ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

真剣勝負の番組を願います

http://www.nezu.ms/tubuyaki.html


4.7


 新年度の放送が始まり、クラシック音楽館という2時間枠の番組が始まりました。今日は今年1月のB定期です。以前のN響アワーは1時間枠だったので、1つの定期を全部カバー出来ませんでした。でも今度は2時間枠なので、これなら全部楽しめます。今までこういう企画がなかったのが不思議なくらいです。今はプロ後半のブラームスのピアノ協奏曲の4楽章の終わりです。エレーヌ・グリモーさんのソロ、そしてデヴィッド・ジンマンさんの指揮が素晴らしいです。
 今までしゃべりと演奏のどちらが主役なのか分からない番組構成でしたが、今回は演奏が主役で、とても落ち着いて見られました。」
(引用終)

久しぶりにN響ヴァイオリン奏者の根津昭義先生のブログです(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070727)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070729)。毎日のように拝読していますが、根津先生から、これまで何度か個人的にメールも頂戴いたしました。教育者家系でいらっしゃるようで、とても親切な先生です。同じNHK所属だからなのか、媚びることのない内部からの主張がはっきり出ているところが、根津先生のブログの魅力です。
以上の記述は、まさに私も同感。昨年度の『ら・ら・ら』は(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120423)、何を伝えたいのかわからないような、作曲家なのか小説家なのかタレントなのか、最後まで曖昧だった中途半端な司会のお二人と、せっかくの豪華ゲストにもかかわらず、やはり中途半端な語りでしたので、ついでに演奏まで中途半端な放映になっていて、見る方もつい、徐々にやる気が失せてしまっていました。それに、他のオーケストラも公平に紹介して欲しいという視聴者からの意見を生半可に取り入れてしまったのか、(だから何なの?)という番組になっていました。結局は、受信料を払って視聴する半官半民のNHKが放送するのだから、日本では最高のオケであるN響が中心になるのは当然のことなのに、左派思想が相当強くなってきたとされるNHK、ついに伝統を重んじるクラシック音楽までも破壊の道を着々とか、とがっかりしていました。
堅苦しく敷居が高いと一般に言われるクラシック音楽のファンの裾野を広げたいという意図はわからなくもありませんが、だからといって、やる気があるのかないのかはっきりしないちょっと美人なだけの女優さん(と呼べたのか?)や、気さくさを売り物にしているかのような正体不明の作曲家あるいは小説家(と呼べるのか?)が出て来て、中途半端な解説をするのは、決して裾野を広げることにはならないのではないか、と思います。
しばらく前に、BBCの公開録音を聴いていたら、超一流の指揮者が、一般の子ども達に向けて、全く手加減せずに、真剣勝負でプロコフィエフの曲を説明していました。英語でしたが、あまりの真剣さに、こちらまでつい作業の手を休めて引き込まれてしまった次第。このように、普通の子ども向けであっても、なまじ「子どもの目線で」「子どもの自主性に任せて」などと甘っちょろいことを真に受けているようでは、本当の教育ではないのです。
二時間番組になったのは、数年前までの『芸術劇場』を思えば、短いぐらいです。そして、『ら・ら・ら』の方は土曜日に移ることになりましたが、やったぁ!30分番組に縮小されていました。余計なお喋りをやめて、もっと曲に集中していただければと思います。アナウンサーでさえ、曲の紹介は不要だと思います。ただ、字幕で必要なことだけ流してくだされば充分。その分、アンコールも含めて音楽に少しでも多くの時間を当てていただきたい。後はこちらで自由に聴きますから。「押しつけはいけない」と言うのであれば、こういう基本中の基本で、感動や余計なお喋りを押しつけているのは、むしろ放送局の方ではないでしょうか。