ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

中東への日本の関与

さて、日本発のこのニュース、どう読むか?
私見では、「日本ならではの支援」は良いが、「橋渡し役」「強み」と大きく構えない方が賢明ではないかと思う(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130923)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150519)。せいぜい「(軍事面での)限界や(文化的歴史的)制約を有する中での特徴」と言いたいところだが、ニュース記者の意図が表現に含まれているのかもしれない。
しかし、中東でエネルギー資源確保以外に関与しなければ「日本は何もしない」と批判され、独自の貢献をしようとすれば「日本は中東がわかっていない」と文句をつけられ、一体どうすればいいのか、とも言いたいところである。
少なくとも、日本は中東を植民地支配した過去を持たず、戦後はアラブ諸国ともイスラエルとも良好な外交関係を築き、歴史上、相互に戦争をしなかったことだけは確かである。現憲法下で軍事力に制約がかけられているのならば、経済面以外に活動の場がない日本の立場も考慮していただきたい。

http://www.msn.com/ja-jp/news/national/


安倍晋三首相の中東歴訪、「非キリスト教、非欧米」強みに重層的な関係強化狙う
2018/04/29


「中東は日本にとってエネルギーの安定供給の点からも極めて重要な地域だ。経済、安全保障、先端技術などさまざまな分野でも重層的な関係を強化をしていかなければならない」


 安倍晋三首相は29日、官邸で記者団に今回の中東歴訪の意義を強調した。「日本ならではの支援をし、良好な関係をそれぞれ築いてきている」とも語った。首相は「非キリスト教、非欧米国家」という日本の強みを生かし、中東和平の進展に向けても積極的に関与していく考えだ。


地域への関心示す


 今回の歴訪のハイライトは、首相が5月1日夕(日本時間2日未明)から訪問するイスラエルパレスチナになる。首相は、トランプ米大統領イスラエルの首都をエルサレムと認定した後、この地域を訪問する最初の主要国の首脳となる。外務省幹部は「今回の訪問は中東に日本が高い関心を持っていることを世界に示す象徴だ。日本は米国、イスラエルパレスチナ橋渡し役となる」と、訪問の意義を説明する。


 「橋渡し」の具体例となるのが、首相が2日に訪問するヨルダン川西岸・エリコに設置された「エリコ農産加工団地(JAIP)」だ。平成18(2006)年に打ち出した日本独自のイニシアチブ「平和と繁栄の回廊」構想の中核事業で、日本、パレスチナイスラエル、ヨルダンの4者の地域協力によって、パレスチナの経済的自立を促す中長期的な取り組みとしてスタート。すでにオリーブ石鹸の工場などが稼働している。


 また、アラブ首長国連邦(UAE)は石油の輸出に依存しない「脱石油」を目指しており教育や宇宙開発分野でも日本との連携に期待が高まっている。今回の訪問には日本企業の経済ミッションも同行し、首相のトップセールスで経済関係の強化を図る。首相は経済フォーラムに出席するほか、日UAEの投資協定に関する文書に署名する。


アジアの安保直結


 一方、中東情勢の不安定化は、米国の関心を中東に向かわせ、アジアへの関与の低下につながってきた。最近はシリア情勢にも絡んでシーア派大国イランと、イスラエルイスラムスンニ派サウジアラビアなどの対立も不穏さを増すばかりだ。
 日本の中東での外交力の限界を指摘する声は少なくない。首相は長期政権で培った外交力を生かして、今回の訪問で中東地域の安定に貢献する強い決意を示す考えだ。

(沢田大典、小川真由美

(転載終)
2018年5月8日付追記:
以上の日本国内向け声明は、イスラエルの首相夫妻による夕食の際、靴に入れたデザートの形で返答された(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20180508)。