ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

小泉政権の5年5ヶ月を再考する

小泉純一郎氏が首相だった平成13年(2001)4月から平成18年(2006)9月までの間に、日本の経済政策は誤った方向に導かれたという見解がある。但し、記憶を辿れば、当時の小泉氏は、普段政治とは無縁そうな若い女性達の間で圧倒的な人気を誇り、「一文で言い切る」スタイルが、カッコよさだと勘違いされていたのではなかったか?
そして、この期間に、所謂「女性天皇」「女系天皇」云々が、一見もっともらしく、理論的かつ現実的であるかのように、無責任に語られていたのではなかったか?
その頃、私は京都市内の某私立大学に招かれて教え始め、研究会や講演会にも極力出席していた(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C6%B1%BB%D6%BC%D2%C2%E7%B3%D8&of=50)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%C6%B1%BB%D6%BC%D2%C2%E7%B3%D8)。返す返すも、あの3年間の何とも理不尽かつ不可解な経験は、後にも先にもなかった(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141010)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141011)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141012)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160122)。
金輪際、このようなことは起こってほしくない。

現在の(経済的心理的)格差意識の高揚とその実態問題を考えるに際し(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20141215)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150908)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20171030)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180604)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180907)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20180910)、以下のウェブ資料を参照として、部分的に記録する。

http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/year/koizumi_cabinet.html


・5年半にわたる小泉内閣の対米盲従政治で多くの国益が失われた。 なぜ国益に反する政策を推し進めたのかについては定説がなく謎である。


・強者が自由に振る舞うことのできる社会経済システムの構築である「小泉構造改革」の結果、国民は「勝者・強者」と「敗者・弱者」に分裂し、総中流社会は崩壊して貧困層が拡大した。日本経済は縮小して税収は激減、財政赤字はさらに悪化して赤字国債は700兆円をも突破した。 多くの中小零細企業が倒産し、失業者、フリーター、ニートが増え、自殺者は年間3万人を突破した。犯罪も激増し、かつて最も安全な国だった日本は先進国最悪の犯罪社会となった。「日本の一人当たりGDP」は毎年順位を下げ続けた


・歴代の内閣で最もアメリカに忠実で、「小泉構造改革」は「日本を米国政府好みの国に改造する」ための改悪で「日本から米国への富の移転」であった。


対米追従と軍国化への道は確実に進めた。諸政策は「要望書」のデッド・コピーとされる。裁判員制度「要望書」からスタートした。


・米国政府は2003年と2004年の3回にわたり「要望書」で正式に日本に郵政民営化を求め、小泉内閣はこれを受け入れた。


・日本と中国が対立することは米国のアジア政策の推進にとって有利である。


・中央と地方の調和によって一体性を保ってきた日本社会の安定が崩れた。中央と大都会は地方の犠牲の上で生きようとしている。


・最大の政治的情念は、田中政治(自民党旧体制)の徹底的破壊であった。


・国会を尊重せず議会制民主主義を否定するような強引さで、批判勢力の存在を許さず与党の意見ですら無視し自民党の有力者(青木ら)から「独裁者」とも呼ばれた。


・自分の考えに反対するものは恫喝や脅しで従わせるような強権的な手法を用い、それをいさめる人もいない。


小泉首相は議論をはぐらかし、「ワンフレーズ」ですませて逃げた。


・「聖域なき構造改革」=目標と道筋を具体的に示さないまま、景気回復に効果があるような幻想を国民に抱かせようとした。


・「状況を見て判断」=コメントを求められても首相の見識を示すことができず、逃げるために多用している。


・「対話と圧力」=北朝鮮問題でこのことばを繰り返しているが、実際には対話も圧力も推進していない。


・民放テレビ(テレビ朝日・TBSなどの地上波の民放テレビ局)のニュースキャスターたちは権力者には言葉を選び、それ以外の人にはきわめて失礼なインタビューをするなど、小泉応援

・「小泉首相のやっているのは社交外交で戦略外交ではない」(中曽根康弘元首相)
・「総裁だけの自民党になってきたんじゃなかろうか」(古賀誠・元自民党幹事長、2005年8月28日)
・「本当の日本の首相ではなくて、日本の首相は在日米国大使館」(藤原直哉
・「『民にできることは民にやらせろ』、『官から民へ資金を流せ』というときの『民』は、日本国民の『民』でも民主主義の『民』でもない。要するに米国民間保険会社の『民』にほかならないのである。」(関岡英之
・「このような内憂外患の時代に郵政民営化をもっとも重要な政治課題としている日本の政治の現状を情けないと思う」(梅原猛
・「小泉改革とは、財務省改革だった」「日本の悲劇は小泉政権をマスコミと国民が支持したことである。」(亀井静香国民新党代表代行)

