ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

これからも....

多分これで最後になるかと思いますが、ツィッターhttps://twitter.com/#!/itunalily65)からの転載です。
itunalily65Lily
22 January 2012
・なんとまた、パイプス氏からメールが届いた。「仲良くなったもんだねぇ」と主人が笑っている。一人で先走らないよう、とりあえず、アメリ東海岸に4年間の滞在経験を持つ、一社会人としての理系の主人を相談相手、ないしは報告相手にしている。というのは、私は英国風の英語が好きだが、主人は..。
1 hour ago
←(後注:主人が常々言っていることがある。昔から、欧州はともかくとして、あまり米国に興味関心もなかった私は、アメリカにしばらく住むならば、当然のことながら、西海岸の日系人の多い場所なのだろうと思い込んでいた。興味関心がなかった理由は、別に自分が必死にならなくたって、溢れるほどの情報が流れ込んでくるし、アメリカ通の人も多いし、何と言っても国土が広過ぎて、真面目に勉強するには負担が大きいと見ていたからだ。ところが、主人に言わせれば、「いや、在米日本人と交際するにしても、勉強するにしても、東海岸の方が、絶対向いているよ」と。だから、人生行路を間違えたと思うのだ。今回も、ダニエル・パイプス氏のような著名な学者で、タカ派だとか言われている共和党支持者が、面識もない一介の平凡な極東人女性に対して、こんなに時間を割いて、親身に相手をしてくださる方だとは、予想もしていなかった。ブログやツィッターに公表してきたのは、これは是非とも、彼に対する一部の日本人の「偏見」(これこそ偏見の最たるものである!)に対する危機感を察知したからである。もちろん、一切、パイプス氏からの根回しもなければ、イスラエルプロパガンダでも、在米ユダヤロビー団体の差し回しもない。これはくどいほど、断言できる。)

・「そんな表現、いくらエリートだって言っても、アメリカ人には通じないよ」と、平然としているのである。そのため、このごろ、英国綴りと米国綴りが混同してしまい、自分でも見苦しく感じている。マレーシアで好きだったのは、貴族制度があり、王族の敬称が日本と似ていることだった。英国もまた同じ。
1 hour ago
・やはり、こればかりは、歴史の長い国と、移民で形成された歴史の浅い実験国家との相違だろう。この点だけは、私は深い誇りを抱いている。もっとも、ユダヤ教の歴史を持ち出されたら、かなわないが。ところで、パイプス氏が、「正論な」のに非難されがちなのはどうしてなのか、だんだんわかってきた。
1 hour ago
・この点が、恐らくは、日本の研究者の間でエスポジト教授に軍配が上がる理由だろう。それは、ヒューマニティーの面だ。エスポジト教授の日本理解がどの程度なのか不明だが、少なくとも表面的には、受けがいいのだ。冗談も多く、人を笑わせる技に長けている。パイプス氏は、あまりにも学究的過ぎるのだ。
1 hour ago
←(後注:もちろん、イデオロギー上の対立の問題はここで指摘するまでもない。私は、ユダヤの知恵に倣って、小さな私なりの独創性を発揮したい。)

・以前にも書いたように、You Tubeの映像では、相当の自負心とエリート意識が見え隠れしている。話し方も、もともと数学専攻を考えていただけあってか、理路整然として、立て板に水、なのだ。その一方で、指をいじったり、何かあると結婚指輪を触っていたりする。つまり、かなり神経質だと見た。
1 hour ago
・南メソディスト大学のロバート・ハント先生の最近のエッセイにも、こうあった。「自分は特に、ダニエル・パイプスが好きというわけではないが、少なくとも彼は、嘘は言っていない。彼がシャリーア法導入に恐怖心を感じているのは、合理的であり、それはイスラモ・フォビアとは呼べない」と。
1 hour ago
←(後注:数多く登場する「ハント先生」に関しては、2011年12月17日付「ユーリの部屋」(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111217)を参照のこと。そして、「最近のエッセイ」は次をどうぞ。(http://experts.patheos.com/expert/roberthunt/2011/06/25/daniel-pipes-an-islamophobe-really-really/))

