ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

できたよ できたよ

「おまえ ひとりでぱんつ はけたのかい」(『うさこちゃんとうみ』)
ふわふわさんことお父さんのことばかけがいいですね。驚いているのです。お母さんなら「まあ、うさこちゃん、ひとりでよくできたわね」とか何とか言っているのでは?
そして、誇らしげにおすまし顔で首を少しだけかしげ、両腕を後ろに回して直立不動のうさこちゃん。「できたよ、できたよ」と言わんばかりに…。(歌うシーン以外は口が決して開かないのが、ブルーナおじさんの手法です。)
え?女の子なのに、どうして赤い海水パンツだけ?水着じゃないの?それとも、子ども用ビキニの上を忘れたの?
…と、思ったのですが、そこはまだちっちゃなうさこちゃんだから、いいのです。
それよりも大事なことは、このことばが発せられるまでに、しばらく「ぱんつ」と格闘したであろううさこちゃんの時間。片足がうまく上がらなくてステンと転んだり、足がちゃんと穴にはまらなかったり、前後ろを反対にしてしまって、途中で気づいてやり直したり。ゴム入りの部分をおなかまで上げるのも、ひと苦労したでしょう。でも、海に連れて来てもらって、これから始まろうとする新しい経験にわくわくしているので、いっしょうけんめい「ぱんつ」に替えるのです。
その間、お父さんは何をしていたのでしょうか。だまって見ていたのか、見ないふりをして海をながめていたのか、それとも、自分も着替えに必死になっていたのか?(←汗でね)
テレビのお話でも、お父さんと二人だけで海に来たことがありますが、なんと、ミッフィーは絵本を取り出して、海岸で読み始めるんですね。日差しが強いので、パラソルの中に入るようにお父さんに促され、陰にちょこんと座りこんで本を広げていたら、風でパラソルが壊れてしまって…。しかたなく、バスタオルをかぶって読もうとしたところ、風が吹いて来て、またもや飛ばされてしまったんです。追っかけて行っても、タオルの方が先に飛んで行ってしまい、小さくため息をついてあきらめたミッフィー。お父さんは、決して手伝おうとはしないんです、テレビでも。

「でも、うさこは ちいさすぎるんじゃないかね」
「ちいさすぎる?どうして?わたし、もう おおきいよ」
(『うさこちゃん びじゅつかんへいく』)
このやりとりも、いかにも子どもらしさがよく出ています。おとなが出かけるのであろう「びじゅつかん」に自分も行ってみたいから、「わたし、もうおおきいよ」とがんばったのですね。はい、でもこれはお父さんの事前の対策でもありました。
・人が集まって静かに作品を見る所だから、走り回って騒がないこと。
・マナーをしっかり守ること。
・帰る時間を決めておくこと。
守れるかな?大丈夫かな?というお父さんの心配顔。これが、2ページ目に描かれています。美術館行きを提案したお母さんの方は、出てきません。しばらく、うさこちゃんとお父さんの間でやりとりがあり、合意ができたので…。
「よかった!うさこちゃんも いっしょに いけることになりました。」
早く、ブルーナ氏の本が届かないかなあって、楽しみにしています。このように、興味を持ったことに対して、まっすぐになれる時間が与えられたことを、とてもうれしく思います。強制されたり、義務感からでは、肝心の理解すらできませんからね。

では、今日もこれから民博図書室へ行ってマイクロフィルムと格闘してきます!主人の誕生日でもあるので、帰りはおいしいケーキとワインを買ってくるつもりです。