ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

雑感あれこれ

随分前のことですが、ある元留学生のマレーシア華人から、突然電話がかかってきました。「ベトナムでビジネスをしたいんですが、ベトナムを研究している大学教授をぜひ紹介していただけませんか」。
当然のことながら、丁重にお断りしました。第一、ベトナムの専門ではないし、大学の研究者を自分のビジネスに利用しようとする考え方が、そもそも気に入りません。
こういうタイプは、たとえ日本の一流私立大学を出ていたとしても、残念ながら、本当の意味では日本社会を理解していないのではないか、と思われます。あるいは、本国ではそういうやり方が通用していたのでしょうか。
あまりこういう頼み事を受けたことがないので、これがどの程度稀なのかはわかりませんが、正直なところ、嫌だなあ、と感じざるを得ませんでした。ナイーブな善意だけでは国際交流ができないこと、してはならないことの一事例でもあります。
また、何年も前に、あるシンガポール華人から、私の主人の病名を聞いて、よく効く薬草がある、と早速ビジネスを持ちかけられたことがあります。知り合いのご主人という関係だったので、勧められて本だけは買ってみたのものの、効果がなさそうなのでやめました。すぐに向こうも気づいたらしく、おとなしく引っ込んでくれましたが、この一件だけで済み、幸いでした。
相互理解だとか交流の大切さだとか、いろいろ言われますけれども、こういう時には、毅然としなければなりません。おかしいと思ったらすぐに断ち切ることです。
これまでの経験では、この二件だけでしたが、もっと接触を広げたら、そういう事例が増えるのでしょうか。それとも、こちらがガードを固めておけば、そもそも話の方が寄って来ないのでしょうか。
かつてマラヤ大学の指導教官から厳しく教えられたこととして、リサーチをする以上、こちら側の情報を与えないこと、という姿勢がありました。「それは放っておきなさい」「それ以上は言わなくてもいい」などと、よく言われました。ただし、それも場合によりけりです。こちらが口が堅いのに、相手から知ろうとするばかりでは、うまくバランスのとれた情報が得られるとも限りません。
一番楽なのは、文献調査です。そして、オフィシャルでフォーマルな会合で交流することです。また、当該社会では、自国で自分が所属する階層や趣向にほぼ相当する人々との付き合いが、最も落ちついて交際できると思います。あまり差があり過ぎるのは、結婚と同じで、長くはもたないような気もします。