ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

どちらの記事が読めるか?

以下の記事は、ガザとイスラエルの最近の紛争に関する英語からの翻訳ニュースです。
朝日新聞』のような情緒的な文章で、全体の通史を概説することなく、一時現象を「庶民の立場に寄り添う」という偽善者精神で綴るような記事よりは(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120904)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121113)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121117)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121122)、余程読みやすく思います。(そもそも、読者が「庶民」であることを前提としている点に大きな間違いと失礼な態度があることと、パレスチナ内部の現状を伏せて被害者のみに焦点を当てる表層性が、不信感を呼び起こさせるのです。既に「報道」記事を大きく逸れ、仲間内のノートに落ちてしまっています。その問題は、この方面に明るくない読者を誤導していることです。)

http://jp.reuters.com
(1)[国連 21日 ロイター] 国連安全保障理事会安保理)は、イスラエルイスラム原理主義組織ハマスのガザ停戦合意を受けて声明を発表し、イスラエルハマスの双方に合意を順守するよう要請した。同時に、エジプトのモルシ大統領ら合意実現に努力した人々を称賛した。
声明は「安保理メンバーは、当事者らに合意の遵守、合意内容を誠実に実行する真剣な行動を求める。モルシ・エジプト大統領、その他の人々の停戦実現に向けた努力を大いに称賛する」と表明した。
今週、現地を訪れた潘基文(バン・キムン)国連事務総長の取り組みも称賛し、国際社会に対し、ガザ地区の住民への食料や医療品など物資の支援を要請した。
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(2)ハマスイスラエルの停戦成立、攻撃停止やガザ封鎖緩和で合意
2012年 11月 22日 06:48 JST
[カイロ/ガザ 21日 ロイター] イスラエルパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは21日、停戦で合意した。停戦を仲介したエジプトのアムル外相が明らかにした。
停戦は現地時間午後9時(日本時間22日午前4時)に発効。アムル外相は、エジプトによる仲介努力は、「攻撃をやめ、落ち着きを取り戻し、流血の事態を終わらせることへの理解」という実を結んだと述べた。
カイロを訪れている米国のクリントン国務長官は、アムル外相の隣に立ち、エジプトのモルシ大統領に謝意を表明。エジプト政府は中東地域における「責任を果たし、リーダシップを示した」と述べた。
停戦合意を受けイスラエル首相府が発表した声明によると、ネタニヤフ首相はオバマ米大統領に対し、停戦を維持する用意があるとの姿勢を示す一方で、停戦が失敗すれば、「一段と強力な措置」が必要になる可能性があるとの考えを伝えた
ホワイトハウスによると、オバマ大統領はこれに対し、イスラエルの安全保障に対する米国のコミットメントをあらためて表明。合同ミサイル防衛プログラムへの資金拠出を模索することを確約した。
ネタニヤフ首相は停戦発効後に行った記者会見で、今回の停戦合意が守られない場合、イスラエルガザ地区に対する「さらに激しい軍事行動に出る」ことを検討すると発言。「一段と激しい軍事行動を望んでいる市民がいることは認識している。そうすることが必要になる可能性もある」と述べた。
ロイターが入手した停戦合意書によると、双方はすべての戦闘行為を停止し、イスラエル側は個人に対する攻撃、パレスチナ側はロケット弾攻撃を含む国境を越えた攻撃を停止する。また、イスラエルはガザ封鎖を緩和する。
停戦合意書は、停戦の発効から24時間以内にこれらの合意事項を実行に移す措置がとられるとしている。
医療関係者によると、8日間にわたった攻撃によりパレスチナ側では36人の子供を含む146人が死亡。また、軍関係者によるとイスラエル側では兵士1人と市民4人が死亡した。
(3)焦点:ガザ停戦でも消えない不信、「次なる衝突」に警戒も
2012年 11月 22日
エルサレム 21日 ロイター] パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは、21日にイスラエルと合意した停戦を受け、まるで勝利を得たように祝福している。一方で、イスラエル側には慎重な見方もあり、両者の信頼が欠如していることが浮き彫りになっている。
8日間にわたる戦闘の末に停戦が成立し、ガザへの地上侵攻が回避されたことに、パレスチナイスラエルは同じように安堵(あんど)する。しかし、この停戦がそれほど長続きしないとの予感も双方にあるようだ。
ある匿名のイスラエル政府高官は、現状について「懐疑的だ」と指摘。エジプトと米国が交渉を仲介したことに触れ、「停戦が崩壊した場合、われわれが強硬手段に出る正統な理由ができるということを彼らも分かっている」と語る。
ハマスは軍事部門トップを殺害されたほか、ガザのインフラや保有兵器に大きな被害を受けたが、それでもアラブ世界における評価は高まりパレスチナにおける立場も改善している。
対するイスラエルは、敵に大きな打撃を与えたという事実を評価できるほか、イスラム勢力が率いるエジプトと協力する道を見い出し、対空防衛システム「アイアン・ドーム」でミサイル砲撃から自衛できることを示した。
