ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

「南進論」を読む

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Lily2‏@ituna4011


『「南進」の系譜 日本の南洋史観』矢野 暢(http://www.amazon.co.jp/dp/4805109262/ref=cm_sw_r_tw_dp_8R88wb091C159 …)を町内の図書館経由で兵庫県立図書館からほぼ新品状態で借りた。戦時中の東南アジアに対する日本のあり方に関して、昨今、古い賛美が復古主義的に出ているが、学生時代を想起して、再度、確認したい。

(転載終)
矢野暢氏には京大で生前、直接お目にかかったことはないが、私の世代だと、アウンサンスーチー氏の恩師だということと(「アウンサンスーチーの部屋」なる空間が(当時の)センター内にあり、セミナー受講生は見せていただいた)、時期的にセクハラ事件で有名になった教授として思い出される。当時の京大は学術的に厳しい雰囲気が漂っており、もちろん男社会。優れた東南アジア学、特にタイの研究者だと畏れつつ見上げる思いでいたのに、結局は、晩節を汚すことになってしまった。電車から京都駅近くの現場ホテルを見かける度に思い出すが、今の人は知らないかもしれない。
この事件が公になる少し前に、鹿児島出身の文通友達が「ユーリちゃんなら知っていると思うけど、京大の矢野っていう先生が、研究者としては偉い人なんだけど、隠れて女の人にすごく変なことをするんだって」と教えてくれたことも併せて思い出す。へぇっと思っていたら、しばらくして本当に明るみになったので、女の噂は煙の立つものだと感心した。
一応は、女性の秘書と大学関係者が詳細に当該事件を調べて裁判記録も掲載した本を読んだことがある上、当時受講したセミナーでお世話になった男性教授の公の呼びかけなども見たが、日本の大学におけるフェミニズム対男社会の先端縮図があぶり出しになったような感想を持った。
あの頃は、今注目の中東地域以前に、東南アジアを研究することそのものが、どこか異端児扱いされていた時代だった。勇気を持って女性秘書が名乗り出たのに、うやむやになった感がある。
ともあれ、インターネット時代の今は、当時は知ることの困難だった基本情報が簡単に入手できる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/


矢野 暢(やの とおる、1936年4月17日 - 1999年12月14日)は、日本の政治学者。専門は東南アジア地域研究。1986年『冷戦と東南アジア』で吉野作造賞を受賞。


アジア地域の社会科学者として初めてスウェーデン王立科学アカデミー会員となり、ノーベル賞に関するテレビ番組等にゲストとして出演するなどマスコミ露出も多かった。またアウンサンスーチー京都大学留学時代の恩師といわれる。又、クラシック音楽への造詣が深い一面も持ち、京大の先輩に当たる朝比奈隆との対談集もある。晩年はウィーンで過ごした。


満州国で教員の家に生まれる。本籍地は熊本県八代市内の高等学校(現在の熊本県立八代中学校・高等学校)を経て、1959年京都大学法学部卒業、1961年同大学院修士課程修了、1965年同大学院博士課程修了。1971年法学博士(京都大学)。


1966年大阪外国語大学講師、1968年広島大学助教授、1972年京都大学東南アジア研究センター助教授、1978年同教授、1990年同所長。1993年に女性秘書から「暴力を用いた性的関係の強要があった」として、「キャンパス・セクハラ」の告発を受け、京大を辞職に追い込まれる。辞職後、京都市東福寺に修行として身を隠すが、写真週刊誌などで報道され、寺にも抗議が寄せられ、退去せざるをえなくなる。後に告発内容が虚偽の事実であるとして、損害賠償請求訴訟や辞職の取消しを求める訴訟等3件の訴訟を起こすが、いずれも棄却された。1999年ウィーンの病院で客死。享年63。


京都大学では、附属機関でも歴史が浅い東南アジア研究センターの教授職であったが、法学部で政治学系科目の授業を受け持ち、学内行政にも積極的に関与した。さらに、テレビ出演も多いバブル期の「人気教授」ではあったが、本人の権威主義的傾向もあり、学内での評価は必ずしも高くはなかった。このため、セクハラが「矢野事件」としてひとたび告発されると、本人の一般的知名度の高さと権力志向も災いし、とくに学内の女性教員懇話会からは身内の許し難い行為と徹底的に糾弾された。矢野事件は「アカデミックハラスメント」、「キャンパス・セクハラ」として日本で初めて大きく取り上げられる。この結果、矢野は大学から実質的に追放され、研究者としての道も完全に絶たれた

(転載終)
末文について。社会的には葬られたが、論文や書籍については読まなければ何とも言えない。実は、この南進論についてもちょうど京大の東南アジア研究セミナーで接触を持ち始めた頃から知っていたが、読まなければと思っていた時がセクハラ事件が紛糾していた時期と合致していて、女性心理としても避けて通りたかったので、読むのを控えていたのだった。
ともかく、南進論については、もう一度おさらいしておきたい。既知事項が少なくはないが、私にとっては読む価値はあると思う。但し、残念ながら、引用は難しいかもしれない。