・これが的を得ていると感じたのは、ハント先生の、いかにも南部出身者らしい、人のよさそうなおじさま風の気さくさとは、好対照だからだ。近づき易さが全然違う。ハント先生のフェイスブックを見ていても、いかにも楽しそうなのだ。友人リストも多く、例えば、教授会の内容に文句を書いては.....。
1 hour ago
・何やら同世代の白人女性の友達から、注意されている。「あんまり、フェイスブックばかりやってたら、駄目じゃないの」などと。サラワク出身の福州華人の奥さまから見たら、気が気じゃないだろうに、「だって、これがないと仕事にならないんだもん」と、平気で書き返しているハント先生。
1 hour ago
・このお人よしのところが、恐らくは、マレーシアでの宣教師経験もうまくいった秘訣なのだろうし、楽しげで、私でさえ、気安く何でも相談できると感じられるのだ。そのハント先生が、パイプス氏の正論を認めて、氏の恐怖心を擁護しつつも、「特に好きというわけではないが」と、わざわざ加えている。
49 minutes ago
・もちろん、ダラスでもCAIRが活動しているので、読者に警戒してのことでもあろう。ただし、人柄やタイプが全く異なる。私は、自分で勉強を続けることが好きで、学究的なタイプを素直に尊敬しているので、パイプス氏とつながりができて喜んでいるが、どうして非難されるのかだけは、気になっていた。
49 minutes ago
・私の限られた印象では、アメリカでは、本音はともかく、外見は少なくとも気さくでニコニコしている方が好かれるし、仕事も家庭もうまくいくようだ。ハント先生が私をどう思っていらっしゃるのかわからないが、いつでもお返事は迅速で、親切で、的を得ている。さすがは、アジア人の奥様を見染め...
46 minutes ago
・られただけのことはある、と感じていた。つまり、人間社会というのは、理屈や正論だけでは通らないことがある、という現実。「あの人は学者だ」という表現には、ネガティヴな含みがあるということを知らずに、「私は学者です」と公言すると、何か滑稽な感じがするのだろう。多分、ムスリムも...。
44 minutes ago
・あまりにも事実をはっきり表現し過ぎるパイプス氏に、いらいらしたり、煙たく感じたりしていることが、あるいは、あるのかもしれない。日本の対イスラエル観についても、驚いたのは、いわゆる草の根レベルでの観察が不足しているのだ。草の根と言っても、教養層も含む。だから、ちょっと驚いた。
40 minutes ago
・そのような観察で、イスラエルアラブ諸国に対する米国の政策を、専門家として立案していたのであれば、それはどこか軋みを生ずるのではないだろうか。外交官ではないから、仕方がないとしても、私の目から見ても、少しずれている点が今回発見できた。メールを集中して交換したから、わかったことだ。
38 minutes ago
・少なくとも、マレーシアに関する研究発表で、毎回、なぜ、心理的な抵抗感や不必要な疲労感を覚えていたのか、この度、思いがけず、ダニエル・パイプス氏とお仲間先生方の書かれている著作から、重要なヒントが与えられた。その意味で、パイプス氏には、心から感謝しているし、今後も....。
31 minutes ago
・何かあった時、メール通信での交流をお許しいただけるならば、幸甚に思う。そして、いつまでも、超ご多忙の中で、ご健康と身の安全が守られるよう、ささやかなる祈りのうちに覚え、詩編121章6節を唱えたい。「エルサレムの平和のために祈れ」と。
17 minutes ago
(転載終)

上記に3点、付け加えますと...
1. れっきとした理由があってのことなのに、「イスラーム恐怖症」だと安易なレッテル付けをして相手を黙らせることは、かえって問題を複雑化させ、深化させてしまう。だから、表面的には落ち着いているようでも、本当は大変に恐ろしがっているダニエル・パイプス氏その他を、学術的な根拠の説明なしに、名指しで否定的に言及したエスポジト教授には、繰り返しになるが、相当な人的責任があるということが、今回の一連のやり取り及び自分なりの考察で、よくわかった。
2.マレーシアのもう一人の広東系牧師の友人が、「アメリカで、イスラームに関する論考を提出しようとするなら、自分は待ったをかける。英国人の方が、植民地経験があるので、まだ扱い方をよく知っている」と、しばらく前に書き送ってくれた。その背景が、今回、よくわかった。
3.ただし、一般市民としての私にとっては、ダニエル・パイプス氏が30代の頃、3ヶ月の滞日期間中に出会った日本の官僚および専門家達の態度のうちに、「イスラエルに対する敵意の壁」を感じ取っていたという事実は、看過できない。僭越ではあるが、それは専ら、外務省などの采配不足によるものであろう。しかし、そのお蔭で、私のような一介の日本市民に対する認識が変わったのであるとするならば、今回の出会いに貴重な意味が含まれていたということになる。

PS: 「ダニエル・パイプス」氏に関する私の一連の考察経過を時系列に反映した本ブログの記録。

http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090404
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20111221
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120113
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120114
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120115
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120120
http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120122

一刻も早く中東情勢が落ち着いて、また楽しい日本/日本人論を書いてくださる日を心待ちにしていますよ、パイプス先生!
(終)