イスラエル国防省の元幹部、マイケル・ヘルゾグ氏は「これが永続的な停戦になるという幻想は誰も持っていない一時的であるというのは、誰の目にも明らかだ」と指摘。「ただ、うまく行けばかなりの期間続くチャンスはある」との考えを示した。
歓喜
イスラエルハマスが停戦に合意したことは過去にもあった。両者は2009年1月、約3週間にわたる交戦後、戦闘を停止することで合意した。
当時、ガザの一般市民は、死者が約1400人に上ったイスラエル軍による破壊的な攻撃と侵攻を引き起こしたとして、ハマスを非難した。3年後の今、その機運は一変し、何千人ものガザ市民が通りに出て、停戦に歓喜の声を上げている。
長年孤立してきたガザ地区だが、今回はイスラエル軍の戦闘機が空爆を続ける中、アラブ諸国の首脳らが相次ぎ訪問して連帯を表明。中でもエジプトは、ムバラク政権時代には考えられなかった敬意をもって、ハマスを支援した。
ハマスはこれまで以上に強い立場にある」と指摘するのは、ガザ地区の政治アナリスト、タラル・オカル氏。同氏も停戦は恒久的なものではないとし、「パレスチナ側は、もう一戦に向けた準備をやめるべきではない」と述べる。
ハマスイスラエルの存在を認めず、中東問題で外交的な解決を目指すパレスチナ自治政府アッバス議長に批判的な立場を取ってきた。イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸を統治するアッバス議長は、欧米の後ろ盾を得てはいるものの、今回の攻撃では孤立し、ハマスがアラブ世界で信頼を高める姿を傍観することになった。
ガザ市民らの歓喜とは対照的に、イスラエル南部では数百人の市民が停戦合意を糾弾するデモを実施。短い戦闘停止の後に、自分たちが再びロケット弾の標的になることに懸念を示した。
総選挙を2カ月後に控える中、野党はガザ境界のイスラエル軍を侵攻させなかったことについて、ネタニヤフ首相を批判する。中道政党カディマ党首のシャウル・モファズ氏は、テレビ局へのコメントで「作戦のゴールは達成されなかった」と指摘。「イスラエル市民は軍がハマスを休戦に追い込むことを期待していた。モルシ(エジプト大統領)は今日、米国の後押しを受けてイスラエルを停戦に追い込んだ」と非難した。
一方で、ネタニヤフ首相はモルシ大統領との協力が可能なことを示し、エジプトとの関係を立て直した。さらに、不仲で知られるオバマ米大統領から一貫して支援を得て、両首脳の関係改善にもつなげた。さらに、14日に空爆を開始した際、攻撃目標を限定。ハマス打倒は目指さず、ガザのインフラを無能化することに専念した。
イスラエル軍は作戦完了を宣言したが、国民はそれを信じていないようだ。元国家安全顧問のギオラ・エイランド氏は「決定的な勝利ではなく、イスラエルが誇れる劇的なものは何もない。しかし、状況は適切に管理され、イスラエルがある程度の国際的支援を得られたことは明らかだ」と見る。
<アイアン・ドーム>
イスラエルにとって、今回の戦闘で最も大きな成果は対空防衛システム「アイアン・ドーム」だろう。イスラエル軍によると、同システムはパレスチナ側から発射されたミサイルを84%の正確さで迎撃。多数の死者が出ることを回避できたほか、強硬手段を求める圧力を減らすことに寄与したという。
外交・防衛委員会のメンバーであるカディマのヨハナン・プレスナー議員は、「アイアン・ドームがゲームチェンジャー(大変革をもたらすもの)であることを証明した」と語る。「しかし、イスラエルが攻撃する際、標的に対して正確に、注意深くなるほど、長期的な平穏を達成することは難しくなる。われわれが自制すればするほど、ハマスが払う代償は少なくなる」というデメリットも指摘する。
一方、ハマスが大きな損害を被ったのは事実だが、特にテルアビブやエルサレムに初めてミサイルを到達させるなど、ガザ市民に誇れる大きな成果も同時に手にしたと言える。
あるパレスチナ人男性は、停戦合意の歓喜に沸くガザで「イスラエルは再びわれわれに挑戦にしようと考えないだろう」と胸を張った。
しかし、こうした意見はほぼ確実に、次なる衝突の種を既にまくことを意味する誤った考えだろう
原文執筆:Crispian Balmer 、翻訳:橋本俊樹、編集:梅川崇
(4)ガザ地区からのロケット弾、迎撃費用は20億円以上=イスラエル
2012年 11月 23日
エルサレム 22日 ロイター] イスラエルは22日、パレスチナ自治区ガザからのロケット弾を迎撃した対空防衛システム「アイアンドーム」について、8日間続いた戦闘での迎撃ミサイル発射費用が計2500万─3000万ドル(約20億─25億円)に上ったと発表した。
イスラエルとガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスなどとの衝突は14日に開始し、エジプトの仲介によって21日に停戦に合意した。医療当局者によると、ガザでの死者は多数の民間人を含む162人。イスラエル側の死者は5人だった。
イスラエル軍によると、8日間の戦闘では、ガザから発射されたロケット弾約1500発のうち、「アイアンドーム」が迎撃したのは421発。費用を抑えるため、人口集中地域を狙ったロケット弾のみを迎撃の対象とした。迎撃の成功率は90%だという。
イスラエルは現在、5基の「アイアンドーム」を保有しているが、国防システムを十分にするには13基が必要があるとしている。「アイアンドーム」の配備には米国が資金援助を行っている。防衛関係者は、1基当たりの設置費用が約5000万ドルだと述べた。
より多くのロケット弾がイスラエルに飛来していた場合、多数の国民が犠牲になりイスラエルが大規模な地上侵攻を行う可能性もあったとされている。ある政府高官は大規模な地上侵攻が行われた場合の費用について、1日当たり最大3億8000万ドルに上ると推計した。
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(引用終)