ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

番外編: 副大臣の報告会 

昨日は、ご近所で現職某副大臣の報告を聞いてきました。私の住む地域が選挙区で、地盤や世襲や資金拠出団体とは無関係に、どちらかと言えば個人の知名度で国会議員になり、過去、国会発言でも不祥事でも、何かとマスコミで有名になった方です。
他に適当な候補者がいなかったために、投票用紙にお名前を書いたことはありますが、特に支持する政党ではありませんし、報告会などに出たのは初めて。ただ、個人として見た場合、飾りっ気がなく、いつも前向きで明るくて爽やかな方で、一目お会いすれば、元気パワーが伝わってくるようなタイプです。ご本人がおっしゃるには、それほど恵まれた生育環境ではなかったとのことですが(←実のところ、そうとは思えず。附属高校など、いい学校を出ていらっしゃいます)、学生時代から、自分の考えで新しいプロジェクトを立ち上げて、海外へもどんどん行動していかれたような活動家です。
一時間半の報告会で、「昨年の今頃は野党だったのに、今は与党で副大臣になったけど、私は変わってない」と最後に言い切り。ただ、私の受けた印象では、話し方にぐっと落ち着きが出て、発言に責任感が伴い、昔のようにワアワア騒いでいるような感じはなくなりました。それと、もともと背の高い方なのですが、足が結構長くて、スタイルのいい人なんだなあ、と変なところで新発見しました。
でも、せっかくなのに、会議室にはおなじみの顔ぶれらしい40数名しか集まらず。(ただし、中には背広姿も3名ほど。)子育て中の若い人々はゼロ。全体として白髪頭のおじさんやおばさん達が目立ち、年齢的にも私がもしかしたら一番若かったかな、という...。客層としても、雰囲気から私はどこか「場違い」で、(あれ?こういう人も?)という表情をされました。昨今の政権支持率の低下を反映しているのかとも思いましたが、人が注目する全盛期にではなく、こういう時にこそ、その人を見極めて学ぼう、というのが私なりの持論です。
政権交代して何が変わったか、そして内閣の現状と課題は何か、というのが報告会の趣旨でしたが、基本的には新聞を読んでいればわかるような内容ばかりで、特に「副大臣の話はやはり違う!」ということはなかったです。ただ、さすがに場慣れしていて、どこでも誰にでも、おもしろくわかりやすくという話術には長けていらして、その点では勉強になり、楽しめました。
「ちょっとしたことが、わぁ〜とニュースになるけど、中にいるのと随分違う。あまり振り回されずに、一つ一つ足もとから変えていく。今はチャラチャラとテレビに出ないで、黙々と仕事する」「とにかく今は、何言われても忍耐。見えないところで、仕事しよう」という方針で、「朝6時45分から副大臣会議、8時からも会議、その後9時から委員会」というようなスケジュールのようです。「コーヒー三杯ぐらい飲んで、シュークリーム食べていかんと」と笑っていました。(←なんでそこでシュークリームなのか?)
会議が多いのは、事務次官会議をやめて官僚に任せなくなったためだそうで、非常に多忙になった模様です。「私、朝寝坊したいというのが望み」とも笑っていました。
地球温暖化問題については、「マイナス25%を勇気持って入れよう」「経済界の抵抗があるけれど、官邸に集まって、副大臣、最後は怒鳴り合いの議論になった」「工夫次第でCO2は減らせる」ときっぱり。「でけへん理由おっしゃった。さすがやなあ。だから私、『どうやったらできるかを、先に10考えて』と言ったんです」「経団連が敵。何とかして、と言うけれど、イギリスで失敗してるねん」「これで鳩山さんのー25までおかしい、と言われたらどうするんですか。見せかけの仕組みならいくらでも作れるけど」などなど。
ニュースで、連立三党が揉めている、と言われていることについても、「そりゃ揉めてますよ、連立やもん。揉めんかったら、一つの政党になればいい。賛成反対あって当然。そこがいいと思ってます」。
政権交代したからこそ、以前は葬り去られていたことが実現しつつあるという幾つかの事例報告の後、ある市民集会で講師をしていたら、従来なら足を運ぶこともなかったであろうお役所のお偉方数名が、「勉強させてもらいます」「こんな役人みたいな格好ですんません」と言って出席したとも。これらを「静かな革命」と呼び、「やっぱり変わったね、と見てもらえることを信じて働いております」。
