ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

真の独創性を磨くために

https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi/posts/10202814396600027


剽窃コラムの件、『東洋経済』に記事を提供した出版社・編集プロダクション・メルマガ発行主体の「夜間飛行 by プレタポルテ」は、「宗教学たん」本人(1名、もちろん17歳女子高生ではない。ポスドク研究員)に、説明・謝罪の連絡を入れさせてきたのだけれども、この問題は、剽窃した記事が、「夜間飛行」という企業が提供する有料の媒体に載って、『東洋経済』にも転載されてばら撒かれたことが問題なのだから、私が個人的に許す許さないという話ではない。


・研究っていうのは、事象そのものを見て、事象についてのあらゆる文献も読んで、その事象についてこれまで考えられてきたこと以外にさらに考えうるあらゆることを考えた上で、そこから取捨選択して本にする。だから、そのテーマについて世界中の人間がちょっとでも思いつきそうなことは、その裏の裏まで全て考えてから書くから、いろいろな形で全てが文章の中に入っている。あるテーマについて研究者が徹底的に考えて書いた本を読んだ後に、そこに書かれていない有意義なことをそう簡単に思いつけると思っているのであれば、研究者として考えが甘すぎる。研究者にとって一番の難題は、自分が思いつくようなことは世界の何処かで誰かがとっくに考えているという事実だ。


・私個人としてはこの問題にもう1分も時間を使いたくない。


・(1)原則として匿名・仮想の身元の著者は認めない。
(2)注をつければ論旨も論証も大部分他人のものであることがわかってしまう文章は載せない。


・著者にオリジナリティがあって、著者性がある時だけです。匿名だろうが実名だろうがこれが前提です。


・それは作品ではなく盗品です。著者が原則として実名でなければならないのは、嘘をついたり模倣したりしてバレたら著者の責任になることで、不正を抑止するためです。それが出版の基本です。


・私が許したって「読者」は許さない。嘘をついた人が偽名で逃れて、どこかでまた文章を書いていると考えたら、読者は書き手を信用できるかな?偽名・偽身元を使って剽窃するという行為は、言論の信用を根本から覆す。


・個人に最終的な責任を帰結させるのは近代社会の基本です。それができないなら言論が存在する社会が成り立たない。


・お金をもらって何か仕事をする際の最低限の責任もわかっていない。そのような書き手に書かせれば出版社の信用は当然落ちる。

(部分引用終)
それにしても、ふざけた話だ。一体全体、どこの誰が、どういう文章を載せたのか、と思って覗いてみたが、アドレスはこちら(http://pret.yakan-hiko.com/2015/03/12/)。
東洋経済』については、過去ブログに言及あり(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150315)。
そして、変なコメントが入って不愉快だった昨日についても、さすがは池内先生、目敏く対策を提示。

https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi?fref=nf&pnref=story


・基本的に私は「友達の友達」まではコメントを許可していて、特定の人をブロックしていない。しかしせっかく合理的な議論がコメント欄である程度続いた後に、決まって愚かなコメントが付いて白けて終わるので、今後は「3ストライクアウト」ぐらいでブロックしていこうかと思っている。

(部分引用終)
そういう事態を予測したので、しばらく前に、池内先生からフェイスブックの「お友達申請」をいただいても(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150125)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150209)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150211)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150218)、私なりに今のやり方(フェイスブックやブログをアドレス付で部分引用させていただき、自分のブログで感想を自由に書き、考えを広げる方式)を採用したのだった。
ところで、2015年4月号の『中央公論』5日前に買って読みましたよ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150313)。すっと読めるのが気持ちよかった。ということは、今の『中公』路線が、概ね自分に合致しているということだ。ピケティについても、なかなか頷ける記事が多かった。自信がついた、という感覚。
これまでは、自分の思考に刺激を与えるためとか、異なる立場の考えも知るためとか、自分の立場を相対化させる必要がある、などと言い含められて、無理矢理違和感を覚える雑誌や新聞を読み続けてきた(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150131)。ところが、気がついたら齢半世紀(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141110)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141123)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150221)。いつまでも相対化で迷っている暇はない。
だから、今後は自分に合う雑誌を楽しみながら読み、自分の考えを補強しつつ、もっと自信を持って前向きに歩んで行ければと思った次第である。
PS:冒頭の件に関しては、相変わらずお粗末な後日譚があったので、以下に箇条書きを。

https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi?fref=nf&pnref=story


・「夜間飛行」及び「宗教学たん」から発表があった。「宗教学たん」のメルマガは廃刊するとのこと。
・要するに問題設定から論旨、論述方法、用いる事実の選び方まで全て同じの、かつ劣化コピーをばらまいたということ。
・2002年1月の『現代アラブの社会思想』から一貫してやってきたこと。13年ぶりにこれが繋がったから満を持して本を書いたのである。

