整備されており、「非常に情報収集が徹底して深くて、そして執拗だ」(後藤田正晴・元副総理)


・ウィリアム・ドノバンOSS(CIA全身)長官は、オシント(公開情報からのインテリジェンス)の意義を指摘している。すなわち、第二次大戦中、日本の海外向け短波放送と国内向け放送におけるプロバガンダでは、両者の間に差異があり、その分析結果に他のソースをも加味することで、貴重な政治経済情報が入手できたというのである。


・中野校友会編『陸軍中野学校』は、日露戦争時、ロシア政府転覆工作に従事した明石元二郎大佐を例にとり、その「行動そのものが誠心誠意であって、反政府党員の信頼を得たことも成功の一大要素」であり、「真に謀略は誠なりの教示と思われる」としている。

(部分抜粋引用終)