ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

今日の読書から

今日は、以前送っていただいた本2冊を読みました。
感想は、一言で言えば、(やっかいなテーマだけれども、よく読めば、地域ごとに、各宗教ごとに、各研究者ごとにニュアンスの異なる報告や論文が、思っていたよりはあるのだなあ)ということです。読んでみて初めて、主催者に対する遠回しの異議申し立てが書かれていたり、出来事に対して案外に冷静な国々も多かったことが記されていることに気づきました。
この種のテーマは、「差別はいけない」「寛容が必要」「共存への努力」などのように、最初から結論が決まってしまっているような印象があり、その意味で、こちらにも先入観がありました。もちろん、そういう路線で編集されているので、大方は予想通りでしたけれども。
中には、多忙のゆえか、誰かの引き写しで、どこかで読んだことのある、新奇性のほとんど見られないものもありました。
私からの注文(といっても、このブログで書くだけですが)が許されるならば、まずは、出来事に安易なレッテル付けをしないこと、ジャーナリスティックな話題はできれば避けること、でしょうか。もっとどっしりした重厚なものが読みたいのです。
大々的に宣伝されていたので、もっと読まれているのかと思っていたのですが、調べてみると、案外拍子抜けするぐらい少なかったです。
論文や本を読んでいておもしろいと感じるのは、独自の内容や新しい視点が盛り込まれていること、共感できる面があること、借り物でないこと、自己の体験に裏付けられていること、事実に対して率直で誠実であること、などです。それからすれば、研究論文というよりも、時事的な話題に飛びついた感じの編集でしたので、その点は残念と言えば残念でした。マレーシアについても言及されていましたが、執筆者それぞれの立場や考え方を知っていたために、これも各記述は予想通りでした。むしろ、多種多様な民族宗教の存在という背景への言及は確かにありましたが、問題の性質上、仕方のないこととはいえ、マレーシアには6割しか存在しないムスリムにのみ焦点が当たっていることについて、多少、不満が残りました。
いろんな人から「もっと自信を持って書いたら?書けばおもしろがってもらえるよ」などと励まされつつも、このような宣伝付き機関の発行物に心理的に最初から押され気味で、なかなか腰が重かったのですが、変な言い方ですが、少しやる気が出てきました。