(部分引用終)

http://pret.yakan-hiko.com/2015/03/17/


宗教学たん執筆の記事とメルマガ『寝そべり宗教学』について
2015年3月17日


メールマガジン「寝そべり宗教学」および、プレタポルテ掲載の「宗教学たん」記事について盗用等の指摘を受けた件について、読まれていた読者の皆様に不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。
・筆者と編集部で話し合った結果、実名公開はせずメールマガジンを打ち切ることになりました。


*「宗教学たん」からのご説明
・このたびは、「宗教学たん」のメルマガに書かれた内容の件で、池内恵先生をはじめ読者の皆様に大変不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。
池内先生のご著書やブログに書かれている内容を参考に原稿を執筆し、それが「夜間飛行」のプレタポルテおよび「東洋経済オンライン」のサイトに掲載されました。その後、池内先生からFacebook上で剽窃であるとのご指摘を受けました。
・「宗教学たん」のメルマガは当該記事を削除し、打ち切ることにいたします。

(部分引用終)

何だかこの話、昨年の今頃、大騒ぎだったSTAP細胞事件に(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=STAP)、深層心理や背景事情が似ているように思われる。こんないい加減な話は、実名公表で、これからどんどん淘汰されていくべきだ。原著者および読者を馬鹿にするのもいい加減にせよ!
2015年3月19日後記その1:
何だか、気が抜けてきた。この精神的な世代交代、何とかならないか?

http://www.j-cast.com/2015/03/18230726.html


池内恵東大准教授『著書の剽窃記事掲載』と抗議 東洋経済オンライン編集部はコメントせず」
2015/3/18


・過激派組織「イスラム国」についての著書を書いた池内恵(さとし)東大准教授が、文体を変えて著書を引き写すなど剽窃した記事を載せたとして、東洋経済オンライン編集部に抗議していたことが分かった。


池内恵氏は、2015年1月に文春新書から「イスラーム国の衝撃」を出したが、今回は、その著書やブログなどが引き写しの被害に遭ったと訴えた。


・池内氏は、フェイスブックで15日、「コピー商品を発見」と報告した。記事は、著書やブログでの議論に依拠しており、イスラム国に至る組織の沿革はそのまま流用したと訴えた。記事には、池内氏の文献を参照したという記載はなかった。


・池内氏のブログによると、池内氏はこの日、東洋経済オンラインの編集部にメールで抗議をした。すると、編集部からは「至急社内で確認のうえ、しかるべき対応を検討したい」と返信があった。さらに、翌16日には、夜間飛行からの連絡はなかったものの、「宗教学たん」を名乗るポストドクターの日本学術振興会研究員から謝罪のメールが来たという。


・17日になって、夜間飛行のサイト上では、記事についての説明とお詫び文が掲載された。


・メルマガの配信を停止したことを明らかにし、「宗教学たん」が池内氏の著書などを参考にしたことを認めて謝罪した。謝罪文では、具体的な箇所を挙げ、どのように参考にしたかを説明していた。ただ、メルマガを継続するなら筆者の実名を公開するが、今回は打ち切るため、筆者と話し合って公開しないことを決めたとした。メルマガについては、読者に全額を返金するとしている。


・池内氏は、東洋経済オンラインなどの対応に疑問があるとブログで明かした。抗議した池内氏に、編集部から連絡はなく、ライターが書いた記事については直接答える義務がないと考えているのかと不満をぶつけている。夜間飛行については、ライターに責任を押し付けているのかと、疑問を呈した。また、筆者についても、自ら挙げた箇所以外にも剽窃したところがあると指摘している。


