ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

植民地統治を再解釈する

軍政時代のマラヤとその影響については、現地体験から地元の人々の生の声をいろいろと聞き、過去にある程度は英語と日本語の各種書籍で勉強し、研究の立場から当時の文献資料をマレーシアとシンガポールアメリカと日本の図書館などで調べもしました。基本的に、華人虐殺行為は誤りだったのみならず、戦後の対日感情に悪影響を及ぼしたということ、現地感情は日本よりも英国に好意的だったこと、複雑な民族関係をむしろ悪化させたのが日本軍政だったこと、しかし、個人レベルでは友好的な協力関係も皆無ではなかったこと、戦後の日本は相当の経済技術援助をマレーシアに対して行い(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20130109)、外交上は良好な関係を維持してきた、というのが私の現在までの一応の結論です。
韓国語は二十代の頃、6年間ほど基本を学んだのみで、高校で履修し、共通一次の受験科目だった日本史と世界史による知識以外に、韓国史は知りません。いわゆる「韓流ドラマ」も一度も見たことがありません。暇がなく、あまり趣味に合わないから....。
概して植民地支配というものは、地域や時代により、支配者の対処法により、現地の人々の受け止め方により、相当の濃淡があるので、一概に駄目だとか善だとか、どちらが勝者だの敗者だのと決めつけるのも、単純過ぎる見方だと思います。もし、「フェア」だった日本の朝鮮統治という解釈を韓国人の主流が受け入れるとすれば、現在の緊張した関係は大幅に変化せざるを得ないでしょう。
以下は、最近の櫻井よしこ氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131024)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131025)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131027)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131105)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131113)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131121)のインタビュー記事からの部分抜粋です。

