ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ジョン・マケイン氏

2008年の大統領選挙前、共和党の中心的位置を占めていらしたダニエル・パイプス先生は、ジョン・マケイン氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140215)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151230)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170410)の応援団だった。トランプ現米国大統領についての指摘も(http://ja.danielpipes.org/article/16616)、パイプス先生は最初から誇り高く孤高を保ちつつ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160723)、実に的確だったと言える。
久しぶりに、櫻井よしこ氏を(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=yoshiko-sakurai)。

http://yoshiko-sakurai.jp/2017/08/03/6962


2017.08.03 (木)
「戦略も価値観も失くした米政権」
週刊新潮』 2017年8月3日号
日本ルネッサンス 第764回


アメリカ共和党ジョン・マケイン上院議員が7月19日、脳腫瘍を患っていると発表した。同情報をアメリカ各紙は大きく報じ続けている。その詳細な報道振りから、改めてマケイン氏の政治的影響力の程を認識した。


・氏はベトナム戦争で負傷し、北ベトナムの捕虜として5年間拘束された。解放の機会は幾度かあったが、同僚の軍人たちを残しての解放には応じられないとして最後まで頑張り通した。このような経歴に加えて、共和党員でありながら、共和党に対してさえも言うべきことは言う正論の人としての姿勢が、党派を超えて高く評価されている


・マケイン氏が6月18日の「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)紙のインタビューにこう語っている。
「もし我々が人権についての主張を放棄すれば、我々は歴史において興亡を繰り返す(そしてやがて滅びていく)その辺の国と何ら変わらない
「人間を変えることはできない。人間は自由を求める存在である。世界の人々はロールモデルとして、精神的支柱として、我々を見ている
アメリカはユニークな国家だ。我々は失敗や間違いも犯したが、人々のために立ち上がった。信ずるところに従って立ち上がらなければ、我々は他の国と同じになる


・マケイン氏が指摘するように、アメリカを大国たらしめ、国際社会の中心軸たらしめた要因は、単に世界一の軍事力と経済力だけではない。「アメリカが己の信条に忠実に、人類普遍の価値観を守ろうとし続けたから」である。


アメリカは「自由世界」の盟主として、民主主義、人間の自由、弱者救済など、誰もが賛成せざるを得ない普遍的価値観を基盤にして共産主義社会主義陣営と戦った。


アメリカの政策を具体的に見れば、たとえば対日占領政策に関しては、日本人としては大いなる不満がある。欺瞞も指摘しなければならない。それでも、当時、世界が直面していたソビエト共産主義社会主義に対峙すべく、あらゆる力をもって備えようとしたアメリカの戦略は正しかったと思う。


・トランプ氏を大統領に据えて漂流しかねない国に、日本は無二の同盟国として大きく依存している。国家としての足場の危うさを感じざるを得ない。

(部分抜粋引用終)