日本学術振興会の企画情報課では、「初めて聞いたことで、事実関係を把握していませんので、何も答えることができないです」と取材に話している。

(部分引用終)
「初めて聞いたこと」だって?生きていれば誰だって、毎日が「初めて」なのだ。国民の税金を使って、そういう寝ぼけた戯言を言っていては、最上級中のダメだ。
そして、ふざけた「宗教学たん」については、以下を。

https://twitter.com/shukyogakutan
宗教学たん
@shukyogakutan is blocked
Mar 17
このたびは、「宗教学たん」のメルマガに書かれた内容の件で、池内恵先生をはじめ読者の皆様に大変不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。詳細はプレタポルテをごらんください。http://urx.nu/ix2x

(転載終)
「心よりお詫び」なぞしていない例証が、以下のこれ。

https://twitter.com/shukyogakusis
宗教学たんの妹
@shukyogakusis


宗教学たんの妹だぞ!お姉ちゃんは難しいことばかりつぶやいてるけど、わたしはもっと分かりやすい話をするぞ!ミルチャ・エリアーデ先生は「現代に生きるぼくたちが宗教を理解するためには、いろんな宗教のことを知ったうえで、共通する深みを垣間見ようとしなきゃね!」っておっしゃったんだ!深い理解もまずは基本からってことかな☆

(転載終)
これで女子高生のつもりか?私なぞ、かつての『毎日小学生新聞』を思い出すレベルだ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080208)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20101020)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150126)。いや、1970年代の当時の方が、もっと硬派で真面目だった。

2015年3月19日後記その2:
お粗末話の続き。

http://yakan-hiko.com/shukyogakutan.html
宗教学たん『寝そべり宗教学』


こんにちわー!!宗教学たんだよ(≧∇≦) メルマガをはじめることになりました。すごい!緊張する!でも、みんなが宗教のこと、少しでもよくわかるように一生懸命やってくね。 ねえねえ、宗教がわかると、世界中のいろいろなこと、たとえば経済とか社会と文化とかいろんなことも見えてくるって知ってた? つまり宗教を知るってことは、世界に通じる教養を身につけるってこと!! なんだかすごい!! わくわくするぅ!!


【 料金(税込) 】 648円 / 月 <初回購読時、1ヶ月間無料!!> 【 発行周期 】 月2回発行(第2,第4水曜日配信予定)
【 最新発行日 】 2015年 03月 11日


読者のみなさまへ。ご愛顧ありがとうございました。メルマガ『寝そべり宗教学樹』は、2015年3月11日配信をもって終了致します。


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(転載終)
そして、池内先生からフェイスブック最後通牒

https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi?fref=nf&pnref=story


・私がより重要性の高い業務を中断して対処しなければならなくなることによる損失が計り知れません。


・理解の浅いポスドク特別研究員が引き起こした問題であり、広い意味では専門教育を行う教育者としての責任もあるため、本人の自省を待つ姿勢でいたため、転載を許可していませんでした。


・私が怒っているなどということはなく、ひたすら、迷惑なことを商売にしたり生きがいにしたりする人たちがいるな、としか考えていません。


・私の業務が遅れることによる不利益が大きいため、「相手にしない」「協力もしない」という措置をとりました。


・読者が良識・判断を効かせて淘汰していくしかないようです。


・私が研究をやっていられる制度的条件は、一方で「言論の自由」であり他方で「著作権の保護」なんだから、はっきりさせておくしかない。


・いずれにせよ他人の説を丸ごと語り直して自分のものにするのは実名だろうが匿名だろうが禁止されています。


・実名でないと剽窃を追及されるメカニズムが成立しない。匿名で剽窃をさせるのを許したらもっとダメなのです。


・「夜間飛行」が「メルマガは筆者が発行人だと最初から言ってあるよ」と筆者を置いて逃げたわけです。


・見当外れな加勢が入ったりして問題が長引く


・あとは社会に対してどう責任を取るかということ。私には義理も責任もないが助言もした。


・私の時間と労力とられているが、必要なコストと考えている。ただしこれ以上は割けない。

(部分引用終)
ブログ上でも池内先生のご叱責。

http://chutoislam.blog.fc2.com/blog-entry-286.html


・コピペ文化に染まった書き手がウェブに多くおり、一定の読み手もいるようですが、それらは表の世界の陽の光に当たれば萎んでしまう切り花のようなものと心得てください

(部分引用終)
「怒っていない」というのは、池内先生ご本人がおっしゃっていることであっても、私のような外部の一読者には、やはり原著者の池内先生に対して失礼だという意味で、「怒っている」と表現させていただくしかない。そのようにご理解いただきたい。