ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

師走の月によしなしごとを思う

・古来からの伝統的な智恵を馬鹿にしてはならない。時代と共に変化していくもの、変化せざるを得ないものが当然あるが、同時に、変えてはらないもの、大切に受け継いで質を高めて次世代に渡すべきものもある。だから「長幼の序」「年功序列」の意味もあったのだ。
・私が子どもの頃は「人の二倍、三倍、四倍は努力せよ」と大人が言っているのを頻繁に耳にしたものだが、今は「優しさ」「頑張らなくてもいいんだよ」「ナンバー1ではなくオンリー1を」「子どもの目線で」などと妙なフレーズが席捲した結果が、困惑と低迷の社会を生んでいる。
・「1を聞いて10を知れ」「人前で話したり教えたりするには、その10倍は準備しておくこと」とも言われていた。だから、基礎もないのにインターネットなどで手軽に何事も調べているようでは、調べ方や調べる意図にもよるが流されてしまう。いい鴨だ。
・人と同じ事をやっていては生き残れない。大筋や本流を踏まえた上で人と異なることをせよ、とも言い聞かせられていた。最初から、人の知らなさそうなことをやっているのは誤り。
・個人経験がモノを言う。ただ本を読んだり、観光旅行程度では間に合うはずがない。
・時差(翻訳)で食べていけた時代は終わっている。つまり、アジア圏で唯一、近代化を先取りした日本は、欧州事情を翻訳消化して日本社会に切り売りすることで、人より上位に立ち、時差知識で優位に生きていけた緩やかな時期があった。しかしインターネット時代には、一瞬のうちに世界中に情報と知識が出回る。後は内容と集客力が勝負。人数だけを誇ってみても、内容が大衆向けならば社会動員以上の意味はない。やはり後になって生きてくるのは、真実性と質だと思う。
・日本のインテリは、アメリカからよりもドイツから学ぶことを好んだらしい。ところが、このドイツたるや、二回の世界大戦でいつも負けていたのだ、ということをよく承知しておかなければならない。両方からバランス良く学ぶことが大事だ。
・中国との関係では、米国の場合、政治と軍事面では日本寄りだが、経済面では中国を無視できないとする。人口が13億もあるからだ。しかし、人口と相対的質が比例していれば良いが、そうでない場合、数より質が勝負になる。
・国際結婚の破綻の際にハーグ条約が言及されるが、そもそも、どちらの国籍や民族文化や社会基準に忠誠を誓っているのかが曖昧なまま、何となく無知と若さの勢いで利害関係の構築に向かうから問題が生じるのではないか。1970年には5000件だった国際結婚が、2005年には4万件に上昇。従って、離婚率も比例して上昇中という現象をどのように捉えるか。グローバル化の負の側面。