ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

五嶋みどりさんのリサイタル

昨夕は、7時から9時20分まで、西宮の芸術文化センターで、五嶋みどりさんのヴァイオリン・リサイタル。ピアニストは、おなじみのマクドナルドさんに代わり、トルコ系アメリカ人のオズガー・アイディン氏。

今回は、舞台から二列目の正面の席が取れたので、ちょうど目の前でお二人が演奏している姿を目の当たりに。息づかいから顔の表情まで、本当に間近に伝わってきて、とても濃厚な時間でした。平日だったのに、一階席はもちろんのこと、四階席までどこも満席。毎回、こんな集客力があるなんて、大変に驚異的な方です。
このところ、我ながらおかしいほど、気分的にかなり調子が狂っていたので、本当に贅沢でありがたい一時。あっという間のすばらしい夜でした。やはり、自分が心から好きなものに触れ、尊敬できる方と向かい合えるという時間を、もっともっと大切にすべきだな、と。
東日本大震災の直後に、国連からメッセージを寄せられたみどりさん(参照:2011年4月2日付「ユーリの部屋」)。そのお礼を、終了後の‘Meet&Greet’の時、「ありがとうございました」と申し上げました。黒地に白レースで縁取りと白い樹木のような模様入りのシンプルかつ華やかなドレス姿のまま、右手で軽く握手してくださり、にっこりと微笑んでいらっしゃいました。
サインは、ピアニストからもいただきましたが、その時はさすがにうれしそう。でも、舞台上では、みどりさんの方が深々と一人でお辞儀されているのに、彼の方は、客席をふてぶてしそうに(?)眺める感じだったのが、かつてのマクドナルドさんとのコンピとは違っていて、いささか時の流れを感じさせ、寂しくも思いました。これもまた、個性というものなのか、この度、来日キャンセルが相次ぐ中で、こうして従来通り、演奏会が行われただけでも感謝すべきなのか、不思議な思いにとらわれました。
ツアー最終日だった今回は、沖縄、福島、富山、横浜、宮粼、札幌、名古屋、東京と、かなりの強行スケジュール。福島が入っていた点、さすがはと思いましたが、それでも、疲れも見せず、体を大きく揺り動かし、顔の表情も豊かに、弓さばきも切れ味抜群で、とにかくもの凄い演奏。
曲目は次の通り。

1.モーツァルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 K.301
2.ヤナーチェク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
3.ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調


[休憩20分]


4.サッリネン:4つのエチュード Op.21
5.ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第9番 イ長調「クロイツェル」 Op.47


[アンコール]
ドビュッシー亜麻色の髪の乙女

私にとっては、ヤナーチェクの一部とサッリネン全曲が初めて聴いたものでしたが、他は、改めて選曲してくださったことに深謝したい気持ちでいっぱいです。本当に圧倒されっぱなしの演奏でした。ピアノに関しては、もう少し繊細な部分があってもいいのでは、と感じましたが、皆様はどのようにお聴きになられたでしょうか。