(部分抜粋引用終)
ちなみに、私の妹と弟は、この小泉政権期間の2003年に結婚した。それまでは、実家にいた頃のように、こちらからかけた電話でも普通に話せていた(と私は思う)のに、その後は、過去に綴ったような経緯を辿り、現在に至っている(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170730)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170829)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20170912)。

https://diamond.jp/articles/-/165884


「階級社会」に突入した日本、格差を拡大させた3つの仮説
2018.4.4


・安倍政権が1億総活躍とか人づくり革命とか言い続けているのも、このまま働いても豊かになれないと思っている人が増えているのが背景


・起点は高度経済成長の終焉


・賃金の規模間格差、学歴間格差の拡大から始まり、1980年代からあらゆる格差が拡大


87年にフリーターという言葉がはやり、新卒の若者たちが大量に流れ込み


フリーター第1世代は50歳を超え氷河期世代も40歳を超えてきたのが今


・世界各国はその高い成長が続くという幻想の下で、財政政策や金融政策を積極化


・財政・金融政策では成長を高めることはできないといって、規制緩和を進めたのが、米国のレーガン大統領、英国のサッチャー首相、そして日本の中曽根康弘首相


・経済活動を自由にすれば格差は広がるので、自由化を進めた上で、所得分配で対応すべきだったところを逆にその機能を弱めてしまった


完全雇用なのに賃金が上がらない理由の一つは、高齢者や主婦の労働参加が高まり弾力的な労働供給が増えているから


団塊世代が70歳になり始め、健康寿命を考えると労働市場から退出する人が増えると思っていたのですが、なかなか賃金が加速しない


外国人労働が凄まじく増えていて、この5年間で倍増
・過去5年で60万人増えて120万人
・一番増えている在留資格留学ビザと技能実習


全体的に所得が低迷しているから、今までだったら子どもが小学校に上がってからパートに出るはずだったお母さんが、幼稚園に入る前からパートに出る
・65歳を過ぎた人がさらに非正規で働き続ける


・正規労働は労働需給の影響をあまり受けず、基本的に生産性の上昇率とインフレで規定


・かつての内部労働市場では、時間をかけて人的資本が蓄積されていくから生産性の高い仕事ができた。人的資本の蓄積の機会が少ない非正規雇用が増えただけではなく、正規雇用についても能力主義から成果主義にシフトしている企業も少なくない。


正規雇用に対しOJT(職場内訓練)やOff-JT(職場外研修)の機会が減ってきている


・米国で所得格差が拡大した理由:イノベーションとグローバリゼーションと社会規範の変化
・比較的高い賃金の仕事と比較的安い賃金の仕事が増えている。これは欧米でも日本でも起こっていて、各国の政治が不安定化する原因
・非正規の巨大な群れができたときに、最低賃金の保証と所得再分配がないと。人々は将来が不安だからわずかな余剰が出ても貯金するので消費に回らない。


少子高齢化は70年代半ば以降の婚姻率・出生率の低下が原因とばかり考えられていますが、理由はそれだけではない。
就職氷河期に当たった団塊ジュニアは、就職が非常に厳しく、非正規になった人が多かった。正社員になれても不況期に就業すると、望んだ職種や企業に勤められないから、すぐに転職
・その結果、結婚が遅れたり、できなかったりする。ある程度年を取って、所得が増え、経済的に出産が可能になっても、今度は、生物学的な限界もあるので第2子を持つことが難しくなる
・近現代の日本で、初めて貧困であるが故に結婚して家族を構成して子どもを産み育てることができないという、構造的な位置に置かれた人が数百万単位で出現した事実は非常に重い


・上の世代がまだ50歳ですから、あと20年くらい働き続けるかもしれない
・生産拠点の新興国への移転でいえば、この30年で一番メリットを受けた国は中国
・90年代くらいから新興国への生産拠点の移転で新興国が豊かになり始めてきたので、「大いなる収斂」


・日本人は日本のどの階層に属しているかが決定的になる
・強調したいのが、アンダークラスの上の労働者階級が二つに分裂してきていること
・働いている人が税金を払い、社会保険料を払うから社会保障制度
晩婚化や非婚が進み、少子高齢化が助長され、社会保険料や税金を払う人自体が減って、益々、社会制度の持続可能性が低下

(部分抜粋引用終)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53945


2018.1.14
平均年収186万円…日本に現れた新たな「下層階級」の実情


・格差拡大が進むとともに、巨大な下層階級が姿を現わしたからである。その数はおよそ930万人で、就業人口の約15%を占め、急速に拡大しつつある。
平均年収はわずか186万円で、貧困率は38・7%と高く、とくに女性では、貧困率がほぼ5割に達している。
・貧困と隣り合わせだけに、結婚して家族を形成することが難しい。


