ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

温故知新は今ここに

引き続き、最近のメーリングリストから。

致知出版社人間力メルマガ 2018.11.21
致知』2018年12月号
特集「古典力入門」p.66
「いまの時代こそ古典を学べ」
數土文夫(JFEホールディングス特別顧問)×出口治明立命館アジア太平洋大学〈APU〉学長)


數土:人生100年時代と言われているいまこそ、私は古典の言葉や故事成語が生きてくると思います。70歳や80歳になっても元気に働き続けるためには、「大器晩成」。これは『老子』の言葉なんですよね。小さい時から競争してしまったら、途中で燃え尽きたり、疲れてしまう。ですから、遠大な志を持って慌てない、淡々とゆっくり努力を積み重ねていくことが大事なんです。


出口:稷下の学といって、古代中国の斉では、都の臨淄の稷門外に学堂を建て、広く天下の学者を集めて邸宅を与え、自由に研究させたんですよね。アズハル大学というエジプトにある世界最古の大学の三信条に「入学随時、受講随時、卒業随時」とあって、この言葉が僕は好きなんですが、要するに知りたいという気持ちが湧いた時に入学すればいいし、入ったら単位に囚われずに、本当に学びたいことだけを勉強し、腹に落ちたらいつ出て行ってもいい


いまリカレント教育ということが叫ばれていますが、世の中の進歩ってものすごく速いですから、例えば10年くらい働いて、世の中が進歩したら、大学で勉強し直す。で、また戻ってきて仕事をする。そうやって何回も何回も勉強して皆がお互いに高め合っていくことをしないと、AIが普及するにつれてどんどん脳が退化していくんじゃないかと思います。


數土:まさに先ほどの「游」の境地ですね。


出口:いまGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめ、世界を牽引している企業で働いている人はものすごく勉強していて、ダブルマスター、ダブルドクターの人が多いんですよ。しかも、統計学とか数学だけではなく、文学とか美学とか哲学の学位を持っている。そういう世界を知って初めて、面白いアイデアが出せるわけです。


もっとも、大学院の免状を取れと言っているのではなく、例えば、『論語』と『老子』と『韓非子』を勉強することがダブルマスターでありダブルドクターであって、一つだけに決め打ちしないで幅広い分野を勉強していかないとこれからの時代のリーダーにはなれないという気がしています。


數土:世の中の変化が激しくなるにつれて、人間の精神状態も社会の富の配分や格差も大きくなる。その中でどう生きていくべきかという答えは、2,500年前、3,000年前の古典にすべて書いてある。だから、古典を幅広く読まなきゃいけない。これからの時代、ますます古典が重要になってくると、声を大にして言いたいですね。


出口:全く同感です。まさに數土さんがおっしゃったように、社会の変化が激しいので、将来何が起こるか分かりませんよね。でも、悲しいことに教材は過去しかないんですよ。だから、逆説的ですが、何が起こるか分からない時代になればなるほど、歴史や古典を学び、人間が五千年にわたって営んできた幅広く深い世界を知っておかなければ生き残っていけない

(転載終)
上述の説が妥当だとすれば、この二十年以上、ほそぼそと続けてきた私の趣味勉強も、無意味ではなかったのかもしれない。
「アズハル大学」に関しては、過去ブログに全く違う角度からの記事がある(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%A5%A2%A5%BA%A5%CF%A5%EB%C2%E7%B3%D8)。

JOG Wing 国際派日本人の情報ファイル
「国際派日本人のためのお勧め記事切り抜き帳(8)」

明日への選択』H3008
「『国難』巨大災害への対処を急げ」
大石和久


南海トラフ地震の施設などへの被害は170兆円だが、それによる長期的な経済被害を含めると1410兆円。GDPの二倍以上。

・電線の地中化、高規格の高速道路拡充、港湾の強靱化などのインフラ整備で、経済被害や死者数は大幅に減少できる。これらによって、被害は500兆円(41%)減少できる。

・西欧諸国の公共事業費のGDP比率が少ないのは、地震を考慮しなくてもよいから。しかし、主要先進国だけで日本だけが公共事業費を減らし続け、下げ幅も半分以下になっている。


【伊勢雅臣】民主党政権は「コンクリートから人へ」と公共事業費の仕分けをしましたが、それが最近の災害被害を大きくしたと言われています。正しくは「人を護るためのコンクリートを」でしょう。

