ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

十年ぶりに結婚式を振り返る

昨日は、主人と二人で、十年ぶりに、私共がお世話になった京都市内の結婚式場と披露宴会場を見に行きました。
式場では、私と同じような白無垢姿の花嫁さんが記念撮影中でした。当日の緊張を思い出します。あの頃は、「薹の立った花嫁」と言われるのではないかと冷や冷やものでしたが、気がついてみたら、今の女性達は、私が結婚した歳でも、当然のように仕事に熱中しています!私の頃は、ちょうど時代の転換期だったのかもしれません。でも、いつかは結婚するつもりなら、できれば早目にした方がいいようですよって老婆心(?)から申し上げます。仕事や勉強は、覚悟さえあり、場所を選ばなければいつでもできますが、結婚や出産はどうしても時というものがありますから。

今から思えば、私の時代の大学院の教授先生方は、女子院生にどう対応したらよいのか、ご自分でもわからなかったのでしょうね。今より大学院の数がはるかに少なく、院進学と決まった暁には「もう独身まっしぐらだね」と言われたぐらいでした。先生の方も、「男女差別はいけない」という建前から、「院に入った以上は研究職へ」とせかすことで、自分達の教育実績を数の上で出そうと必死でいらした。けれども同時に、体の構造まで違いが解消されたわけではないから、生物学的なリズムとズレが出てしまう…。その狭間で何とかじょうずにやっていける女性は、実は非常に限られているのに、「○○さんは、こうこうだから、あなたも頑張らないと…」と、その人の背景も無視して競争意識むき出しでハッパをかけてしまう。ないしは、「もう大人なのだから」と放置したままにするなど。歳は大人でも、精神的には、学生のみならず、大学の先生でも子どもっぽい人が多いと、当時も今もよく聞くのですが…。
こういう時、女性の先生が大事になってきますけれども、私の時は、(あの先生に相談するぐらいなら、自分で悩んで決めた方がましだ)という気持ちがありました。つまり、学歴は立派で論文数が多く、著作もある先生であっても、なんとなく理屈だけで責めてきそうなエリート臭の強い女性の先生だったり、ガンを患いながら出講している方だったりすると、ご相談などとてもとても、とこちらが引いてしまっていました。

こういう点も、今なら制度上、解消されていることを望みます。

披露宴の時、お色直しの間に、お楽しみの出し物として、一人一人から「二人への十年後のメッセージ」をカードに書いていただきました。主人と出かける前に、箱から出して読んでいたのですが、的中したものも外れたものもありました。当然ですね。
外れたのは、子どもの数。三人はかたい、という見立てが含まれていました。私も三人きょうだいで育ったので、そういう覚悟もありましたが、これも時代のせいか環境のためか、違っていますねぇ。それから、主人の役職名。こればかりは、どうしようもありません。まあ、それだけ期待がかかっていたと考えましょう。「十年後のこの日に電話するわね」と書かれていたカードの主からは、何も音沙汰ありませんでした。彼女の方は、ご主人の都合で普通以上に引っ越しの多い結婚生活になってしまい、それどころじゃないのでしょう。それから、「こういう時代ですから、十年後は海外?」というものもありました。う〜ん、実は当時、二人とも海外に出かけるのに疲れてしまい、新婚旅行は、国内で短くゆっくりにしました。仕事で海外に行くのと、私的に行くのとでは、全く事情が違ってきますので。

カードを読みながら感じたのは、男性出席者は概ね、今後の社会変化を予測しながらその対応を書いていることです。大学に転職された方も何人か含まれているぐらいですから、いろいろ考えていらっしゃったのですね。ピタリと当たっている文章もあります。(この時代はまだそうだったんだね)と改めて思った次第です。十年一昔の再現です。それから、温かくてよい家庭あってこそ、充実した職業生活が営めると経験から述べていらっしゃるものもあります。男性も、女性以上に結婚や子育て時期ということを考えていらっしゃるのですね。女性出席者は、もっと身近な話が多いようです。既婚者は、宴席の料理の感想や家庭生活の助言を記され、これから結婚したい人は「次は私」ということを匂わせていたり、「仕事も続けているよね」などと書いていたりします。

いずれも、その人らしさが滲み出ていて、とても感謝です。ちょうどバブル全盛時代に二人ともそれぞれ海外派遣で仕事をし、帰国した頃にはバブルがはじけて経済の混迷期を迎えていたので、「ジミ婚」などということばも流行っていました。その中で、きちんと正式に則ったプログラムでありながら、シンプルだけれど列席者も楽しめる、和やかでおいしいお食事会にしようと願っていたことがほぼ実現できて、今思い出してもありがたい限りです。

ご参列の方々、そして式場会場でお世話くださったさまざまな職種の方々、本当にどうもありがとうございました。皆々様におかれましては、どうぞ末長くお健やかでいらしてください。今後とも、よろしくお願いいたします。