ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

東欧ユダヤ系の独創性に触れる

昨晩は、ギドン・クレーメル&クレメラータ・バルティカの演奏会で、久しぶりに西宮へ。
クレーメル氏にお目もじするのは、早くもこれで3回目です(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080923)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110411)。ドイツ語からの邦訳著作を3冊読んだ経験は(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080926)、今にして思えば非常に貴重で、音楽のみならず、旧ソ連からのギリギリの亡命成功と資本主義社会での自由な音楽活動および経済次元での困惑などを具体的に知ることができ、東欧系ユダヤ人の系譜に連なるダニエル・パイプス先生との交流との関連から、改めて興味深く思っています。
そもそも、多くのユダヤ系のクラシック音楽家(作曲家と演奏家)に子どもの頃から深く惹かれ、関心を持っていたからこそ、今年1月中旬になって突如、連絡を取り合う間柄になったパイプス先生とも(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120114)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120115)、研究上の接点や理論的方法論のみならず、個人的にも惹きつけられたのだろうと思います。そして、だからこそ、パイプス先生の方にしても、今頃になってなぜと不思議でもありますが、ぶっきらぼうな調子ながらも私を親切に扱ってくださるのだろう、と。
そのパイプス先生ですが、この忙しい時期に至っても、いつの間に書き上げるのか、精力的にあれこれと集めておいた資料を元に、さまざまなテーマで盛んに文章化されています。10月30日には、訳者達宛のメールで「リストをブログに掲載したので、どれを訳すかの導きにするように」とわざわざ連絡がありました。10月28日付のウェブサイトでは、「求められたので、自分にとって最もオリジナルでベストあるいはお気に入りの原稿を集めました」という説明書きがあり、短いもの12本、長いもの15本の計27本の題目が並べられていますが(http://www.danielpipes.org/blog/2012/10/bibliography-my-favorite-writings)、私は既に全部、目を通していました。その中の1本は日本語の拙訳がありますし(http://www.danielpipes.org/11975/)、実は大半の原稿が既に、多くて20言語、最低でもフランス語には訳されています。全く訳文のない原稿は4本のみで、それは非常に長い論文のため、作業中なのかもしれません。
というわけで、(「導きにするように」って、もう訳者は自分で率先して作業しているのに)と思い、そのメールにも笑ってしまったというのか、(すごい胆力と気力で、怖いもの知らずでないと、物を書いて食べていけないんだわ)と改めて痛感した次第。でも、パイプス先生については、最近ますます敬意が高まり、言論活動の全般において理解がぐっと深まりつつあります。というのは、1970年代や80年代の頃の論文を見ていると、たとえ厳しくて激しい論調で、周囲からは孤立していたとしても、今から思えば、実に先見の明があり、主張の明快さと同時に的確さと予見性に触れることができるからです。

久しぶりに、ツィッターからの転載を。

https://twitter.com/itunalily65


2m Lily‏@itunalily65
Canticle of the Sun ~ Sofia Gubaidulina (http://www.amazon.co.jp/dp/B0066LS9Q4/ref=cm_sw_r_tw_dp_e9tKqb04RW07Y …) I bought it at Gidon Kremer's concert last night.


30m Lily‏@itunalily65
プロコフィエフ:ヴァイオリンソナタ第1番&第2番 ~ クレーメル(ギドン) (http://www.amazon.co.jp/dp/B000EMH886/ref=cm_sw_r_tw_dp_dLtKqb0R1K7TW …)を西宮の兵庫県立芸術文化センターで買いました。


午後7時開始で、途中休憩20分をはさんでアンコール計2曲を含めて、9時15分には終了。叫び声の混じった大拍手の後は、サイン会もなく、平日ということもあり、あっさりとお客さんは帰って行かれました。バルコニー席2階は少し空席があったものの、全体として9割強は席を満たすという盛況ぶり。
私はと言えば、午後2時過ぎまでインターネットと格闘した後、4ヶ月ぶりに美容院へ行って、カットと毛染め。買い物をして自宅に戻り、即座にスーツに着替えて、急いでコンサート・ホールへ。開演5分前には着席。我ながら実に効率良く行動することができました。