日本の息吹』H3007
「『北朝鮮化する韓国』に対して日本が心すべきこと」
呉善花


・2020年から中学・高校で用いられる歴史教科書で「北朝鮮による6・25(朝鮮戦争)南進」「北朝鮮世襲体制」「北朝鮮の人権」などの用語をすべて用いないとする執筆基準案を提示。

大韓民国憲法の「自由民主的基本秩序」から「自由」を削除する憲法改正案を提出。国家的な経済統制を強化する条項も。


【伊勢雅臣】文在寅政権は、着々と「韓国の北朝鮮化」を進め、北による半島統一を目指しているようです。

祖国と青年』H2911
「戦後憲法の『偽善』と対峙した三島由起夫」
大葉勢清英


・政府は憲法改正という火中の栗を拾わずとも、事態を収拾する自信を得た。そして国の根本問題に対して頬被りを続ける自信を得た。これで左翼勢力には憲法護持の飴玉をしゃぶらせつづけ、自ら、護憲を標榜することの利点を得た。

・空文化されればされるほど政治的利用価値が生じてきたというところに、新憲法の不思議な魔力があり、戦後の偽善は全てここに発したと言っても過言では無い。

・自国の正しい建軍の本義を持つ軍隊のみが、空間的、時間的に国家を保持し、これを主体的に防衛しうる 。現自衛隊が、第9条の制約の下に、このような軍隊に生育し得ないことに、日本の最も危険な状態が孕まれていることが明記されねばならない。


【伊勢雅臣】「自衛隊は軍隊ではない」という偽善の上に、現代日本の政治が組み立てられています。根本に偽善を持つので、現実の問題を直視し、解決しようというエネルギーは生まれてきません。

日本の息吹』H3009
イスラエルと日本−共鳴する文化と歴史」
エリ・コーヘン


・我々ユダヤ人は祖国イスラエルを聖なる地としています。ですから日本人が自分たちの国を「神国」と呼ぶのはまったく自然なことなのです。

武士道の原点は日本の神話にあります。例えば、古事記ヤマトタケルの命とオトタチバナ姫の物語には自己犠牲という精神性が語られています。これこそ武士道の最も大切な精神ではありませんか。

イスラエル国家建設の草分けであるランペルドールは、ロシア兵として捕虜収容所に入り、そこで日本兵士から「国のために死ぬことほど、名誉な事は無い」という言葉を学んだ

・そういう先人達がいたからこそ、国は興され、守られてきた。ですから私は敬意を込めて靖国神社に参拝し、そこで居合いの奉納演武をさせていただいている。


【伊勢雅臣】空手と居合道5段の元イスラエル大使が語る日本の武士道は、イスラエル建国の道にもつながっていました。

祖国と青年』H2911
「続・教室で語った三島由紀夫の言葉」
小森誠


吉田松陰「必ず真に教ふべきことありて師となり、真にまなぶべきことありて師とすべし」
・真に教うべきは、人類のすべてが今日の日まで積み重ねてきた歴史。教師はかかる歴史を後世に伝うべき役割を担っている。
・自分の背中に日本を背負い、日本の歴史と伝統と文化の全てを背負っているのだという気持ちに一人一人がなること。


【伊勢雅臣】歴史伝統文化を自分が背負い、自分が伝える、という当事者意識。そこに三島由起夫の真剣勝負の生き方があったようです。

日本の息吹』H3007
「『五箇条の御誓文』対『共産主義』 明治維新という大業(3)」
松浦光修


五箇条の御誓文の第一条「広く会議を興し、万機公論に決すべし」は、議会政治の理念を語り、そのためには、「言論の自由」が必要。

・第二条「上下、心を一にして盛んに経綸を行うべし」は「産業を興す」ことで、私有財産」の保護が前提。

明治維新ははじめから、「言論の自由」と「私有財産」を認めない共産主義とは相いれない思想で始められた。


【伊勢雅臣】昭和の右翼の中には、天皇制を認めた共産主義を主張する人々もいましたが、「言論の自由」と「私有財産」も日本の国柄の一部です。

(部分抜粋転載終)
「エリ・コーヘン」元駐日イスラエル大使に関しては、過去ブログを(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140626)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171219)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180117)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180426)。特に、「トランペルドール」については、こちらを(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150416)。
五箇条の御誓文」に関しては、過去ブログを参照のこと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150404)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160216)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160819)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180329)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180404)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180412)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180527)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180711)。
特に、憲法との兼ね合いについては、こちらも(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180506)。
今日のブログ題目の「温故知新」に関しては、過去ブログ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151005)をどうぞ。