ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

インドから強さを学ぶ

今日届いたインテリジェンスに関するメーリングリスト(mag2 0000258752)から、興味深く、いつでも努力を続けなければならないのだと、非常に刺激を受けた内容を部分紹介いたします。

旧・大蔵省にて財務官を務め、「ミスター円」の異名をとった榊原英資氏の『経済の世界勢力図』の要約だそうです。

・インド経済の強さの源泉は、英語が話せて、国際ビジネスにも対応できる人材が豊富に存在すること。
インドではイギリス統治時代から英国留学が盛んで、英連邦の人々とさまざまな人間関係を築いてきた歴史をもっている。
さらに印僑ネットワークの存在が、国際ビジネスの展開に有利な環境を提供している。
・さらにインド経済の強さを探っていくと、インド伝統の産業技術の蓄積に加え、英語力や人的な国際ネットワーク、英国式金融システムがある。
そして近代的法制度や法治主義など、英国統治時代の目に見えない遺産つまりソフト面のインフラが、中国よりもはるかに整備されている。
今後、道路、港湾、公共施設、電力供給、情報通信施設などハード面の産業基盤が整備されていけば、インド経済の成長力はグンと加速度がついていく。
・これからの時代を生き抜くためのもっとも効率のよい投資は「教育」である。
またこれからのビジネス社会では、経営や経済の専門家になるためにも、ある程度の数学の知識が必要になる。
・留学の勧め。
教育についてアドバイスするなら、「私立でも公立でもなく、外国へ出しなさい」といっている。
それは早いうちから異質なものに触れさせるという経験をぜひ子供たちにさせてほしい。
・外国でいろいろな人と交渉すると、向こうから出てくる人はエリート教育を受けている人がほとんど。特に、ヨーロッパの代表はほとんどがエリート教育を受けており、一般教養の幅がとても広い
彼らはまずギリシャ語やラテン語を覚えて、古典を学ぶ
クリスチャンですから聖書の内容は身についているし、ギリシャ神話などキリスト教以前の古典にも通じている
日本を代表して世界のエリートと渡り合うためにも、広い教養を身につけた人材を育てるのは大切なこと。
知識を暗記させるというのは非常に重要なこと。
たとえば語学は基本的にすべて暗記。
特に口に出して言わせることには知識を身につけさせる上で大きな効果がある。
江戸時代は寺子屋四書五経を全部音読させ、暗記させていた。
・創造力の源泉というのは、知識。
知識量の多い人は、少ない人では考えられないコンビネーションを考えられる。
実際、古今東西の天才たち、抜群の創造力を見せた人たちは、みな驚くほど博識である。
レオナルドダビンチなど天才というのは、みなすごい知識を持っていた人である。
・教育に関するまとめ。
海外体験をさせること。
小学校の段階で、詰め込み教育を積極的に行うこと。
理数系の勉強を文系の人間もしっかりすること。
実はこれらのことは、あなたの子供たちが成人して、社会にでるようになるときに重要な資質になる。

(引用終)

ここから派生的に感じたことです。かつてはよく、インドの反植民地抵抗運動とか、大英帝国の否定的な面ばかり強調するような論調や研究を見聞したものでした。
日本側の研究としては、その方が立場上も思想的にもやりやすかったからではないか、と思いますが、現実としては、そのような見解ばかりに触れていると、見失うものも少なくないのではないでしょうか。一般の人々はもっとしたたかで、利益になることなら吸収してしまうものです。インドの方が中国よりも、日本のビジネス交渉相手としては、より対等の立場でできそうだというのは、しばらく前に主人が仕事関連で話していましたが、確かに上記の書からも、それが裏付けられそうです。
また、1990年代からマレーシアで知り合ったインド系の人々も、まさに上記の記述を地で行くような暮らしぶりでした。若かったから無知を許されたようなもので、本当にショックの連続でした。
エリート教育に関しては、日本でも旧制高校があって、祖父母の兄弟の頃と、私の世代のような「みんな一緒に」「自分だけ先にわかったつもりにならないで」「能力に差があってはいけない」というような平等教育とでは、全く思考能力も読書の幅も異なることは百も承知しています。私が必死になって(読まなければならない本がいっぱいある)と今でも毎日思っているのは、資格や試験のためではなく、ひとえに全般的な素養に欠けることがしみじみわかっているからです。特に外国人の先生方と話すと、本当に恥ずかしいぐらい、知らない事だらけです。
この歳なので私は仕方がないとしても、これからの若い方達には、土俵を広く世界に置いて、本当に伸びていっていただきたいと思います。