http://yoshiko-sakurai.jp/2013/11/21/5001
2013.11.21 (木) 「韓国人が目を背ける「フェアだった日本の朝鮮統治」」
週刊新潮』 2013年11月21日号
日本ルネッサンス 拡大版 第583回
対談 ジョージ・アキタ ハワイ大学名誉教授 × 櫻井よしこ
韓国は「反日」の国際世論作りに躍起だ。日本の朝鮮統治の評価を見直す研究を続けてきたハワイ大学マノア校名誉教授のジョージ・アキタ氏(87)とジャーナリストの櫻井よしこ氏が、日本の「公正さ」を語る。
アキタ:朴大統領は一方的に日本を批判していますが、いい加減にしなさいと言いたい。なぜなら、日本の朝鮮統治ほど「フェア」な植民地運営はなかったのですから。
近代日本政治史研究の権威として知られるアキタ氏は、ハワイ生まれの日系2世。ハワイ大学卒業の櫻井氏の恩師でもある。「国軍の父」と称され、植民地政策の「礎」を築いた元老・山縣有朋の研究を30年以上にわたって続け、朝鮮統治に関する分析も10年超に及ぶ。35年間に及んだ日本の統治の公正さだった。
アキタ: そう、笑いながら答え、楽しそうに話していた。日本の植民地時代の話をしているにも拘らず、笑顔で当時を振り返ったというんです。
櫻井: 日本統治を批判する人々が書いたものの中にさえ、日本統治下の生活は楽しかったという事実が描かれていたわけです。ワシントン大学の童元摸教授ですら、日本統治はある程度、フェアだと認めていると、先生の著作には書かれています。
日本の国柄
アキタ: いかに日本の朝鮮統治がフェアだったか。列強と言われた国々は、例えば米国はフィリピンを、英国はインドを、フランスはベトナムをといった具合に植民地支配していました。これらの支配と、日本の朝鮮統治を比較して考えなければ、それこそフェアではありません。
アキタ: 一方、日本の朝鮮統治はどうだったか。1941年に朝鮮で公開された親日映画に『志願兵』というものがあります。この映画の中では、朝鮮の人々は伝統的な民族衣装で登場し、朝鮮語を話している。
アキタ: そう、日本人は穏やかなんです。国歌を聴けば分かりますよ。「君が代」のなんと穏やかなことか。
大津事件と朝鮮統治
アキタ: 朝鮮人を「下」に見るのではなく、「同僚」だと考えていた。日韓併合翌年の1911年、植民地政策に影響力を持っていた内務大臣の原敬はこう述べています。日本語能力が十分なレベルに達した暁には、朝鮮人は朝鮮における府県の行政に参画させることが望ましく、朝鮮人議員が将来、帝国議会に進出することは何の問題もないと。
櫻井: 朝鮮総督(1916〜19年)を務めた長谷川好道も、貴族院選挙で朝鮮人投票権を与えよ、と言っています。先生の著作によれば、〈当時、日本在住の朝鮮人男子は年齢と住居に関する必要条件を満たしてさえいれば、投票権を有し〉、1930年以降は〈朝鮮人有権者はハングルで投票用紙に記入することが認められ〉、朝鮮の人々が日本の公職に就くことも許されていた。
アキタ: 長谷川の後を受けた斎藤実総督(1919〜27年)も、ハングルの新聞や雑誌の発行を許可しています。
アキタ: この数字は、逆に日本の朝鮮統治が極めて民主的だった証左と言えるでしょう。朝鮮人が自分たちの気持ちを正直に告白しても、身の危険がなかったことを意味しますからね。
櫻井: こうした世論調査を受けて、なお時の日本政府は朝鮮人を弾圧するのではなく、より彼らの心情を反映するような政策を行い、日本の朝鮮統治を支持してもらおう、ともに歩んで行こうとの方針を選んだ。先にも触れましたが、これは日本の国柄、価値観に由来していると思います。
アキタ: 大津事件から約20年後に始まった朝鮮統治にもこうした精神が受け継がれ、公正さや穏健さに基づいた植民地政策が行われました。この点を、「日本問題のスペシャリスト」と言われる著名なオランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏は見誤っています。
櫻井: ウォルフレン氏だけでなく、ジョン・ダワー氏(マサチューセッツ工科大学教授)、ハーバート・ノーマン氏(カナダの元外交官)らが、事実を見ずに「日本悪玉論」を世界に発信し続けてきました。
アキタ: 例えばダワー氏には、ベトナム戦争がトラウマになっている面があると思います。ベトナム戦争の失敗を受けて戦争反対、軍事反対と。でも、根本はやはり通説を信じ込んでいる。歴史を調べれば日本がフェアであることが分かります。陶器も仏教も朝鮮半島を通じて日本に伝わってきた。そのため、日本人は朝鮮の文化を尊重してきました。さまざまな文化を受け取った、ありがとう、と。この寛容な精神が日本人の強さだと私は思います。一方で、朝鮮半島の人々は、「文化は私たちが与えたのに、なぜ征服したのか」と怒っているわけですが……。とにかく、日本は文化を継承し、それを改善することにかけては天才的です。
櫻井: それは、日本人が優しいからだと思います。この技術を使う人に喜んでもらいたい、人の役に立ちたいという思いから、最高の気配りで技術を改良する。
アキタ: ウイスキーでもワインでも、最近、日本のものが世界で最高評価を受けています。レクサスも、時計もカメラも、みんなそう。だから、日本人はもっと自信を持つべきです。
日本人自らの手で憲法
櫻井: 一方で、先生は日本の朝鮮統治を、手放しで礼讃されているわけではありません。統治の運営がフェアだったとはいえ、植民地支配自体は間違っていたと。ここに、私は先生自身のフェアネスを感じます。私も、いかに優れた統治だとしても、基本的にその国の統治はその国の人が行うべきだと考えます。たとえ、それが失敗に終わっても。
櫻井: もちろん、日本には日本の理屈がありました。当時、清やロシアが朝鮮半島を支配したら、即ち我が国の安全保障を危うくする。日本の存立を脅かす事態になるのを防ぐために、日清戦争日露戦争を経て、朝鮮統治に乗り出した。すべて日本国を守るためです。
アキタ: 今の日本の憲法は、「マッカーサー改革」を基礎にしているからです。どこの国でも、憲法はその国の根幹。人々の文化、歴史、価値観、アイデンティティに基づいたものでなければなりません。それを、他の国が与えるべきではない。日本の憲法は、日本人が決めるべきなんです。
櫻井: 25年ほど前から、ハーバード大学でもジョージタウン大学でも、「日本は沈没していくばかり。だから、日本研究をする学生は減っている。これからは中国だ」と言われ続けてきました。しかし、見てください。自由を阻害し、人権を侵害して、国際法を守らない─21世紀版の中華思想帝国主義思想を持つ中国に対して、「おかしい」という声が世界中から上がり始めている。他方、日本は中国とは全然違うとの評価が確立されつつある。
櫻井: そのような韓国の教科書における、日本にとって前向きの検証は、ソウル大学教授の李栄薫氏が始めたものです。氏は、李氏朝鮮が経済的危機を克服できなかったために日本に植民地として併合された、日本の公正さにも目を向けるべきではないかとの主旨の指摘をし、抗議が殺到して土下座させられるという耐え難い体験を乗りこえて正論を書き続けている学者です。
ステレオタイプの日本非難
アキタ: 下院で演説した。そこで、日本の歴史認識を批判。彼女は英語が上手だから、どんどん「反日」思想を国際的に発信している。日本の総理大臣も、もっと英語を話さなければいけません。
櫻井: 歴史認識問題を含めて、米国のオバマ政権が韓国よりも日本に対して厳しいのはなぜなのか。オバマ大統領は極めて左翼リベラル的な価値観の持ち主だと思うんです。弁護士時代、上院議員になる前の彼の人脈には、極左に近い人たちとの繋がりさえ指摘されています。したがって、ステレオタイプの日本非難の視点をもともと身につけており、結果、歴史問題においては日本に厳しい姿勢がにじみ出てしまうのではないでしょうか。
アキタ: イスラエルの代表的作家で評論家のアモス・オズ氏の言葉を借りて、私は著作をこう締めくくっています。日本の朝鮮統治は、〈「九分どおり公平(almost fair)」だったと判断されてもよいのではないか〉と。
(部分抜粋の引用終)