男性では実に66・4%までが未婚で、配偶者がいるのはわずか25・7%である。女性では43・9%までが離死別を経験していて、このことが貧困の原因になっている。


・健康状態にも問題がある。4人に1人は健康状態がよくないと自覚している。心の病気を経験した人の比率は、他の人々の3倍近い2割に上っている。
・いじめにあった経験をもつ人が3割を超え、不登校の経験者も1割に達し、中退経験者も多い。支えになる人も、少ない。
・親しい人の数は少なく、地域の集まりや趣味の集まり、学校の同窓会などに参加することも少ない


パート、派遣、臨時雇用など、身分の不安定な非正規雇用の労働者たちである(技能職・建設職など)。仕事の種類は、マニュアル職、販売職、サービス職が多い。平均労働時間はフルタイム労働者より1−2割少ないだけで、多くがフルタイム並みに働いている。
・資本主義社会を構成する主要な階級は、経営者などの資本家階級、専門職・管理職などの新中間階級、そして労働者階級であり、労働者階級は最下層のはずだった。
正規雇用の労働者は、長期不況にもかかわらず収入が安定し、貧困率も低下してきている。労働者階級の内部に巨大な裂け目ができ、非正規労働者は取り残され、底辺へと沈んでいったのだ。
・日本にも正規労働者たちとは明らかに区別できるアンダークラスが誕生し、階級構造の重要な要素となるに至った
・程度の差はあれ安定した生活を送り、さほど強い不安もなく、満足や幸せを感じながら生きることのできる人々と、これができない人々の違いである。


・同じように低賃金で働くパート主婦、資本主義から距離を置く専業主婦、そして大資本との競争に苦しむ旧中間階級は、格差に対するスタンスで、アンダークラスに接近している。
・内部には、格差拡大に反対して所得再分配を支持し、同時に他民族との協調と平和主義の立場に立つリベラル派が、かなりの比率で存在している。
自民党を積極的に支持しているのは、民族排外主義と軍備優先、そして自己責任論にもとづく格差拡大容認論に凝り固まった一握りの人々
・格差縮小を一致点として、アンダークラス、主婦、旧中間階級、そして新中間階級と労働者階級のなかのリベラル派の支持を、一手に集めることができるような政治勢力を形成することだ。

(部分抜粋引用終)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54265


2018.2.3
格差・貧困に背を向けた結果、日本は「階級社会」に突入していた


・日本社会は取り返しがつかないほどに変質
・新しい階級社会と巨大な下層階級(アンダークラス=パート主婦を除く非正規労働者たち)の出現


・人には日本国憲法で認められた生存権と平等権がある。だから生存権を脅かすような貧困の存在が明らかになれば、政府は対策を取らなければならない。
特権階級の利害は脅かされることになる。
社会に対する認識自体が、階級間の対立の争点なのである。


・1970年代の終わりには、「一億総中流」という言説が流布し、あたかも格差や貧困の問題は日本からなくなったかのような幻想が振りまかれた
・1980年代に入ったころには格差は拡大し始めていた。しかし「一億総中流」という幻想のもと、格差拡大は放置され続けた
・財界人を中心とするメンバーで構成された経済戦略会議は、日本の社会は、「行き過ぎた平等社会」だと根拠もなく断じ、富裕層減税と低所得者増税を提言し、これが実行に移された
規制緩和によって、非正規労働者は激増し、巨大なアンダークラスの出現へと至る


2009年から3年だけ続いた民主党政権が、遅まきながら格差が拡大し、貧困率が上昇しているという事実を認め、対策を取ると明言
・格差を正当化するイデオロギーとして流布し始めたのが自己責任論、つまり収入が低いのは自己責任だから放っておけばよいとする主張
・貧困は自己責任ではなく社会の問題だと考える立場がある。これは下層階級の、そして下層階級の人々に共感と同情を抱く人々の政治的立場の表明である。


・格差拡大と深刻ではなく、是正の必要はなく、貧困は自己責任だと切り捨てる立場がある。これは特権階級の人々の、そして格差拡大を放置し拡大させてきた政府や企業を擁護する人々の政治的立場の表明にほかならない。
現代の日本社会が階級社会であることを認めるか否かである。
900万人にも及ぶ新しい下層階級(アンダークラス)を底辺におき、これに犠牲を強いる、新しい階級社会だと考えるべきである。
・フランスの社会学ピエール・ブルデューは、「階級が存在するかしないかということは、政治闘争の主要な争点のひとつである」と指摘した。
・今日の日本社会が、アンダークラス苛烈な境遇を押しつける階級社会だという現実を認めることこそが、貧困のない、より平等な実現するための一歩になるだろう。

(部分抜粋引用終)