ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

やはり本を貪欲に読まねば...

先程、郵便配達の方がわざわざ届けてくださった本です。

https://twitter.com/ituna4011
Lily2‏@ituna4011
"The Foreign Vocabulary Of The Qur'an" by Arthur Jeffery (http://www.amazon.com/dp/1406706183/ref=cm_sw_r_tw_dp_0Casrb1MSW49Q …) arrived here today. I like this kind of old academic book!

やはり、いくら「オリエンタリスト」と罵倒されようとも、古い学術本は懐かしく、尊敬の気持ちでいっぱいです。
この本を知ったのは、確かマレーシアの神学者Dr. Ng Kam Weng(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130106)の論考文で引用されていたことがきっかけ。このように、知り合いを通して勉強がどんどん広がっていく醍醐味は、年齢を経たからこそ...。
このごろ読んでいるのが、故オリアナ・ファラチさんのインタビュー集です(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130308)。2011年にニューヨークで再版されたものだそうですが、今読んでも、先見の明と並外れた勇気に富んでいて、非常に有益です。読みにくいのが、アラファト氏やカダフィ大佐やホメイニー師などイスラーム圏の独裁的傾向を帯びたムスリム指導者との面会で、読みやすくて納得がいくのがゴルダ・メイヤーさんなどです。
しかし、共産圏とイスラーム圏は、その全体主義志向を帯びた社会統治法という上で、何と似ているのでしょうか。毛沢東の「赤い本」(「毛沢東語録」)を読んで改めてびっくり仰天していたのは数年前のことですが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071102)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080630)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20101227)、実は、カダフィ大佐には「緑の本」(pp.115, 119-121,140,144,146)、それにホメイニー師による「青い本」(p.172)まで揃っていたのだそうです。
ウィキペディアの説明(http://ja.wikipedia.org/wiki)を引用しますと...。

『緑の書』(みどりのしょ、グリーン・ブック、アラビア語: الكتاب الأخضر, The Green Book)はリビア大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国)の革命指導者・最高指導者、ムアンマル・アル=カッザーフィーが著した書物。初版は1975年。自身の民主主義観および政治哲学を披瀝している。Little Red Bookと呼ばれた毛沢東語録、およびその第三世界理論を参考にしている。


本は全部で三章からなる。
• 民主制のもつ問題の解決: 「人民の権威」
• 経済問題の解決: 「社会主義
• 世界第三理論(第三国際理論)の社会的基礎


第三国際理論(Third International Theory, Third Universal Theory、第三の普遍理論)とは、リビアで実施される政体についての理論で、カッザーフィーが1970年代初頭に提唱したものである。部分的にイスラム社会主義とアラブ民族主義に影響されたこの理論は、資本主義をもはや誤りであることが証明されたイデオロギーであると述べ、第三世界諸国のために資本主義および共産主義の代替となる新たな普遍的体制を提案している。また第三国際理論の哲学的基礎の多くはコーランに依拠している。


この本でカッザーフィーは近代の自由民主主義を全否定し、全人民出席による「人民会議」をもとにした直接民主制ジャマーヒリーヤ)を推奨している。大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国ではこれに基づき、憲法・議会・政党・元首などは廃止され、人民代表による全国人民会議が政府のすべきことを行っていた。憲法の代わりに「人民主権確立宣言」が制定され、イスラーム法が主な法の源になっていた。


政府国外の反体制派は、こうした人民会議は直接民主主義の場でなく、軍事独裁の追認と人民抑圧の場になっていると非難していた。


• 『緑の書 リビアカダフィ大佐の理論』 著: カッザーフィ, 訳: 藤田進 発行: 第三書館 1986年 ISBN 978-4-8074-8608-3 (4-8074-8608-X) C0030

ホメイニー師は妻が一人だけだったそうです。たまに勇気ある西洋の新聞が「青の本」に事細かに指示されている奇怪な部分を翻訳して載せたそうですが、そういう面は、日本でどこまで伝わっていたのでしょうか?
邦訳がなくとも、この翻訳英語版で充分に読めます。まだお読みでない方は、是非ともお勧めします。日本の大学が研究費を我々の税金から取っておきながら、いかに遅れたことをしているか、しかも「アメリカはわかっていない」「西欧はなぜ理解しないのか」と一方的な無知を振り回していたかがよくわかります。

ただ今、宅急便でもう一冊届きました。一度アメリカから送ったのに、途中で破損したために、図書館印のある差し替え本を一割引で送るとのことでした。充分、きれいな本です。(表紙の汚れ具合が、日本基準には劣りますが。)

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3m Lily2 ‏@ituna4011
"The Changing Face of Anti-Semitism: From Ancient Times to the Present Day" by W... (http://www.amazon.com/dp/019534121X/ref=cm_sw_r_tw_dp_ylfsrb1XEFXTB …) arrived here now.

特にポーランド反ユダヤ主義の記述が多そうで、読むのが楽しみです。

昨年から感じていることとして、一冊本を読むごとに、パイプス訳業が楽になっている自分を見出します。確かに一年続けただけの手応えは、実感としてあります。この歳で、新たな英単語や表現もたくさん覚えられたし...。「大学受験の時の英語力が記憶としてはピークで、後は低下するばかりだ」と高校の担任から言われて将来を恐れていましたが、何のことはない、まるで嘘だったことが実体験から判明。そういう言い訳がましい俗論を平気で唱える人に限って、年のせいにして、あまり努力はしていないようです。