ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

コタバル上陸記念の日に

今日は、マレー半島のコタバルに日本軍が上陸し、その一時間後に真珠湾攻撃が勃発した日。
毎年思い出すようにはしているが、このところの朝日新聞の見出しが、あたかも戦争に突入したかのような大見出しと騒々しい常套句の連発。
というわけで、本日付の新聞から、「特定秘密保護法(全文)」を赤線を引きながら丁寧に読んでみた。丸々一ページを使っての掲載だったが、非専門家の一般国民として、それほど騒ぐほどの問題となる点は見出されなかったように思う。もっとも、専門的に見るならば、一つずつの条文につき参照資料を付記すべきで、その理解には程遠いことは了承済み。新聞は、記者の個人的な、あるいは社風に合わせた世論操作を試みるのではなく、淡々と必要な情報のみを列挙してもらいたい。読者の気持ちなら汲み取って欲しいが、「記者の思い」などは余計である。
おかしかったのが、なぜか不要な灰色ラインが何ヶ所かつけてあったこと。
幾つかのポイントを。

テロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。)

家族(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。))
国籍(過去に有していた国籍を含む。)
国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の事由に十分に配慮しなければならない。

私見を述べると、日本国籍を取得したならば、本流の圧倒的大多数の日本人を怒らせるような言動を慎むのは当然の義務と責任である。また、過去の国籍も調べられるのは当然のことで、それこそ「知る権利」であり、「プライバシーの侵害」ではない。ここ10年ほど、権利と義務と「自由」の行使範囲が混乱していて、私は嫌だったので、はっきりしたことはよかったと思う。
「附則」欄から。

第百二十三条第一項中「一に」を「いずれかに」に、「禁こ」を「禁錮」に改め、同項第五号中「めいていして」を「酩酊して」に改め、同条第二項中「ほう助」を「幇助」に、「せん動した」を「煽動した」に改め、同条を百二十二条とする。

私見を述べると、これは当然の変更であって、ようやく落ち着いた漢字表記になった。いつ頃からなのか、気づいたら地名もせっかくの漢字表記が平仮名表記になってしまったのが目につき、学力低下もここまでか、と暗澹たる気分だった。お隣の朝鮮半島では、漢字使用をハングルのみに変えてしまったため、日本語からの借用由来の言葉だと知らずにいて、日本に留学してから初めて愕然としたという話を、二十代の頃、よく聞いた。日本は絶対にそうすべきではない。中華人民共和国の漢字も崩し過ぎて、かえってせっかくの意味がわからなくなってしまっている。
「誰にでもわかるように」と本気で心がけたら、なし崩しに低下する。水は低きに流れるもの。心して注意すべし。第一、藩校出身者が寺子屋出身者に合わせたとしたら、どんな知的破壊が生じるか、想像しなくてもわかりそうなものだ。昔はエリート校があったのに、私の世代では「皆が一緒に」と下部構造の底上げを一律に図った結果、とんでもない教養不足が発生した。その負の影響が今の時代だ。