ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

エグベルト・ジスモンチ

昨晩は、ちょっと腰やすめ(!)に、早々と冬用の羽毛布団にくるまって、NHK芸術劇場のエグベルト・ジスモンチ氏の演奏に見入りました。
実はこの方、私にとって初めてだったのですが、ミュージシャンと呼ぶなら、こういうタイプを指すのだろうと思われるほど、ピアノとギターの鬼才という感じでした。ブラジル出身で、お父様がレバノン系、お母様がイタリア系の音楽一家だったそうです。パリに留学して音楽修業を積まれ、基本はクラシックだそうですが、アマゾンの奥地で先住民族と暮らしながら、先住民族や黒人のリズムも柔軟に取り入れた高い技術を要する音楽を作曲し、奏でていらっしゃいます。一言で言えば「ブラジル風音楽」なのですが、単なるパフォーマンスだけではない、なかなかしゃれた品のある音楽でした。風貌も、目鼻立ちのくっきりしたいわゆる「濃い」顔立ちに、背中まで波打つパーマっ気のある白髪の長髪をキツネのしっぽのようにたばね、赤い毛糸風の帽子をかぶっていらっしゃいました。一度見たら、絶対に忘れられない格好です!
番組では、共演オーケストラである東京フィルとの練習風景が映ったのもよかったです。最初は、なかなか音やリズムが合わない感じでしたが、本番ではさすが、ピタリと合っていて、練習ぶりがよくわかりました。オーケストラによっては、組合が強い場合、なかなか思うようにたっぷりと練習させてもらえないケースもあるそうですが、東京フィルでは、特に若い人達が非常に協力的で、3時間以上もぴったりついてきてくれたとのことでした。
それにしても、こういう音楽に触れると、世の中は広い、と改めて思いますね。