ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

昔の取り戻し、できるかな?

今、故レナード・バーンスタインの英語による解説で、プロコフィエフ交響的物語ピーターと狼作品67を聴いています。
バーンスタインについては、牛山剛(著)『ユダヤ人音楽家―その受難と栄光』(ミルトス)で、その人生背景の一側面を読み(参照:2009年1月10日・1月30日・2月10日付「ユーリの部屋」)、印象がずいぶん変わりましたし、解説もすうっと耳に入ってくるように思います。それまでは、バーンスタインといえば、いかにもアメリカ風のミュージカル・エンタテイメント立役者というイメージが強かったので。(ちなみに、ミラン・クンデラ裏切られた遺言西永良成(訳)集英社1994年)では、バーンスタイン指揮の『春の祭典』の演奏解釈への批判が、手書きの楽譜付きで書かれています(pp.281-282)。こういう見方ができる点、やはりクンデラを読めてよかったと思う次第です。)
もちろん、この有名な「ピーターと狼」そのものは小学校の音楽の時間にレコードで聞いた記憶がありますが、どうも解説がよくなかったですねぇ、今思えば。甲高い女性のアナウンサーの声で、子どもの目線に立って、というより、甘やかすような低く見るような、そんな調子だったように覚えています。
それに対して、このCDの場合、世界的な一流音楽家自らが、少しでも各楽器や曲想に対する理解を深めてもらおうと解説されているので、まったく子ども扱いしていませんし、大人でも充分楽しめるものに仕上がっています。
この傾向は、ミッフィーのアニメーション番組(NHK)でも同様だと思います。日本語版では、いかにも子ども子どもした声高の雰囲気になっているのに対し、英語版の方は、低い女性の声で落ち着いて淡々としているのに、かえって雰囲気がよく出ているのです。どちらがおもしろいか、といえば、私にとっては英語版です。日本語版は、訳まで変えてしまっていて、作為性が感じられてちょっと嫌です。
子どもの時から、このバーンスタインで聴いていたら、感性も違って育ったことだろうと思うと、至極残念です。この録音は1962年にニューヨークでなされたものですから、その気にさえなれば、私だって、チャンスがあったはずです!
というわけで、今は勉強しようと思えば、昔よりは格安でアクセスの可能性が開かれているので、昔の取り戻しをしなければ、と必死になっているところです。
では、借りてきたCDリストです。
プロコフィエフ 交響的物語ピーターと狼作品67/サン・サーンス 組曲動物の謝肉祭」/ブリテン 青少年のための管弦楽入門 作品34 ニューヨーク・フィルハーモニック/レナード・バーンスタインソニー
・「ヴァイオリンとチェロのための作品集バッハ/オネゲル/マルティヌー/ピンチャー/ラヴェル フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)/ハインリヒ・シフ(チェロ)(2004年ECM
ヨーゼフ・ハイドンパリ交響曲第82番〜第87番・全6曲 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス ニコラウス・アーノンクール(指揮)(2001年BMG

今日はこの辺で失礼いたします。