ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

人間関係を知らない

「知らない」シリーズ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160226)の第二弾として、今日は一言のみ。
子どもの頃から、本を読んだり、音楽を聴いたりすることが好きだったので、いわゆる一人遊びに熱中するタイプだった。スポーツは全然ダメ。だから、愛想はよくないし、地味だし、人付き合いは得意とは言えない私だ。
でも、社会の中で生きる以上、最低限、すべきことはしなければならないと思う。
三年前、父の葬儀の喪主を務めた者が、何度か「長女のくせに何もしない」と、十歳も年上の私を怒鳴りつけた。亡くなってから知らせが届いたのに、「葬儀場はインターネットで調べて」「喪服なんか、斎場で借りればいいだろう!」「取るものもとりあえず、まずは駆けつける」と叱り飛ばし、「わ、英語が全然できない」とまでお通夜の席で言ったのだ。また、打ち合わせと称して、かなり朝早くから私を呼びつけたのに、実際には一分で終了。しかも、その通りに履行されていない。
これはどういうことなのか。
数十年も生きて、普通の人間関係の中で一般的な葬儀に出席していれば、誰が何をするかは自然とわかるのではないか。
私は嫁に出て夫の家の苗字を与えられているのだから、主人の家と義母の実家に責任を担うが、実家の父の葬儀を私が仕切るはずがない。嫁入り支度や持参金を持たせるどころか、むしろ、自分が働いていた時の一年分の給与貯金まで片親に取り上げられていた(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160221)。銀行で誰がしたのかを確認し、結婚前に盗まれていたことは明確なのに、どういう根拠でなのか、無関係の主人がやったことにされ、義母に手紙まで送りつけられた。(主人の病気のことに加えて、濡れ衣を着せられたので、義母は心痛から入院もした。)こんな険悪な状態なのに、実家をせっせと仕切っていたら、滑稽ではないか。
主人の母方の田舎の初めての葬儀では、葬儀社に任せるのではなく、ご近所総出で、自宅で何もかもやった。故人が主人を可愛がって育てた祖母だったこともあり(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100108)、新顔の若輩嫁なのに「血の濃い者から」と、私も上席に誘導された。伯父さんや叔父さんが、「ユーリさん」「ユーリちゃん」と盛んに呼びかけ、何をすべきかを親切に教えてくださった。もちろん、お台所仕事は、主人の従姉妹と一緒にお手伝いした。「ここの風習では」と教えてくださったのは、義母の弟さんの妻である叔母さんだった。田舎で、義母が長女だからと出しゃばって逐一指図していたのではない。
何ら特別なことではなく、普通はそういうものなのだ。
「お父さんがいなくなったら、父方の叔母さん達との縁はもう終わりだね」と、昨年、母方の親戚が言ったのだが、実際には、今年も喪中葉書やお年賀状が届いた。血を分ける、血を継ぐとは、そういうものなのである。自分の好き嫌いや感情で、勝手に切ってはならないし、切れないのだ。
第一、その中の一人の叔母の結婚式に、小さかった私も列席した写真があるし、私共の結婚式に出席していただいた別の叔母夫婦がご健在だ。小学校低学年の頃まで、従姉妹達と一緒に寝泊まりして遊んでいた記憶が、今も鮮明だ。写真も残っている。
世相に疎いので、自分がなぜ理不尽で不愉快な思いをするのか、長い間、理解できなかった。
ふと思い立って、おちゃらけ相談サイトを覗いてみたところ、何と上記のようなことを書いている女性がいたのを知った。「夫(確か「旦那」と呼称していたと記憶する)が親の葬儀の喪主を務めたが、夫の姉妹である嫁いだ長女は、受付も何もしないで座っているだけだった。これはおかしいのではないか」と憤慨した調子の相談だった。
回答は、読者すなわち一般素人が自由に寄せているのだが、案外に常識的なものが大半で、「おかしくありません。それでいいのです」「遺族は座っているだけです」と答えている。
しかし、そもそも、そういう質問を平気で寄せること自体、由々しき事態ではないか。どういう人生を送ってきたのだろうか。
もう一件、似たような質問があった。「夫(旦那?)の親の葬儀に出たくありません。体が弱いし、子どもが小さいので、欠席したいのですが」。
回答は、「出席です。子どもも連れて出ましょう。将来、自分の子に同じことをされたら、どうしますか」だけを覚えているが、呆れ果てて、他の回答は見ていない。一つだけ、「自分の気持ちに素直になりましょう。いやいや参列しても、故人に失礼です」という妙な回答(?)があった。工作員だろうか。
夫婦別姓問題でも取り上げたが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151207)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151218)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151219)、日本の弱体化は、こんなところにも現れている(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160225)。