ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

英中・米中・日米・トルコ

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2016年5月17日


・5月10日、エリザベス女王習近平国家主席訪英の際の中国側対応を「無礼」と切り捨てたのだ。場所はバッキンガム宮殿での園遊会、女王は英側警備責任者に対し中国側は「非常に無礼だった」と述べたという。
中国側はレッドカーペットの長さが足りない等と難癖をつけたり、通訳と称し女王と習主席が乗る馬車に「スパイを送りこもうとした」とも報じられた。


・13日に発表された米国防省の「中国の軍事・安全保障情勢」に関する対議会年次報告。
米国は中国が軍事的優位に立つことを拒否し、あくまで力の立場から競争するつもりなのだ。国防省に関する限り、今後対中政策が軟化する可能性は低いだろう。あのオバマ政権ですら、末期には中国に対する政策から楽観論が消えつつある


オバマ大統領が21日からベトナム訪問後に訪日し、G7首脳会議と広島訪問を行う。日本の一部には今も米国が謝罪すべしとの声があるようだが、成熟した日米両国間で謝罪を議論する実益はないだろう。重要なことは、日米間で和解プロセスが今も進んでいるということ。昨年の安倍首相による米議会演説、70年談話、日韓合意と今回の米大統領の広島訪問は一連の流れだ。


・トルコでは政権与党が臨時党大会を22日に開き、ダウトオール首相が党首(すなわち共和国の首相)を退任する。この首相、外相時代は変わった政治家だなと思ったが、今やエルドアン大統領に正論を吐く骨のある政治家になったのか。それとも単に権力闘争に敗れただけなのか。

(部分抜粋引用終)
オバマ大統領の広島訪問に関しては、過去ブログ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20150812)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20160511)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20160512)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160427)を参照。
ダウトオール首相については、拙訳(http://ja.danielpipes.org/article/14838)をどうぞ。

https://twitter.com/ituna4011

Lily2 ‏@ituna4011
"The Foundation of Japanese Power: Continuities, Changes, Challenges" by Willia... (http://www.amazon.com/dp/0873327551/ref=cm_sw_r_tw_dp_9i9oxb1702B0Q …) arrived here from the U.S.A..

(転写終)
上記本が中古でアメリカから届いた。1990年と古い本だが、当時は日本も懐かしいほど力に満ちていて、だからこそ、主人も私も公式ルートで海外派遣が許されたのだろう。今の停滞状態を思うと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160515)、本当に残念だ。
先日、那須を訪問した時(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160506)、「多様性は強さ」という説明書きがあった。同窓会のノーベル賞受賞の天野先生も、「多様性のなさ」を克服すべき点に挙げられていた。
だが、昨今の議論の欠陥は、「なぜ多様性が強さだと言えるのか」「多様性は、一方で混乱と分立を生み出さないのか」「多様性と雑種雑多とは何が異なるのか」「多様性の行き着く先の到達点や目標は何なのか」が無視されたまま、一方的に「多様性」がなければならない、と強調する傾向である。しかも、内発性から生まれる多様性を目指すというよりも、外部要素を模倣ないしは直輸入した多様性を謳っているように感じられる。
上記本をざっと見ると、過ぎ去った時代の自分の国が外側から描写されているので、現在の欠陥も浮き彫りになる。私がしばしば古い本をあえて読むようにしているのは、現状を再認識するためでもある。
ちなみに、「日本人一人一人は大したことがないが、集団で来ると怖い。結束力があり、相互扶助が自然にできるからだ」と中国人が考えているらしいと、どこかで読んだ記憶がある。