肝心の課題は、「何十年も続いた後を引き継いだので、予想以上に抵抗があり、難しい」こと。政権内でも、「古い体質と新しい体質がごっちゃになってる」「ものすごく排他的で保守的な人もいれば、リベラルもあり」。締めとしては、「政権交代があってよかったと思う。今はしんどい時だけど、吹き出物が、ある日ポロリと落ちるように、過渡期を経れば『日本は変わったね』と言われるようになるだろう」との見通し。
その後は、府議会や町議会や党の立候補予定のお話や紹介。いずれも「女性」ばかり、という特徴で、「データ出せ!有権者が判断する、決定権は有権者にあり」という府会議員の激励や、上記副大臣が「私が議員になりたての頃、会合にも3人しか来てもらえなかった中で、友達になったのが今の町会議員の○○さん」など、女性のパワーやネットワークの強さを見せつけられたような感じでした。
時間の関係で、休憩なしで質問用紙を回収。私は、初めてでもあり、聞いてみたいことはいろいろあったのですが、遠慮しました。
案外、用紙を提出する人が多い割には、何だか小学生みたいな質問も....。でも、テキパキと手際よく、回答されました。
1.国政より府政が心配。知事に掻き回されているのでは? A:今、府会議員さんが言われた通り。
2.民社党はどうなったんですか。 A:民社党はつぶれてないんですけど(笑)。どうなるかわからない。政界再編も含めてわからない。
3.亀井大臣をどう思いますか。 A:個性のある人。学生時代に活動していた頃から、運輸大臣していた亀井さんを存じ上げていた。曲げへん。議論する時は、余程腹据えないと。胆力お持ち。
4.高級官僚の仕事は何ですか。 A:いろんな人がいる。官僚が皆悪いとレッテルはるのはおかしいと思う。抵抗示す人、様子見の人、おもしろうそうなら一緒にという人など。粘り強く働きかける。官僚は有能な人がいっぱいで、仕事が早い。「明日まで」というと、必ず明日仕上げてくる。いい連携をしていく。
5.普天間問題について。(ユーリ:省略)
6.後期高齢者医療制度の件は? A:廃止する。今、動いているところ。不公平にならないように。
7.障害者自立支援法は? A:これも廃止へ。障害者の人にも半分、議論に入ってもらう。
8.温暖化問題について。(ユーリ:省略)
9.中古物件の住宅取扱いについて A:リフォームや賃貸住宅の活性化の方向へ。終身雇用が難しくなった今、これまでは「家買え」だったけど、年とっても賃貸で安心して住めないか、考えていく。
10.「政権の一員になったので、言えないこともいろいろあることと思います。ご苦労をお察しします」(笑)
11.子ども手当について。 A:待機児童の問題があるので、保育所の充実を目指し、予算をつけていく。
12. 高速道路の無料化問題。 A:うちの党は反対。北海道や沖縄など、車がないと生活しづらく、モノレールしかないような地域に限定して無料化。
13. 派遣法について。 A:派遣労働者を全部なくすという考え方に賛同は多いが、一度には実現不可。
14. 前原大臣って、どんな人? A:かわいらしい人(笑)。私よりちょっと年下で、甘えたとこあり。お母さんとお姉さんに育てられている。
15. 税収が少ないのに、財源問題をどうするのか。 A:消費税を最初から出すのはおかしい。所得税、無駄遣いを削る、複数税率の導入とか。イギリスでは、卵、ミルク、本、新聞など、誰にとっても必要な経費には税金0%。キャビアなんか高いものが買える人は税金払ってね、という仕組みにするなど。

他にも、水道の問題や市町村合併問題などもあるとのことですが、「質問あったら、事務所にファクスするか、ホームページにメールしてください」。事前連絡して、副大臣室へ通していただいた人もいたそうです。
初めは、あまりにも場違いで退屈だったとしたら、すぐに退出して上の階の図書館へ行くつもりでいましたが、結局は最後まで居座ってしまいました。時間きっちりに終わると、さっとどこかへ消えて行かれ、影もありませんでしたが、いずれにしても、現職副大臣から生の声が直接聞けたという意味では、よかったと思います。
図書館からは、なぜか急に読みたくなった、モリエールの戯曲を借りました。