ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

二人三脚

昨夕は、患者友の会の支部会長をされているYさんからお電話がありました。会報によれば、昨年11月にご主人を亡くされたそうです。おととしにはお年賀状をいただいていたので、驚いて、寒中見舞いをお送りしたところ、お電話でご挨拶があったのです。
「今でも、外から帰ってくるような気がして...」とYさん。「そうでしょうねぇ。こちらにとっても突然のことでしたから」と私。
「私の方が先だと思っていたんですが...」。
「こればっかりはねえ」と応えるしかありませんでした。
確かに、こればかりは、自分で決められるものでもありません。
日本では、女性の平均寿命の方が長いので、殿方は自分が看取ってもらえるものだと思っているかもしれませんが、10年ほど前、手術で入院された女性助教授(当時)の話によれば、「結構、だんなさんが奥さんの世話をしているケースもあるんですね。入院して初めて、世間を知りました」とのこと。
そうなんですよ。どちらがどちらを世話するかなんて、下手な社会学の論文じゃあるまいし、それほど単純なものではありません。(社会学系論文は、データをきちんととっているようでも、案外に研究者の価値観が行間に滲み出ているもので、結構、失礼な結論を出して満足しているかのような事例を時々目にします!)
それにしても、残念だったのは、昨夏ごろだったか、「お風呂で体を洗うのに不自由しています。皆さん、どうしていらっしゃいますか。何かいい工夫はありませんか」と、葉書を出したところ、Yさんから直接お電話があり、「私は主人に洗ってもらっています」とお聞きしたばかりでした。それなのに、今はそのご主人がいなくなってしまっている、という事実。えぇ、支部会長のYさんが患者なんです。そして、葉書を出した私ではなく、うちの主人がお風呂で不自由しているんです。つまり、いずれも二人三脚。
それでも、友の会に入っておくと、いざという時のネットワークがあるので、心理的に負担が軽くなるというメリットがあります。他方、患者同士の話は、どうしても病気中心になるために、似たりよったりが多く、ちょっとうんざり、ということもないわけではありません。プライベートを明かしたくない、という人も多いでしょうし、患者会の運営には、なかなか難しいものがあります。そこをうまくつないでくださるのが、保健師さんのお仕事でもあります。お医者さんは忙しすぎて、そこまでできませんから。
Yさんには随分お世話になってきたので、これからも何らかの形でご協力していければと願っています。